ExpandedBook Attendant
−99年04月のテキスト−


990430.金曜日

【青空文庫のミラーサイト】

群馬インターネットにある青空文庫のミラーサイト。こちらのほうがつながりやすい場合もあるので、適時つかいわけるようにするといいぞ。

【ブックフェアレポート】

LUNA CATさんの『東京国際ブックフェア99見聞録』が公開された。テキストオンリーの極私的レポート。会場風景が見たい人は、ブックフェアのホームページに掲載されているのを参照しよう


990427.火曜日

【ブックフェアの光と影(光)】

ブックフェアでのボイジャー&ポシブルブック倶楽部のブース(おっと、新潮社も)は、全体の来場者数から考えても、かなりの人気を集めたらしい。ポシブルブック倶楽部のメーリングリストでも、会場に出かけられた方からのレポートがぼちぼちと集まりはじめている。つくづく身動き取れなかった自分が口惜しい。

ボイジャーはパイオニアさんのご厚意で、50インチのプラズマディスプレイ(1台200万円!)を2台設置しての大迫力プレゼンを行っていたらしい。これが好評で、ブース前には四日間ずいぶんと人垣ができていたという。一般人から出版社、はては政党の人まで、萩野社長に電子出版について問い合わせてきた人は数知れず…。とにかく客足が途絶えることがなかったのだとか。

エキスポのエキスパンドブック横丁でもそうなんだけど、けっこう年配の方が「わたしはパソコンのことあまり詳しくないのですが」と、電子出版に興味を示される例がじつに多い。『新潮文庫の100冊CD−ROM』の中心購入者が、40〜50代の年配だったという話は有名だが、この分布は T-Time の登録ユーザーも同様だという。パソコンユーザーやネットワークの中心世代といわれる20〜30代とは世代がひとまわりもふたまわりも上の層に受け入れられつつあるということ。

T-Time に関しては、どうやら新バージョンの開発も順調なようで、あと1〜2カ月のうちに新バージョンが登場すると思われる(ボイジャーからの公式なコメントはありません)。

【ブックフェアの光と影(影)】

さて、メーリングリストでのレポートを読んでいて興味深かったのは、ブックフェアというイベントがどういうものなのかということが、人によって意見がまったく違っているということだった。ブックフェアを在庫本の割引販売の場にしている出版社への嘆きもあれば、いや、再版制度という枷に苦しめられている出版社のことを考えれば、ああいう場は大事という意見もある。そんな議論の中、「全品20%割引き! 在庫わずか!」のかけ声につられてついつい買い物してしまったという方もいたりして…。まさに光のあて方でどんな色にも見えるのだということだろう。そんなこんなで、メーリングリストはまた盛り上がっている。ブックフェアに行った人も、行けなかった人も、みんなで語り合いたい。分かち合うことが何よりも大切。

【日経新聞の記事】

25日(日曜日)の日経新聞、読書欄に“多様化する電子出版”と題してブックフェアを紹介する記事が掲載された。この記事のおかげで、ブックフェア最終日のボイジャー&ポシブルブック倶楽部(うぉっと、新潮社も)のブースにやってくる人がいつもの2割り増しになったというが、もっと5割り増しぐらいなったのかもしれない。

文化部の松岡氏の記事は、“出版物の売れゆき不振が続く中、「読む」行為の変質がゆるやかに進みつつある。”と結んでいる。おお、「読む」行為! このフレーズはひょっとして「読書の未来」を読んだのでしょうか、松岡さん?


990426.月曜日

【凸版印刷の縦組み表示ツールはどうなんだ?】

「TOPPAN Book Jacket 1.0」という名前のだそうである。“当社の膨大な組版ノウハウをふんだんに取り入れ,縦組み,ルビ,添字,禁則,調整など実現し,日本語文章をより自然なかたちでご提供いたします。”だそうで、T-Time のライバル登場か? と思いきや、ポシブルブック倶楽部の仲間からの報告は辛口のものばかりだ。ぼくは残念ながら Windows ユーザーではないため、この読書環境を試すことができない。Macintosh 用は眼中にないようだ。そこで、Windows ユーザーのみなさんのご報告をお待ちしております。

ツールキットを公開するかどうかも検討中ということで、しばらくは彼らが提供するブック以外には使い道のないツールということになる。「TOPPAN Book Jacket 1.0」に対応したコンテンツは、コンテンツ・パラダイスというページで販売されている。いわゆるトッパンの電子書店。テキストとBook Jacket形式とPDFファイルの三通りが用意されているところは好感が持てるかもしれない。我々は、もちろんテキストファイルを購入して、T-Timeで読めばいいのだから。


990423.金曜日

【ジーンクリップ】

“210誌を超える電子雑誌の最新更新状況が一目瞭然の特選コンテンツ集”だそうで、更新情報が毎日掲載されています。気まぐれに「多村栄輝」で検索したら見つかったのですが、実際行ってみても、掲載されていた形跡がみあたらないんだよね(^^;) 書評パンチも見つからなかったけど、これってどうやって収集してるのかなぁ。


990420.火曜日

【青空文庫が移転】

青空文庫がついにボイジャーのサーバーから独立するようです。ただいま移行試験中。


990419.月曜日

【ブックフェアで豪華冊子『読書の未来』をもらおう】

なにを思ったのかA4サイズで16ページの冊子を作ってしまった。これを600部、会場のポシクラブースにやってきたみなさんに差し上げようという太っ腹企画。この冊子のデザインは、魂のデザイナー森しんじさんが担当。毎晩徹夜で挑んでくれたぞ。表紙のイラストはぼくがラクガキしたものをしんじさんがイラストレーターでリライトしたものだ。彼の描いたキャラクターは、瞳がつぶらだったりまゆげがあったり、微妙に雰囲気が違っている。お互いの個性が出ていて楽しい。ぜひとも現物を手に入れてほしい。数冊は残しておいてもらうつもりだから、ブックフェア終了後にプレゼント企画があるかも。

ちなみにぼくが NewtPaint で描いたラフはこんな感じ。

【ブックフェアでTTVのデモを見よう】

来週はいよいよ東京国際ブックフェア。ザウルスでテキストやHTML、エキスパンドブックを表示するエクセレントなソフトウェアTTVのデモが、光文社のブースで行われるらしいぞ。ひょっとしたらステージなども用意されたりして。一方、ポシブルブック倶楽部でも、田辺さんの持ち込みでアイゲッティによるデモを準備している。こちらは残念ながらステージがないので、田辺さんに直接話しかけてみよう。光文社とは一味違った丁寧な説明が受けられるはず。ブックフェアは光文社ブースもポシクラブースも目が話せない!

【QuietPress に注目せよ】

Newtonist A Go Go でおなじみの Riki さんの QuietPress がこのところ元気がいい。新作ラッシュが続いているぞ。

【青空文庫のTTZ】

青空文庫のTTZファイルがどんどん増えてきている。じつは気になっていたんだけど、T-Time Attendant のページにまったく掲載していないのは単にサボっていたからです。近々まとめて紹介させていただきます。

【スレイヴ v1.37】

基本的にはバグフィックスだそうです。テキスト版、HTML版、エキスパンドブック版が最新バージョンになりました。まだ読んでない方は、今すぐアクセス! TTZ版やNewtonBook 版も有志の手により準備中らしいぞ。


990414.水曜日

【アイスティーを飲もう】

ボイジャーからホームページとT-Timeで読む新しい雑誌『アイスティー』が創刊された。目次のページから読みたい項目をクリックするして、それぞれのTTZファイルをダウンロードされて読む形式となっている。各コラムは個別のTTZファイルになっている。

雑誌を読んでいて「この連載だけ切り売りしてくれないかしら」と思うことがないだろうか。雑誌とは本来、総体として企画編集されているものだろうから、「この部分だけ」という考え方は企画意図からは少々外れた欲求なのかもしれない。しかし、そう思うことがないと言えばウソになる。それだけ読み手の嗜好はタイトなものになっているし、総体としてウウンとうならされるような雑誌を企画する編集者も減っているのだろうし、読み手のインテリジェンスも変化したのだろう。すべてのコラムを分冊にした『アイスティー』の試みは意欲的で正直な手法なのだ。

また、『アイスティー』に集められたコラムは、ほとんどがすでにネットで公開されているテキストである。それらを広大なネットの中からすくいとって、縦書きTTZにして提供しているのだ。既存のテキストを現在考え得る最高のオンスクリーン読書環境として提供する、それが『アイスティー』なのだと言い換えることもできるだろう。気に入った読者は、直接元のウェブデータを参照することもできる。T-Timeの使えない各種マシンや、印刷したい場合などにもたやすく対応が可能なのである。


990413.火曜日

【吠える富田さんを見て『スレイヴ』はやはり必読かと】

青空文庫の「そらもよう」、畑仲哲雄さんの『スレイヴ』を読んだ富田さんが興奮しているぞ!

【『メディア浸食の日々』ふたたび】

さて、ひさしぶりに、畑仲哲雄さんの『メディア浸食の日々』を紙の本として出版したパレードのページに行ってみたら、出版事業のページ P.press がなくなっていて、おどろいたことに『メディア浸食の日々』は「55万円でできる自費出版」のサンプル扱いになっていました。いまならサンプル希望と書いてメールするだけで、『メディア浸食の日々』が手に入ります(かなりの変換ミスがほったらかしになっていたりするのはナイショ)。

で、それだけだと「あの本はなんだったんだ」ということになるんですが、畑仲さんのページによると、大幅な加筆修正と書き下ろしを加えて、『メディア浸食の日々』は新たに出版されるそうです。請うご期待。


990412.月曜日

【ボイジャーがCD-ROM『新しい読書』を3000名にプレゼント】

我らがボイジャーがまたやってくれました! イベントなどで配布されていた『新しい読書』の最新版を、先着3000名に無料でプレゼントです。ページの掲載日が4月1日だけど、エイプリルフールではありません(^_^)


990403.土曜日

今月末に発売の「あちゃら」に、ポシブルブック倶楽部が掲載されることになりました。青空文庫やひつじ書房の投げ銭のページとからめて紹介されるそうです。


990401.木曜日

【(法螺)T-Time、電子書籍になる】

電子書籍コンソーシアムが大変なことになっているらしい。当初予定していた画像データによるコンテンツでは新時代に対応できないと判断、トップの首もすげかわり、これからはオープン路線を歩むという。そこで、一躍脚光を浴びたのが、我らが T-Time。プレーンなテキスト、HTML を問わず標示可能で、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる仕組みが認められたというわけ。液晶技術は世界一のシャープを使うことでなんとかなりそうだけど、そこに乗せるアプリケーションの不在に右往左往していたコンソーシアムも、とうとう T-Time の存在が無視できなくなった。最新の計画案によると、先行して開発の進められていた二つ折りの文庫本型読書装置に T-Time が搭載されることになる。

【T-Time またも受賞!】

こっちは本当の話。

T-Timeが【MPU(マルチメディア・プロデューサーズ・ユニオン)】の「MPU GP'98(MPU大賞)」の「BEST CONTENTS OF THE YEAR」を受賞。「BEST CONTENTS OF THE YEAR」は“優れた素材を有効に活用あるいは創造して社会的に有意義で、かつ大衆的に認知度の高い作品・タイトル”に与えられる賞だそうです。T-Time における、ここでいう「優れた素材」とは、みなさんのホームページなどのコンテンツであり、普遍的なテキストであることは間違いないでしょう。それらを「有効に活用あるいは創造」して「社会的に有意義」で、なおかつ「大衆的に認知度の高い」とMPUの委員会は認めたわけです。うれしいですね。見ている人はちゃんと見ているということですもの。


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