GUNDAM Mk-IIって…

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●マーク2のことを少し考えてみる。昨日はめずらしく説明書の御託文を読んだ。そういえばGP-02Aのときも読んだっけ。まずGPシリーズのツケがアナハイムにのしかかってるなんて時代背景がもっともらしく語られていたりして、つじつま合わせがうまい。マーク2は開発者のはずのフランクリン・ビダンにさえ「あんな旧式」と笑われた機体だ。あの当時は思いもしなかったけど、全周囲モニターやリニアシートはすでにある技術だったということだ。たしかに0080でアレックス・ガンダムが全周囲モニターを採用していたし、0083でもGP-03に導入されていた(っけ?)。0087の時代には「すでにある技術」だったというわけだ。ではマーク2って、いったい何のための試作機だったのだろう?

●0083のラストにはGMクゥエルという新鋭機の搬入シーンがある。ティターンズの成立がそれに重なる。恐らくティターンズには優先的に新型MSが導入されただろう。連邦のGMカスタムやパワードGMからマーク2へのシルエットの流れをつなぐGMクゥエルには、いったいどんな技術が組み込まれていたのか。

●どうしてGMクゥエルのあとにハイ・ザックがティターンズに配備されたのだろう。GMクゥエルよりもハイ・ザックはスペックが上回っていたとは思えない。というのは、ハイ・ザックはザクをベースに連邦の技術を組み込んだものにすぎない。GM3にもあるような、外付けパワーユニットでスペックの上げ底をほどこしていたり、本体に組み込めないがゆえの大型のバックパック(もうランドセルとは呼べないシロモノだ)を背負っている。ビームライフルとビームサーベルを同時に使用できないという中途半端なMS、それがハイ・ザックなのだ(個人的にはそんな中途半端ぶりや、居心地の悪そうなデザインが好きなんだけど)。

●こうして考えると、GMクゥエルは何らかの欠陥により採用を見送られたというのが真相かもしれない。星の屑作戦のあと、連邦にとっても仕切り直しが必要になって、手早く大量に配備できるよう、ハイ・ザックを完成させた、と。ハイ・ザックの開発はどこが手掛けたんだろう?

●そこでマーク2だ。ガンダム神話もガンダム計画も無関係と思われるところで生まれてきたそれは、さして革新的な技術も投入されることなく生まれてきた。いや、ティターンズが自らの正当性を主張するためにガンダムの名を冠したというのはありえる話だ。

●マーク2は、政治的に作られた機体だ。AEがゼータプロジェクトにもたついているあいだに、ポッと出てきたMSだ。開発陣自体ムーバブル・フレームがどれほどのものか判断しかねていた。おそらく、ムーバブル・フレームの有用性を理解していたのはフレームの開発担当者だけだったに違いない。担当者自身は相当な情熱を傾けていたのだろう。開発予算の多くをフレーム機構の開発に使ってしまったため、その他はありものの技術、ありものの規格品でまかなったとも思える。GMクゥエルと外装が似ているのは、マーク2がクゥエルの後継機だからなどではなく、ただ、何らかの欠陥によって倉庫に眠っていたクゥエルのパーツを「流用」したから、なのかもしれない。

●マーク2は、まったくの偶然からエゥーゴの手にわたってしまった。本来なら、ティターンズが「我に正義あり」と主張せんがための象徴となるべきMSだったのに、とんだドロがついてしまったというわけだ。だからティターンズはその後マーク2の採用をあっさりと見送るわけだし、AEにふたたびMSを発注する(マラサイなど)という事態にいたる。

●後にバーザムという出自の不明瞭な(開発の流れがまったく見えない)MSが採用される。センチネル・チームによって「あれは量産型のマーク2だ」という解釈をしていたが、もしそれを正しいとするなら、バーザムはマーク2の基本構造であるムーバブル・フレームの生産ラインを無駄にしないという経済的な命題から出てきた機体だととらえることもできる。ガンダム顔でないのは、すでにエゥーゴによってガンダムはその時代の抵抗の象徴として人口に膾炙していたからだ。

●もしバーザムのデザインをTV版に準ずるものととらえたとしても、バルカンポッドを流用していたあたりに、ボツをくらったマーク2のパーツをなんとか利用しようという意図がよく見えるではないか。これは性能発注の可能性もある。つまり、マーク2の生産ラインを極力流用できるMSを開発すること、がバーザムの開発時の条件に含まれていたかもしれないということだ。カトキ版バーザムを是とすれば、その条件範囲は手足のフレームのみならず、外装やバックパックにいたるまでの生産ラインがすでにそろっていたということになるし、TV版に準ずるなら、バルカンポッド以外のラインはせいぜい部品単位のことでしかなかったのかもしれない。とくに腕はまったくラインがそろってなかったということだろうし、ボディはいまさらクゥエルのものを使う必要などどこにもなかったということだ。ああ、つまりマーク2はクゥエルの余ったパーツでボディの外装をでっちあげたにすぎず、量産のあかつきには、再度ボディの調整設計の可能性もあったということだ。

●マーク2の生産ラインの活用を担っていたのはバーザムだけではなかったことを思いだした。GM3がいた。GM3は外見的にはマーク2のパーツをバーザム以上に引き次いでいる。なにしろあの独特のバックパックをまるごと流用しているのだ。

●マーク2の最後ってどうなったんだっけ。「Zガンダム」のラストでは、手足を失ったマーク2をファが回収した。マーク2は修理を受け、「ガンダムZZ」ではガンダムチームとしてアクシズ事変の最後まで戦ったはずだ。しかしその最後が思い出せない。


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