Betta splendens HOMEPAGE

(RIGHT)産卵直後の泡巣(96/09/17)
あまり美しい泡巣ではありませんが、3回目の産卵直後の様子です。今回のカップルは絶倫夫婦だったようです。私の飼育歴では最高の5回の産卵を行っています。しかもまだ産み足りない産ませ足りない様子の夫婦でした。笑っちゃいますよね。命を縮める事も無かろうと隔離しました。
 写真では判りにくいのですが、水面に乳白色の卵が浮いています。この産卵では70〜100個くらいの産卵でした。産卵水槽には泡巣を作りやすいようにいろいろなものを入れます。発泡スチロールだったり浮き草類だったりしますが私はリシアを使っています。



(LEFT)生後5日目の稚魚(96/09/19)
生後2〜3日の稚魚。水面にしがみついていたのがようやく泳げるようになりました。はじめて食べたブラインシュリンプがオレンジ色に見えています。1匹食べればお腹がいっぱいになるくらい小さな稚魚たちです。よく食べても2匹が限度。



(RIGHT)生後10日目の稚魚(96/09/18)
別水槽に隔離した稚魚たち。ブラインシュリンプを腹がはちきれるほどに食べています。仕事の都合で一日に1〜2回しか餌を与える事が出来ません。そこで飼育水そのものを汽水状態にしてブラインシュリンプを大量に放り込んでおくと本来なら死屍累々のはずのブラインシュリンプが24時間経過しても生きています。次善の策ですが、時間の都合で死体を片付けるまでに時間が経過しすぎるのでそういう方法で飼育しています。今のところ水質や成長状態には影響は無いようです。孵化後の時間の経過したブラインシュリンプを与えてしまう事は栄養上問題はあると思いますが、とにかくお腹いっぱいに食べる癖を付けておかないと後にブラインシュリンプ以外の餌に移行する時に餌付きが悪くなる事がありますのから。
 生餌の重要性をこの頃よく考えます。自然界に生きている稚魚は飼育環境下ほど十分に栄養を取れていないはずなのですが、それでも問題なく成長しています。すると初期飼料に求められる事は栄養価よりもどれだけ食をそそる動きをするか、成長した時にどれだけ「根性の入った」個体になれるか、といったような性格形成の方が重要ではないかと思えてくるのです。


(LEFT)シングルテールの稚魚(96/09/23)
思いっきり拡大してみました。オレンジ色の内臓と背骨に挟まれた所に浮き袋が見えています。このあと楕円形をしていた浮き袋の後半部分が尾ビレの基底近くまで細長く伸びて体のバランスをコントロールする部分になります。
 この浮き袋が伸びてこない稚魚は上を向きっぱなしになります。ショウベタにはよくある奇形です。



(RIGHT)ダブルテールの稚魚(96/09/23)
ベタの奇形には背骨が曲がる症例があります。この個体は尾の基底が波打つように曲がっています。本来ベタにはダブルテール(以下DT)は存在しません。突然変異か何かで生まれたDTを固定したものです。要するにDTそのものが奇形なのです。DTに奇形が多いのはおそらくそういう理由なのでしょう。シングルテールの外見的な欠点はDTの登場でほぼ解決されたと思います。迫力のある背ビレ、よく広がる尾ビレ、「見応えのある」ベタとしては最高の系統でしょう。しかし所詮は奇形であるがゆえにDTの血を濃くしすぎると奇形個体の発生数が大きくなってしまいます。
 将来の希望としては全く奇形の無いDT個体を作ってみたいのですがアンビバレンツな希望ですね。


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