ExpandedBook Attendant
−98年09月のテキスト−


9月も今日でおしまい。今月は「エキスパンドブックと T-Time の Tips や情報を毎日掲載するぞ」と誓いを立てて、とにもかくにも突っ走ってきた。振り返ってみると、用意していたネタのうちいくつかは未掲載のままだ。山田あまねさんのホームページにあるような疑問点にもひとつずつ答えていきたいと思っています。そんな中、最終日にビッグニュースを紹介できたことがとてもうれしい。10月5日の受付開始を目指して、みんなもコンテンツの整理を始めておいてください。また10月には、待望の富田本こと『インターネット快適読書術』が発売されます。ポシブルブック倶楽部のチラシにぼくは、T-Time の登場で電子本の時代は第二章に突入したと書きました。その T-Time も、いまこうして新たなステージに足を踏み入れました。これからもよろしくお願いします。


980930.水曜日

【TTZ ファイルによる電子出版】(T-Time)

T-Time Lite は単なる T-Time のデモバージョンではない。TTZ 形式という特殊なファイルを表示するところに大きな意味が隠されていた。その意味とは、TTZファイルによる電子出版である。隠されたTTZ ファイル構想が、ボイジャーのホームページでついにあきらかにされた。特徴をざっとまとめると以下のようになる。

●TTZ ファイルは高い圧縮率を誇る専用ファイル形式で、テキストや画像データをすべてひとつのファイルにまとめることができる。

●T-Time 出版センターが Web 上で開設され、1件につき525円(税込み)でTTZ ファイルは作成される(ワンショット方式)。

●出来あがったTTZファイルは無償配布が可能であり、メディアに T-Time Lite の同梱も自由。

●専用ツールは11月以降に販売予定。予価30,000円

そしてなんと、10月5日から11月30日までの二ヶ月間、特別キャンペーンとして無償にてワンショットTTZ化を請け負ってくれるという(ワォ!)。詳しくは、10月1日にボイジャーのホームページにて告知予定。(一週間ぐらいずれ込む可能性があるだろう)

TTZ ファイルを作成するための素材データは、簡単に言うと手持ちの HTML データがそのまま使える。ただしタグによっては無効となるので、できれば T-Time で表示してどのようになるかをチェックしておいたほうがいい。また、T-Time のヘルプファイルには拡張タグなどの説明もあるので参照するといいだろう。べつに HTML ファイルでなくても、生のテキストファイルもTTZ 化は可能だ。画像をインライン表示するようなことがないのなら、生テキストを用意するだけでいい。

テキストといっても何も自分で書いたものでなくてはならないということはない。著作権に違反しないものなら何だっていい。青空文庫からお気に入りの文学作品のテキストを用意したり、うわさの『スレイヴ』の俺専用TTZ ファイルを作成してもらうのもいいだろう。ExpandedBook Attendant も、バックナンバーから順次TTZ 化していくぞ。


980929.火曜日

【『T-Time』の解説本、ひつじ書房から10月15日 発売】

ボイジャーのホームページでも、いよいよ『インターネット快適読書術』の案内ページが掲載されました。むちゃくちゃカッコイイ表紙のピクトデータもダウンロードできるぞ。予定日よりちょっぴり遅れちゃったけど、そのかわり内容の充実度は保証付き。

なお、富田さんの既刊で今も手に入るタイトルは以下のとおり。

『青空のリスタート』(青空文庫でゲット!)
『パソコン創世記』 (エキスパンドブック横丁で買うべし!)
『本の未来』    (アスキー・刊、書店で探そう! DiVO でも買えるハズ)
『短く語る本の未来』(青空文庫でゲット!)


980928.月曜日

【イヨキ型に最適な用紙はボイジャーにある!】(EB)

そのカタチだけで買いたくなると言われるイヨキ型パッケージ。横丁作品にも、このパッケージを使ったモノが多くなってきた。

ボイジャーは、イヨキ型のための用紙を大量に仕入れているという。パッケージで悩んでいるあなた、電子メールで問い合わせてみてはいかがだろう。

実際、即売会などでは中味の作り込み以上にパッケージの見栄えがモノを言う。入れ物に必要以上に金をかけることはないにせよ、効果的なパッケージングは売り上げを倍増させることは間違いない。そんなときイヨキ型は強力な味方になってくれるはずだ。→イヨキ型パッケージの作り方(パッケージをデザインしよう)

【シェアウェア文学の印税は?】

話題沸騰の『スレイヴ』だが、畑仲さんのホームページ PressRoom によると、9月25日現在の印税送金累計額は5890円だという。いまだ8人しか送金していない。氏は、自分が手に入れた印税をすべて公開しているのだ。しかし世間のシェアウェアに対する意識ってやっぱりまだまだ。モノを手に入れてしまったら、あとで支払うハズの代価のことなんて、コロリと忘れてしまうモノなんだね。

ぼくもエキスパンドブック作品を「モノ先、カネ後」で販売したことがあるのだけど、いまだにカネを払ってくれないお客さんっているんですよ。同様の問題は、猫乃電子出版の田辺さんも被ったことがあるそうです。

『スレイヴ』の推奨ドネーション額はわずか200円。手数料の安い郵便振替が使える。

→明朗にこにこ会計のコーナー

→ポット出版の沢辺社長が、『スレイヴ』を発刊するにあたり、畑仲さんに送ったメール


980927.日曜日

【ノートブックの夢】(EB)

エキスパンドブックのノートブックは使っていますか? エキスパンドブックにあって T-Time にないもののひとつ、それがノートブック。ちょっとした思い付きを書き留めておくメモから、検索結果やクリップなどの機能的なメモまで、なんでも記録しておくことができる。うまく使いこなせば、これほど便利なユーティリティはありません。

ブック作りのときは、作業の履歴をここに残しておきましょう。ブックに大きな変更を加えたりする前にバックアップをとることがあります。そんなときは、ノートブックに「どんな状態のバックアップか」をメモしておくと、あとになって迷うことがありません。ノートブックは階層構造を持っているので、メモをひとまとめにしたり分類整理することもできます。とにかくブック制作時にこまめにメモを書き込むようにすると、ブックづくりが明確になります。ぜひお試しあれ。

さて、とても便利なノートブックですが、残念なことにテキストの書き出しができません。おかげで、大切なメモを使い回すということができないくなっています。メモはあくまでメモ、わざわざ使い回すほどのことを書き込むものではなく、むしろ読むときやブックを作るときの補助ツールとしての位置付けがエキスパンドブックのノートブックなのでしょう。これは HyperCard 版のエキスパンドブックが搭載していたノートブックとは、違った位置付けのものだと言えます。現在のノートブックが「あらゆる情報をメモする」メモ帳的な性格を持っているのに対して、 HyperCard 版のノートブックは、読書ノートを付けることを目的としてるような、「書くため」のノートという雰囲気がありました。

「それぞれのノートブックは、じつは位置づけが違っていた」、最近になってようやくこのことに気付いた次第。ネットワーク時代のノートブックとして、次は文中や注釈リンクの URL もクリップできるようになることを希望します(注釈リンクのあるページをクリップしておくことで、ダイナミックなブックマーク集を作ることは今でもできますね。複数のブックで共有できるのがノートブックの強みなのですから)。

最後に、ニフティに書き込んだ去年の発言から。

中世の写本時代は、写本の段階で写字者による注釈や意見がどんどん加えられることで、本がダイナミックに変化していったそうです。当時は本自体が羊皮紙にペンで書かれたものだったし、読むということと書くということが非常にシームレスだったのですね。

この点で、エキスパンドブックがノートブックを搭載していることをぼくは評価するわけです。HyperCard 版はさらにページにラインマーカーをいれたり、ページの余白にも書き込むことができましたし、書き込みだけをテキストファイル書き出したり、読み込ませたりすることが可能でした。ただ本の機能を拡張したものではなく、本が本来持っていたダイナミズムをうまく表現していたと思います。

HTML の場合は、書くことと読むことの拡張よりは、むしろリンク機能をベースにして、情報を編集するということを拡張していると思います。これはこれでうまくはまるととても刺激的ですね。

〔97/08/10 (FNEWTON/mes/6/941)より〕


26日は休みます。友人達と、キャンプで一泊するんです。


980925.金曜日

【640×480より大きなサイズのブックは作れない?】(EB)

「エキスパンドブックは640×480ドットよりも大きなブックは作れない」と思い込んでいる方が多いですが、これは間違い。実際は、縦横のドット数をかけて、およそ 409600 以内に収まるサイズなら作成できる。

もちろんマニュアルには書いてません。美しい暦独自の実験によってはじき出された数値です。実際にやれば、こういうことも分かってしまうのだよ(^_^)

この法則にしたがえば、800×600サイズ、いわゆるVGAサイズのブックを作るにはぎりぎり足りない。横800ドットを設定すると、縦は512ドットが精いっぱいとなります。

でもこれだけあれば、なんとかなりそうです。まず天地のサイズいっぱいにテキストフィールドを設定します。ブックの地の色と、デスクトップをマスクしたときのカラーを同じにして、「ブックのウィンドウの拡大」を選んでおけば、ほら、VGAサイズのブックの出来上がりです。→サンプルブック


980924.木曜日

【お気に入りのブックにCD再生機能を追加】(EB)

オブジェクトを追加して、スクリプト編集を開いて

CD Play

と書くだけ。

オブジェクトをクリックするだけでCD−ROMドライブに入っているCDが再生される。

QuickTime にオートプレイ機能が加わってからはあまり新鮮さがなくなってしまった機能だが、ブックをひらいたままでファインダに戻ることなくCDをかけられるといのはやはり便利だ。

ツールキットを持っていれば、簡単にブックをカスタマイズすることができる。ただしパスワードでロックされているとブックにオブジェクトを追加することができない。だからぼくはパスワード反対論者なんですよ。


980923.水曜日

【出版業界の常識を打ち破った小説『スレイヴ』に注目!】

Newton で読む雑誌 NeWorld のために書き下ろした原稿です。10月に発行される第9号に掲載予定ですが、ひとあしお先に公開します。


980922.火曜日

【いよいよ開催、エキスパンドブック横丁 on Web

あなたがこのページを読んでいる頃には、もう始まっているかもしれない。まずはアクセス、そしてゲットしてほしい。美しい暦のブックは今回、どれも部数が少ないので「一カ月もあるから」とのんびりしていると売り切れてしまうかもしれない。とくに『ExpandedBook で NewtonBook をつくる方法』は、エキスパンドブックでブックを作る手順についても詳しく書かれているので個人的にオススメ。ツールキットは手に入れたけれど、なんとなくブックの作り方が分からなくて…という方にぜひ読んでもらいたい。

【T-Time で「外字+ルビ」もばっちり】

夏目漱石『薤露行(かいろこう)』
(http://www.izu.co.jp/~at-sushi/text/soseki/)

青空文庫に夏目漱石『薤露行』が登録された。普段はエキスパンドブック版を手に入れるぼくも、今回は HTML 版を選ぶ。というのは、『薤露行』の HTML 版は、外字を GIF 画像として埋め込んであり、 T-Time で読んだ場合は、なんと GIF 画像の上にルビを表示させることができるのだ。実際、T-Time で表示させると、どれが埋め込み文字で、どれがテキストなのかはまったく見分けが付かなかった。ぜひ自分の目で確かめていただきたい。


980921.月曜日

今日は Tips は休み。

【リンクをチェックしよう】

かつて「ウェブページの醍醐味はリンクである」と言われていたが、それも過去のことなのかもしれない。

ボイジャーのリンクページをチェックしたら、リンクがはずれたり移転しているものがたくさんあった。もちろん、一方的にボイジャー側に問題があるわけではなく、リンク先も URL を変更するときにはリンクしてもらっている相手にメールの一つも送る必要があるだろう。ボイジャーは無断でリンクをはっているわけではなく、ちゃんとリンクの旨、メールで知らせてくれているのだから。リンクがはずれてしまうということは、自分のホームページへの通路がひとつふさがれてしまうということに等しい。(ぼくが毎日巡回している Newton 関連サイトも、リンクページは情報が古くてあてにならないものが多い。)

リンクが切れているモノ:
・ピーノ電子本センター
・Shop T3
・電子書店「銀聲舎」
・Z会のエキスパンドブック
・新潮社「Web 新潮」
・エキスパンドブック「宇宙論講義」「英作文教室」のオンラインデモ
・「子連れ海外旅日記」他
・SWEETEST SMILE FOUNDATION

リンク先が移動しているもの:
・CyberBookCenter
 →(http://www.cyberbook.or.jp)
・エイカ・ホームページ
 →(http://www.tt.rim.or.jp/~jaraku/eika/)
・インターネットメールの注意点
 →(http://www02.so-net.ne.jp/~hat/imail/cover.html)
・ひつじ書房
 →(http://www.hituzi.co.jp/hituzi/index.html)

ボイジャーにはメールで知らせておいたので、そのうち更新されるだろう。あなたのリンクページは大丈夫?

【ネットワークフォックスハンティングの小説】

Thyme's Square
(http://www.t3.rim.or.jp/~sohira/)

このページはボイジャーのリンク集にも登録されてません。猫乃電子出版にも掲載されてませんでした(やった、新発見だ!)

大平駿平さんの小説が12本ほどエキスパンドブックで登録されています。ニフの情報デザインフォーラムで活動している方のようです。情報デザインフォーラムといえば、「ネットワークフォックスハンティング」が有名。このゲームをテーマにした小説も登録されています。

ブック自体は非常にシンプルなデザインで、どうやらテンプレートのまま使っているようです。それぞれの作品の表紙がCGアートになっています。表紙絵を抜いた「小説だけ全部いり」のブックもあります。ブックは LHA で圧縮されているので、ネットEBにはなっていません。

まだまだエキスパンドブックのユーザーはいるものだなぁ(^_^)


980920.日曜日

【どうなってるんだ? Web 横丁】

9月23日から、約一カ月にわたって「エキスパンドブック横丁 on Web」が開催される。される、というメールをもらいました。ニフティのボイジャー・インフォメーション会議室にも告知があります。もちろん美しい暦も参加します。本日、ブックを納品しました。ところがですねぇ、肝心のホームページがいつになってもその気配を見せてくれないのですわ。

今回の横丁はボイジャーとサイバー・ブック・センターとの共同企画で、Web の運営もサイバー・ブック・センターが行なうことになっている。しかし、肝心のホームページがいつになってもその気配を見せてくれないのですわ。ボイジャーのリンクページのサイバー・ブック・センターのアドレスなど、いまだに旧アドレスのままなのだ。何かが決定的に準備不足なんじゃないか?

旧:(http://www.iijnet.or.jp/CyberBook/)
新:(http://www.cyberbook.or.jp/)

いろいろと不安をかきたてられる今回の横丁だが、ポシブルブック倶楽部はできるかぎりの協力をしていく所存。まずは一人一冊購入運動から。安いタイトルなら100円のものから出てくるはずだから、気軽に購入してみてほしい。

ブックの納品にあわせて、ポシブルブック倶楽部のチラシと「MacDays in Summer」に出展したときに作成した『ビットの時代に本をよむ』という冊子を事務局に送った。横丁でブックを購入したひと全員に、ブックといっしょに届けてもらえるよう、依頼しているところだ。こちらも楽しみにしていてほしい。


980919.土曜日

【目次パレットを活用しよう・その2】(EB)

目次パレットを出し入れするスクリプト:

showhide contents


昨夜からアップロードミスでリンクがはずれていたようです。でももう安心。


980918.金曜日

【マックライフ溺愛列伝に萩野さん登場】

本日発売のマックライフ、『溺愛列伝』というコーナーでボイジャーの萩野さんが取り上げられています。萩野さん自身のこと、ボイジャーのこと、エキスパンドブックや T-Time のことが4ページ(!)にわたって非常にわかりやすくまとめられています。

数カ月ぶりにマック雑誌を買いました(^_^)

【青空文庫、200冊達成】

新聞でも幾度となく取り上げられ、そのたびにおそるべきアクセス数を集めている青空文庫が蔵書数200冊に達成しました。

記念すべき200冊目は『日本国憲法』。日本最大の著作権フリー文書です。日本国憲法の図書カードへ)

最近の青空文庫のエキスパンドブックは、表紙デザインがかっこいいですね(^_^)

【週間アスキーで『スレイヴ』紹介】

週間アスキーに『スレイヴ』の紹介記事が載っていました。それもまるまる1ページ。

ライター氏は、今回の原稿料の一部をドネーションとして振り込むそうです。畑仲さんに作家活動を続けてもらい、次回作を読みたいからという理由がうれしくなりますね(^_^)

■畑仲徹雄さんのホームページ「Press Room」
■「スレイヴ」ができるまで
■青空文庫


980917.木曜日

今日は青空文庫が蔵書200冊に達成したことをお知らせするつもりでしたが、せっかく書いた原稿を会社に忘れてきてしまいました。そんなわけで明日は二日分掲載します。200冊目のタイトルが知りたい人は、いますぐ青空文庫へGO!


980916.水曜日

【目次パレットを活用しよう】(EB)

cmd + \(マックの場合)

目次パレットは他のパレットと違って、同じキーボードショートカットで出し入れができる。

目次パレットはそれだけ頻繁に出し入れされるものだという設計思想がそこにあるような気がしてぼくはニヤリとする。

目次パレットはおもしろい。パレットから呼び出したいパートをページ上にドラッグ&ドロップする。短冊状の部品がページに投げ込まれて、目的のページが現れる仕組みだ。このページに何かを投げ込んでいくメタファーは、エキスパンドブック全体を貫いている。慣れてくると本当に気持ちいい。

ブックブラウザのテキストビューワー機能を使うと、エキスパンドブックは html の <H> タグを解釈する。<H> タグの指定された文字列は、ちゃんと目次パレットにも反映されて、通常のブックと同じように扱うことが可能だ。

いかに T-Time が柔軟な読書環境を提供しようと、エキスパンドブックが持っている目次パレットとノートブックだけは大きなアドバンテージだと思っている。

目次「ページ」へのジャンプボタンなどが全ページに貼り付けられているブックなどをたまに見かけるが、そういうブックにかぎって目次パレットがボロボロだったりする。

目次パレットがきっちり作り込まれているかどうかは、ブックの完成度を判断する上でのひとつの規準といえるだろう。


980915.火曜日

【かつて二枚組CD−ROMのエキスパンドブックがあった】(EB)

『誰にも言えない』がそうである。加来千賀子と佐野史郎が主演のドラマで、『高校教師』のエキスパンドブックのスマッシュヒットの影響で、その後ドラマのシナリオを軸にした「マルチメディアタイトル」がいくつか発売された。『高校教師』のほうは、持っている人も多いのではないだろうか。よくも悪くも初期エキスパンドブックタイトルの代表作だろう。

『誰にも言えない』は、クィックタイムムービーがかなり入っているために、二枚組になった。アイテムの選択にはやや疑問だが、ここまで大容量の(映像データを盛り込んだ)エキスパンドブックタイトルは他にはないだろう。

ハイパーカード版エキスパンドブックのカスタム仕様が採用されていて、内容ともにかなりマニアックなアイテムなので、持っている人は大切にしよう。その後『人間失格』もエキスパンドブックになったけど、誰か持ってる人いますか?


980914.月曜日

【震える文字列の名前は?】(T-Time)

あたらしい T-Time 1.1.2 は、リンク指定の埋め込まれた文字列をクリックすると、その文字列がぷるぷると震える。この生命の躍動は何かに似ている……。そう思っていたら、ボイジャー社内では「ションブル」と呼ばれていることが判明した。ああ、アレに似ていたのか(笑)

「もっと上品な呼び方はないのか」と御嘆きの貴兄、「俺はアレをこう呼ぶ」というご意見をお待ちしてます。(雑記帳へ)

【エキスパンドブックはシステムまで終了できる】(EB)

エキスパンドブックで下矢印(↓)キーを二回押したときに表示されるブックパレットにはシステム終了のコマンドまで用意されている。お気に入りのブックを起動項目に入れておけば、パソコンに電源を入れたときからエキスパンドブックに始まりエキスパンドブックに終わるような、ファインダを見ることなく過ごすことも可能なのである。

しかし、起動時には何らかの本が開かれている必要がある。独自のブックリストも、ブックが開かれていない状態ではみることができない。ブックパネルを呼び出すことができないからだ。

一方、昔のハイパーカード版では、ブックライブラリというスタックがブックリストの役目を担っていた。ブックライブラリは、自動的にエキスパンドブックを見つけ出してリストアップすることさえできた。しかし、ハイパーカード版はシステムまで終了させることはできない。一長一短な話ではある。


980913.日曜日

【パレットを一気に隠すショートカットは?】(EB)

T-Time のアップデートはもうお済みですか(^^? さて、今日はエキスパンドブックの話です。

各種パレットのキーボードショートカットは呼び出し専用で、隠すことができない。そこで、表示しているパレットを一気に隠すキーボードショートカットを紹介しよう。これはマニュアルにも載っていない隠しコマンドだ。

cmd + esc(マックの場合)

制作途中で、画面の状態を一時的に確認したいときなどに有効だ。「ああ、もっと早く知っていたら!」と身悶えしている人もいるかもしれない。

ノートブックパレットもこのキーで隠すことができるが、そのまま終了させてしまうと内容が保存されないようだ。おそらくパレットをクローズするときにファイルに書き込まれるようになっているのだろう。せっかくのメモが保存されなかったときの落胆は大きい。ノートパッドにかぎっては、マウスでクローズボタンをクリックするクセを付けておいたほうがいいだろう。


980912.土曜日

【1.1.2 の衝撃】(T-Time)

待望の T-Time 1.1.2 アップデータが公開された。あわせて T-Spoon 1.1.2 が初公開。 T-Time Lite も 1.1.2 にバージョンが上がった。これらのバージョンアップにともなって、Mac OS 用のヘルプファイルフェイスファイルもバージョンアップされている。

先進的アップデータ: マック版のアップデータは T-Time アプリケーションを、アップデータソフトにドラッグ&ドロップするという直感的な方法をとっている(Windows版はアップデータを起動させる方式)。アップデートは瞬時に完了する。なお、アップデート後に最初に起動させるときは、シリアル番号の入力が必要になる。

すべてが明示的になった:かなり細かいところまでチューンアップが施されている。とくに T-Time Lite で実装済みだったタイトルバーを使ったリンク表示や、リンク(注釈)をクリックしたときの震える文字列は新鮮な感動を与えてくれる。生き物のようにプルプルと震える姿は、ヘタな gif アニメーションをあしらったホームページよりも、よほど躍動感があり、意味のある動き(アニメーション)を示してくれる。

Windows版フェイス・オフ:Windows版で不評だったすべてのテキストにフェイスファイルが作成されてしまう問題も、環境設定で切り替えられるようになった。

夢色のスプーン:T-Spoon は、ウェブブラウザからテキストデータを「すくう」ユーテリティ。これまでは T-Time を直接アプリケーション登録していたが、今後は T-Spoon を仲介することになる。

T-Spoonでテキストを一括管理: T-Spoon はデスクトップに T-Pot という名のフォルダを作成する。ブラウザから「ソースの表示」で読み込んだテキストファイルは、このフォルダの中に保存されるようになる。その日の日付の入ったフォルダが作成され、その中にファイルが保存される。ブラウザから読み込んだテキストを、効率よく一括管理できるようになるというわけだ。


980911.金曜日

【T-Time 速度アップのコツ】(T-Time)

・1ページに表示される文字量を減らす
・文字サイズを小さくする
・表示するファイルのサイズを小さくする
・文字品質を落とす

とにかくまず、1ページの文字数を減らすのが効果アリ。ページめくりが確実に速くなる。

表示するファイルが小さいと、最初に開くときやレイアウトを変更したときのレスポンスが速くなる。これは全体量からページ数を割りだす必要があるから、そこの計算が速く済むということだろう。

文字品質を落とすのは最後の手段だけど、「1」にするとアンチエイリアスがオフになって、けっきょくアンチエイリアス化に要する時間がゼロになるから速くなるわけ。これやったら意味がなくなるって人もいるだろうし、それでも速いほうがいいという人もいるだろう。君はどっち?


980910.木曜日

【T-Time を画像ビューワとして使う】(T-Time)

これはすでに実践している人が多いかもしれない。

T-Time は、紙面の模様を好みに応じて設定できるようになっており、ウィンドウに画像データをドラッグ&ドロップするだけでそれは切り替わる。htmlのようにタイリングさせることもできるし、他にオリジナルサイズ、ウィンドウサイズにあわせた表示が可能だ。システムの設定によっては、ファイルをダブルクリックすると PhotoShop などの重厚なソフトが立ち上がってしまうことがある。データの中味を気軽に確認したい、というときにこんな高機能ソフトが立ち上がってもらってもこまる。起動中に製品ロゴマークが表示されるが、あれを出すくらいならファイルの中味が見たいんだ俺は。 T-Time のウィンドウを新規作成して、適当なサイズに縮めて置いておくと重宝する。お試しあれ。


980909.水曜日

【『インターネット快適読書術』は10月8日頃】(T-Time)

超カッコイイ『インターネット快適読書術』の情報が、ひつじ書房のホームページに掲載されています。扉は開かれたって感じ?

目次や前書きも読めます。おお、インストール方法は Windows のほうがマックよりも前に来ているぞ!

現在の予定では、9月25日刊行で、10月8日ごろに書店に並ぶのだとか。ひつじ書房に書籍だけを購入希望した人は、うまくいけば今月中に入手できるかもしれない。もうしばらくのしんぼうだ。


980908.火曜日

【 T-Time がいよいよ1.1.2 にバージョンアップ】(T-Time)

ボイジャーのソフトウェアライブラリでは、1.1.1 用アップデータが近日公開となっているが、どうやらコンマひとつ上がって 1.1.2 が公開されそうだ。

明日にでもマスターアップする様子なので、アップデータもこの二三日に公開される可能性が高い。ボイジャーのページをこまめにチェックしよう。うまくいけばマック版、 Windows 版が同時公開されるという。これは、QuickTime3.0 の恩恵が大きいのだとか。やはり T-Time は QuickTime スィートなソフトだと言えるだろう。

1.1.2 は、細かなところでかなりのチューンアップが行なわれているようだ。なにしろ発売が遅れている富田倫生さんの『インターネット快適読書術』は、その対応のために全体の何割かを書き直したり図版を差し替えることになったくらいだというから期待できる。『快適…』では、1.1.2 がバンドルされることが決定した。平野甲賀さんの装丁が今回もカッチョエエぞ。


980907.月曜日

【画面一杯に小さな文字を】(T-Time)

紙面(画面)に文字がいっぱいないと読む気にならないあなたへ。 T-Time やエキスパンドブックに使われているアンチエイリアス文字って、文字サイズが小さいとにじんでしまって、かえって見づらくなってしまうよね。そんなときは思い切ってアンチエイリアスを切ってしまいましょう。なに、簡単です、文字品質を「1」にすればいいのです。ついでに読みなれたビットマップフォントを選んでしまいましょう。ASLFont+ の9ポイントはどうでしょう。モバイルなあなたは Sucha なんて極小フォントもいいかもしれません。ASLFont+ の場合は、字間がつまりすぎてしまうので、メニューの「字間」を2か3にしましょう。どうです、これでかなり要望が満たせたんじゃないですか。アンチエイリアス処理がなくなるのでページめくりの速度も速くなるしね。Duo280 の液晶ではアンチエイリアスかかってないほうがくっきりはっきりして読みやすいこともあるので、この方法を使っています。非力な040マシンでもサクサクです。お試しあれ。行間が自由に設定できて、ページめくりのインターフェースで読めるだけでも、相当快適になるはずです。


980906.日曜日

【T-Time Lite はスゴイぞ】(T-Time)

ttz ファイルって、リンクが埋め込まれていると、そこにカーソルを持っていくと、リンク先がタイトルバーに表示されるんですね。みなさん気づいてました?

これって、エキスパンドブックの注釈リンクや T-Time のリンクの弱点だった「何が出るのか、どこにつながるのかわからない」っていう問題点がばっちり解消されてるってことです。う〜ん、これはすばらしい。はやく T-Time もバージョンアップしてこの機能が追加されるといいなぁ(^_^)

エキスパンドブックも、注釈の中味が分かるようになるといいね。オブジェクトにはそれぞれ名前を埋め込めるようにしておいて、openURL 以外は自分で付けたオブジェクト名が表示できるようにするとか。

うちみたいな13インチモニタだと表示されない情報だけど、ほとんどの人はそういうこともないんだから、タイトルバーをかしこく使うっていうのは悪くない方法です。

まだ T-Time Lite に触れたことのない方、ぜひダウンロードしてそのすばらしさを実感してください! ボイジャーのホームページへいますぐGO!


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