デイリーウォッチング
多村栄輝の無責任早耳情報

ExpandedBook Attendant を名乗る多村栄輝が電子出版にまつわる新鮮な情報やメッセージをつれづれに綴るデイリーページ(ほぼデイリー、ひょっとしたらウィークリー(^^;) )。


001031.火曜日

【TTZ FileUpdater1.0】

これまで、Mac版IE5やWin版IE5.5ではTTZ ファイルのダウンロードがうまくいかないという問題が確認されていたが、おうやくボイジャーからその回避方法が提示された。TTZ FileUpdater1.0 を通したTTZ ファイルは、件のブラウザでもちゃんとダウンロードできるようになる。問題は、この作業はTTZ を公開している送り手がやらなくちゃならないってこと。再アップロードの手間はあるが、すぐにでも実行してほしい。情報コンテナでも紹介しておいたので、この作業をサボっている送り手がいたら、教えてあげてほしい。


001030.月曜日

【本の学校 in 神保町】

気が付くと開催日の28日は過ぎていて、ポシブルブック倶楽部のメーリングリストにも参加した方からのメッセージが次々と寄せられていました。

速報ページも公開されていて、特設掲示板にも数々の書き込みが…(著名人もちらほら)。

昨年の大山緑陰シンポジウムに参加したときは、「電子本なにそれ?」という方が非常に多かったし、自分がやっている電子書籍のことを紹介したときは「いままるで電子本の勝利宣言のようなことを言われましたが(笑)」などとレッテルを貼られたりもしました。あれから一年、電子書籍コンソーシアムの散華(笑)、電子文庫パブリのスタート、iモードの爆発的な普及、大手オンライン書店のオープンなど、状況がかなり変わってきているはずですが、どんな雰囲気だったんでしょうね。

ポシブル堂書店の田辺店長も参加されたので、明日中にポシブル堂書店ニュースの特集号が発行される予定です。

【新刊コミックの立ち読みができる?】

エキサイトマンガというサイトでは、一部の商品のごく一部を立ち読みできる。どんな仕掛けかとさっそく出かけてみたが、普通にスキャンした画像を順番に表示させるだけだった。仕組み的には単純。ぼくの読んだニュースでは「新刊コミックの一部が立ち読みできる」と書かれていたが、この「一部」がくせもので、「新刊コミックの一部」ではなく、「一部の新刊コミック」が正解だ。読みたい本がかならずしも読めるわけじゃない。これを立ち読みと呼ぶと、これまで培われてきた「立ち読み文化(あるのか、そんなもの?)」がそこなわれてしまうような気がする。

とはいえ、まだオンライン時代の立ち読みは文化的にもシステム的にも確たるモノができ上がっていない(だから文化って何だ?)。せいぜい、英治出版が全ページのスキャン画像を時限公開しているのと、ボイジャーのドットブックが時間制限による立ち読み機能がある程度だ。どちらも「時間」を軸に区切っているのが特徴だろうか。そのかわりすべてのページにアクセスできる。どうやらそのあたりに糸口がありそうだ。


001024.火曜日

【プロデューサー逝く】

『A Hard Day's Night』のプロデューサー、ウォルター・シェンソン氏が亡くなられたそうです。ボイジャーの萩野さんからのメッセージをみなさんにお伝えします。

Hard Day's Nightのプロデューサーであるウォルター・シェンソンが17日ロサンゼルスで亡くなりました。

もし皆さまのお手元にボイジャーのCD-ROM版Hard Day's Nightがあればもう一度トレイに入れて見てください。

彼とボイジャーの長い交友を思い冥福を祈るとともに、このお知らせを皆さまにお送りいたします。

氏のご冥福をお祈り申し上げます。
『A Hard Day's Night』は現在でも DiVO で購入できます。


001019.木曜日

【Mac OS X と T-Time】

10月21日から、日本のアップルでも Mac OS X Public Beta の配布(税別3500円)が始まります。個人的には当面は手出しのできない環境ではあるのですが、ふと思ったのは「祝田さん、T-Time の OS X 対応バージョンを作りたいだろうなぁ」ってこと。

なにしろポストスクリプトによる美しいディスプレイ表示、ユニコードの採用、しかもヒラギノ書体が標準フォントとして付いてくるのです。T-Time やエキスパンドブックの生みの親であり、コンピュータ・ディスプレイと文字との苦闘を繰り返してきた祝田さんが放っておくとは思えません。

祝田さんのことですから、デベロッパー・プレビュー・バージョンの段階から、こっそり手を動かしているのではないかとさえボク思っています(^_^) あーボイジャーに訪問してこっそり見せてほしいなぁ(妄想妄想)。


001018.水曜日

往来堂のホームページがリニューアルしましたね。最近ちょっと「この本がほしい!」という気持ちが萎えているみたいです。本のウォッチングをしていても、「これとこれとこれは買っておきたいなぁ」みたいな算段がまるで働かなくなっています。読書量はそんなに減ってないんだけど、どうしても読みやすい本から片づけてしまうから、『ゲーデル、エッシャー、バッハ』とか『心の社会』みたいな本は、なかなか読み進まないんだよねぇ。そういう本が何冊か家に居座ってる状態。このあいだは『7つの習慣 最優先事項』を読んでいてノイローゼっぽくなってきたのでこれも放りだしたまま。

自分のホームページで「古本バザール」と題して手持ちの本の一部を売りに出しています。リストを掲載して、「ほしい人はメールしてね」とじつにそっけない仕組みなのだけど、それでも一ヶ月に一件程度は注文をいただきます。最近、同じ本を少しずつ Yahoo!オークションにも出すようになりました。でもあちらでも本は売れないです。『出版クラッシュ!』なんて、もう一ヶ月も店晒しの状態。本屋に並んでから一週間くらいで出品したんだけどね。同時に出した『プラモデル進化論』は出してから二週間ほどして、入札がありました。落札された方からは、「紹介文がおもしろそうだったので入札しました」なんてうれしいメールをいただきました。なるほど、そういう基準で買ってくれる場合もあるんですね。本を買うとき、ちょっとした気分が後押ししてくれることってたしかにあるよね。

本コの最新号で、「本が増えたなと思ったら引っ越す」という話を書いていた人がいたけど、ぼくは引っ越すときに本を処分したことがないんです。だから引っ越しはいつも命懸け。来年3月にまた引っ越すから、それまでに手持ちの本を減らしておこうと思います。せめて本棚からあふれている分はなくしておきたいところ。本だけでなく、パソコン関連の機器とか、いろいろ減らして、人生の最後にはバイオリンと一冊の本だけにしておきたいくらい。でも無理かな。

本コの最新号についても、もう少し詳しく書きたいことがあるんだけど、なかなか時間がとれなくて。あと『ニュースの誕生』のことも。たぶんこちらも書店に並んでいるはずなんだけど、本屋に行けてないので確認できないでいます。


001009.月曜日

プロジェクト電脳神保町(仮)に進捗状況を書き加えました。とんとん拍子に進むとは思っていませんが、思わぬところでモノゴトが停滞します。されど産みの苦しみはどんなものにも付きもの。他人同士が集まってやることならなおさらです。みなさん一人ひとりの洞察力を信じて、がんばっていきましょう。

過去ログを分割しました。


001005.木曜日

【『デジタル時代の出版メディア』が理想書店に登場!】

ポット出版から紙の書籍版が出たときに、わがポシブルブック倶楽部メーリングリストでも「こういうのこそ検索しやすくて、リンクの埋め込める電子書籍でほしいよね〜」と話していました。その希望が思った以上に早く叶いました! ドットブック版(1000円)、紙の書籍版(1800円)ともに理想書店で発売中。


001004.水曜日

【書評パンチ!リニューアル】

ぼくも編集同人として参加している書評パンチ!が10月1日からリニューアルしました。しばらく仲俣編集長の日記だけがほそぼそと掲載されていたのだけど、仲俣さんの数々のテクストがどどーんと掲載され、ボリュームアップしています。最近、貢献度ひくくなってるので、ぼくもパンチでまた何か始めたいところです。


001002.月曜日

10月になった。そろそろ古い情報を移動させないといけないなぁ。

【H" は耳で聞く読書(?)を手に入れるか?】

feel H" の発表など、大幅なパワーアップが進行中の H" から、大容量コンテンツダウンロードサービス「Sound Market」のアナウンスがありました。これは要するに、MP3 による音データを H" 端末を使ってダウンロード、対応 H" 端末で再生(専用リモコンなども発売されるらしい)、代金は DDI ポケットから月額使用料といっしょに請求されるというもの。ユーザーにとっては支払いが一本化されるのが最大のメリットでしょう。約45秒の試し聴きができたり、音楽系コンテンツによってはCDをその場で購入することもできるようになるようです。

音の話をなぜここでするかというと、予定されているコンテンツの中には、音楽系以外に「落語・漫才」「講話・インタビュー」などの言語系とでも呼べそうなコンテンツが多数用意されているから。耳で聴く(耳で読む)本」としては、日本でもスマートノベルスがありますが、スマートメディアの代金が上乗せされてしまうためか、かなり高額であることがネックとなっていました。SoundMarket を使えば、通信費はかかるものの、メディア代よりは安く済みそうです。

電子書籍に期待するものとして、「テキストの自動読み上げ」を挙げる人によく出会います。ポシブルブック倶楽部のメーリングリストでも、この話題は何度も出ています。そのたびに、「でも耳で聞くのは本じゃなくて朗読って言うんじゃないの?どちらかというとラジオの分野じゃないの?」と疑問を投げかけてきました。そしてもし求められているのが朗読ならば、機械による発声ではぜったいに満足できないだろうと。

スマートノベルスも効果音が入っていたり複数の声優が登場したりと、どちらかというとラジオドラマのような仕上がりになっています。はたしてそれは本なのかどうか、という疑問はありますが、もし耳で聞く読書、耳で読む本というものが有り得るとしたら、SoundMarket という流通手段は期待できそうな予感です。

もっとも、主なコンテンツ提供企業に、出版社が含まれているかどうかまでは分かってないのですが…。