ExpandedBook Attendant
−99年01月のテキスト−


990128.木曜日

【ハイブリッド宣言!】

ポシブルブック倶楽部にハイブリッド宣言のページを追加したぞ。

【パソコン批評】

富田倫生さんと、畑仲哲雄さん原稿が掲載されている。ポット出版から発売中の『スレイヴ』の第二刷が決定したそうだ。

【タッチPC】

「誰でもできる!電子出版」という短期集中連載が掲載されている。わしのインタビューもあるので、ぜひとも読んでちょ。


990127.水曜日

【パソコンで読む時代はここまで来た】

1月26日の日経新聞夕刊の2、3面を開いてください。出版広告特集として、2月の出版TOPICSという名のスペースがありますね。ここに三枚の挿絵がありまして、ひとつは子供が本棚の前で本を開いているところ。もうひとつは男がくつろいだ様子でイスに座って雑誌を読んでいるところ。そしてもうひとつの絵をごらんください。メガネの男が口もとに手をあててノートパソコンをのぞき込んでいます。明らかに画面に見入っています。手が口もとにあるということは、何か考え事をしながら読んでいるようです。少なくともキーボードを叩いて仕事をしている風には見えません。ノートパソコンのとなりには、ティーカップかコーヒーカップのようなものがあります。思い出してください。このスペースは出版広告特集なのです。

【予測・T-Time オーサリングツールはエキスポで発表か】

風の便りによると、 T-Time のオーサリングツールがいよいよ完成間近だという。懸命な読者諸兄は、「オーサリングツールは去年の11月に発売するって言ってたじゃない」と思われるかもしれない。実際、ツールの要となる T-Time/ToolsEnabler については、昨年の秋に実用段階にあった。T-Time 出版センターのお試しキャンペーンが昨年中に開かれていたことからもそれがわかる。

エキスポでは『マッキントッシュ・ハイ』でおなじみの山川健一氏の書き下ろし新作が T-Time 版(いわゆる TTZ)で登場する。この作品の制作過程でも、T-Time に多くの機能が追加されたという。

どうやら、ボイジャーは正式発表の日をマックワールドエキスポに焦点をあて、一年前の T-Time 発表と同じように、ふたたび当日ギリギリまでツールのブラッシュアップに費やすことにしたらしい。オーサリングツールにあわせて、T-Time 自身もマイナーバージョンアップがあるとかないとか。

某出版社は T-Time の本をエキスポ当日発行のスケジュールで予定していたが、最新版に対応するために、原稿をすべて差し替えるとか差し替えないとか。

これらはすべて予測に過ぎません。よいこのみんなは、あわてて他所で噂にしたり、ボイジャーに問い合わせたりしないようにしようね。


990124.日曜日

初校ゲラの校正もなんとか片付きそうです。ホームページの更新を止めてまで取り組んでますから、そりゃもうそれなりに濃い本になりますよ。

さて、問題はエキスポ向けに企画していた新作。Newton本もう一冊予定していたけど、まったく手つかずなのです。幸か不孝か、横丁の受け付けが2月11日と、ギリギリまでOKなので、なんとかあがいてみます。某Uさん『某(偽題)』も難航しているらしいぞ。がんばれ!

【T-Timeはエキスパンドブックの新バージョンじゃないぞ】

いまごろになって気がついたのだが、世の中にはT-Timeのことをエキスパンドブックの新バージョンだと思い込んでいる人が大勢いるらしい。そういう人は、T-Time登場でエキスパンドブックは旧バージョンとして消えていくと思っていたりする。ひどい場合には、ボイジャーが無償公開している BookBrowser も近いうちにダウンロードできなくなって、T-Timeを買わないといけなくなるなんてほとんど電波入ってるような妄想を展開している人もいる。どうやったら現実をそこまで曲解できるのか、いらぬ心配をしてしまいそうだ。

俺なんてどっちかっていうと、ニルヴァーナ・エンジンのヘルプがまんまエキスパンドブックな仕組みになっていたことのほうがぶったまげたけどなぁ。特定のファイルの中味を見に行って、ファイルリストをその場で作ってみせたりするんだけど、そういう機能がエキスパンドブック・ライクなインターフェースとシームレスにつながってるんだもの。この技術が応用されたら、エキスパンドブックはファインダーいらずになるんでない?なんて思ったものだ。いま思えば、そんなもんはすでにブックリストの機能でプロトタイプができあがっていたわけで、ニルヴァーナ・エンジンは階層ファイル構造を取り入れたところがすごかったってくらいなんだよね。

さて、ニルヴァーナ・エンジンはすでに完成してしまったプロダクトのようだが、オンスクリーン・アーティスト祝田久さんのもうひとつの名作クラスター・ワークスはまだまだ前進を続けている。新しいモジュールデータが公開されたり、今年のエキスポでも何かありそうね。


990115.金曜日

遅れていた『T-Time の本(仮)』の原稿がようやく完成。他の二人は早々に書き上がっていたのに自分だけが遅れていました。もしエキスポに間に合わなかったらぼくの責任です。ともかく、原稿に集中するためにとめていた他の業務を再開します。

【T-Time が '98年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞を受賞!】

日本経済新聞社が毎年一回、特に優れた新製品・サービスに対して表彰する日経優秀製品・サービス賞の優秀賞を受賞しました。

この追い風を受けて、大阪梅田の旭屋書店本店では、パソコン書籍のフロアには『インターネット快適読書術』が大量に平積み状態。念願の1階フロアにも平積みされています。やったね! 報道資料のTTZ版もあるぞ。

【あなたが値段を決める基準】

昨年書いたままになっていたTTZファイルです。もし『インターネット快適読書術』が箱に入ってパソコンショップで売っていたら?という話。

【『ルネッサンスパブリッシャー宣言』未定稿】

ひつじ書房が2月に発行予定で準備を進めている作品。未定稿をTTZファイルで公開しています。初校以前の未定稿ということで、このTTZをもとに読者からの意見を取り入れて、最終稿とするそうです。全17章のうち、10章を公開している。

【猫乃電子出版のTTZファイル】

ペーパーブックの本棚の97年度分のバックナンバーがTTZファイルになった。98年度分はエキスパンドブックである。猫乃電子出版では、ゆくゆくホームページ全体をTTZ化していく予定だという。

 97年5〜12月のお勧め書籍(ttzファイル)
 98年1〜12月のお勧め書籍(エキスパンドブック)

【ひねもすなひねもすTTZ版】

ネット作家しびる氏の作品が、TTZ版で公開されている。

 『あたしも最初から』
 『ふと目覚めると』

彼のページは妙なところで JAVA スクリプトが動いている(危険なものではない(^^;))ので、ブラウザの設定で JAVA スクリプトを切っている人は注意が必要。

【エキスパンドブック横丁 マックワールドエキスポ東京99】

いよいよボイジャーのホームページに告知が掲載された。

●参加応募受け付け 締切: 1999年2月11日(木)
●作品搬入期間 1999年2月1日(月)〜2月15日(月)
●「エキスパンドブック横丁」開催期間中、WEB上でも販売いたします。

待望の T-Time 作品も出展対象になった。本格的に活動開始したTTZ出版センターが強い見方だ。多数の作品が集まることを期待します。

今回から、横丁に関する連絡窓口はサイバー・ブック・センターに一本化されたようだ。参加応募受付は2月11日まで。18日からエキスポが始まることを考えると、ほとんどギリギリの駆け込み応募も受け付けるということになる。

しかし横丁作家の諸君は、参加応募だけでも今月中に済ませておくことをお勧めする。サイバー・ブック・センターは、本人たちの努力は認めるにせよ、正直言って対応が遅い。駆け込み応募した作品は、下手すると期間中にはまったく告知されないといった事態も起こり得る。ウェブで購入しようにも、販売リストに含まれない可能性は大いにある。エキスポ会場内で配っている出品リストにも含まれず、結局直接ブースの棚で見つけることができた人だけがそのブックの存在を知る…などという事態はできることなら避けたい。サイバー・ブック・センターのマンパワーにも限界はある。なるべく彼らの負担にならないよう、できるだけのことはやろう。

いやーそれにしても、サイバー・ブック・センターのホームページに行くと、いきなり“『エキスパンドブック横丁on WEB』閉店のお知らせ”なんて文字が踊っています(1月14日現在)。どうしたらいいものやら。

【マックユーザーはノーネクタイ派か】

かつてディスコと呼ばれる夜の遊技場があった。その中に「うちはネクタイを着用していない人は入店できません」などとのたまう店があり、普段着で出かけた客を追い返したりしていたという。

残念ながらあまりディスコに出入りしたことがないので、ネクタイ一つで締め出されるような経験もなく日々をすごしてきたが、先日ネット上でWindowsという名のネクタイを持たないばかりに、商品購入を断られるという経験をした。

ネットでコンテンツ販売をしている光文社電子書店BookWorldにアクセスしたところ、どうもWindows環境でないと購入できないことに気づいた。そこで、それぞれの窓口に「Macintoshユーザーは対象外なのか」という問い合わせメールを送ったところ、どちらも翌日には返答メールが届いた。思ったより対応が迅速であったことは好感が持てたが、返答内容はがっかりさせるものだった。

結論からいうと、どちらも「現在は」Windows専用であるという。

光文社電子書店は、インターネット店とパソコン通信店の二種類があり、パソコン通信店の場合は、Macintosh、MS-DOSにも対応しているのでそちらを利用してほしいというアナウンスが添えられていた。

BookWorldは、「決済システムがMacintoshには対応していない」ということだった。

彼らが販売しているのはテキストファイルである。テキストにWindowsもMacintoshもないだろうと思うのだが、なぜか対応していないというのだからおかしな話だ。

決済システムがWindowsにしか対応してないということは、Windowsはネクタイというよりもむしろキャッシュカードのようなものかもしれない。最近はカード破産なんて愚かなことをしでかす連中が増えたおかげで、キャッシュカード発行に際しての審査はこれまで以上に厳しいものになっているという。定職があり、一定の資産があり、下手な借金をしていないなどの極めて厳しい審査項目をクリアする必要がある。

いずれにせよ、Macintoshユーザーにも潜在的顧客がいるだろうに、両店舗はみすみす機会を逃しているのである。一日も早くすべてのネットワーカーに開かれたシステムを確立してほしい。当然「誰でも購入できるようになりましたよ」とメールの一つも送っていただきたいものだが、期待するだけ野暮というものなのだろうか。


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