序章 デネブが望むもの 誰もが認める絶世の美女にして、優秀なる魔法使いの名はデネブ。 そんな彼女が手に入れたいと思うものは3つ。 1つ目は永遠の美肌。 転生の奥義を知る彼女には、どちらでもいいものではないか?と思うかもしれないが、 永遠の命と、永遠の美肌とでは、その意味するところは360度も違う。 ちょ、ちょっと回し過ぎ………180度も違うのだ。 いちばんお気に入りの「つやつやボディ」を、全く老化することなく使い続けたい! …それこそが永遠の美肌というものであり、彼女の究極の望みなのだ。 2つ目はガラスのカボチャ。 かの賢者ラシュディが、「これでカボチャ人間を100人生み出せば、 永遠の美肌への道が開かれる!」と言って、彼女に見せびらかしたものだから それが欲しくなった彼女は、その代わりに帝国軍に味方してあげたのだと言う。 ちょっと眉唾ものという感じはしたそうだが、ヴァレリア島でのオークションに出品すれば、 「何千万ゴート」はするという代物であるのは確からしい。 美肌探求には、巨額がかかるので、持っているに越したことはないというわけだ。 しかしながら、ある理由があって、今は持っていないらしい。 その話は、この後で話すことにしよう。 3つ目はランスロットのオルゴール。 それが一体どういう秘宝なのか? どんな効用が隠されているのか? 実のところ、彼女もよく分かっていないらしいが、これまたオークションでは、 「何千万ゴート」もするらしい。 ガラスのカボチャを調べていて、偶然にもその事実に気付いた彼女は、 どうせなら、これも手に入れてしまおうと思ったというわけだ。 まったく、美肌の研究のためとは言え、業突く張りなことである。 ≪ Next Chapter ≫ |