県学労ニュース172号      98/9/1発行

寄付採納を考える パート2
   年間3500万円も!
      _/_/_/時習館高校への寄付_/_/_/    

 県学労は引き続き県立高校への寄付について公文書公開制度を利用して調査を続け
てきました。今回は一件百万円以上の物品と財産の寄付についての文書を公文書公開
しました。二面にその一部を掲載しますが驚くべき実態がありました。
 その第一にあげられるのが、時習館高校への寄付の多さです。財産としては、築庭
用揚水・撒水設備(二百三十八万五千円)、コンピュータ用のLANシステム(九百
九十二万二千五百円)、作り付けの飾り棚(二百万円)の三件です。これだけでも驚
くべき金額なのに、更に備品の寄付がこれ以上にあります。品目については二面の一
覧表を見て下さい。ほとんどがコンピュータ関係の物品で総額は二千五十一万二千六
百九十円です。
財産の分も含めると寄付総額は約三千五百万円にもなります。寄付者は古い卒業生の
他にPTA会長からのものが二千七百八十七万八千円もありました。
 県費予算が少ないからといってあまりにも膨大な寄付に頼るのはどうでしょうか? 
 第二に、周年事業による異常な資金集めの結果としての寄付です。学校も周年事業
の実行委員会にメンバーとして入っているにもかかわらず、周年事業の費用の多くが
学校への寄付となっている学校がみうけられます。本当に◯◯周年を祝うというより
は、周年事業に名を借りた学校の寄付金集めではないかと思われます。
 第三に、卒業記念として毎年卒業生が寄付をしていますが、これは本当に卒業生の
自発的な寄付と言えるでしょうか?
 多くの学校では学年会計叉は学年積立金会計のの中から一定額を卒業記念品代とし
て支出しています。もちろんPTA総会や運営協議会で承認はとっていることと思い
ますが、自発的な寄付と言うのであれば一律に寄付金を徴集するような現在のやり方
はおかしいと言わざるをえません。学校の方もこれを県費不足を補うものとして当て
にするのはやめましょう。
 第四に、寄付品目の中には本来県費で購入すべき物がみられます。県費不足で買え
ないものを卒業記念品、周年事業に頼っているところが見られます。寄付品目の中で
特に目につくのがコンピュータ関係のものです。教育用には全校にコンピュータが導
入され、今また更に更新されています。それでももっと必要なんでしょうか?事務用
に使うパソコンを寄付で受け入れるというのも変ですし。
 公文書公開制度で寄付の状況を平成9年度分に限って調べましたが、あまりにひど
い実態に驚きました。今後、この問題についてなんらかの改善を求めていきたいと思
います。ご意見、御要望があれば県学労へお寄せください。



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