ExpandedBook Attendant
−98年02月のテキスト−


980227.金曜日

【Quiet Press 創設】

Newtonist A Go Go!でおなじみの RIKI さんが、ご自分の Expanded Book や Newton Book を紹介するためのページを公開。「何か屋号がほしい」ということから、Quiet Press と名付けられました。エキスポでこっそり販売されながらも大反響を呼んでいる『Newton Press の使い方』の頒布会が開かれます。締め切りは2月28日。急げ!
(それにしてもいきなりメールアドレスまで用意しているところがシブイです(^_^))

RIKI さんへ私信。ボイジャーのリンクページに登録してもらうといいですよ(うちもまだですが(^^;))。


980226.木曜日

【 T-Time は思い切り読者の側に立ったツール】

「 T-Time と BookBrowser はどう違うの?」という質問をいただいています。

猫本舗のつくいのぼるさんは、エキスポの会場で自作をデモしているときに質問されて、「 T-Time はウィンドウのサイズが変更できます」と答えたそうです。ぶっちゃけていえば、そのとおりです。しかし、この「サイズが変更できる」ということには、じつは T-Time と BookBrowser の決定的な違いを示しているんです。

html によるホームページに対して、エキスパンドブックは「見る者の環境に依存することなく、送り手の意図したレイアウトを反映させることができる」というのがひとつのウリになっています。言い換えると、ネットスケープなどのウェッブブラウザは、ユーザーによってウィンドウサイズもまちまちだし、フォントの種類やサイズも違ってくるし、かならずしも送り手が考えている画面表示にはならないということです。エキスパンドブックはマック・Windows95 の区別もなく、あらゆる環境でほぼ同じものを提供できます。

このことはエキスパンドブックのすべてではないけれど、ひとつの特徴になっています。ところが、T-Time は考え方が180度逆なんです。

ウィンドウサイズはおろか、フォントサイズ、縦・横組み、段組み、背景、その他モロモロをユーザーが自由に調節できるのです。その自由っぷりはそこいらのウェッブブウラウザの比ではありません。とにかく使うほどに手になじむ。目にも優しい。

いわば、エキスパンドブックは送り手と受け手(読者)が共有できるフォーマットで、 T-Time は受け手(読者)本意の道具なのです。そう、使う人に徹底的にあわせようとするカワイイやつなんですよ(^^)

いろんな設定値を変えてみて、自分のお気に入りの表示を見つけてください。これだ、という状態ができあがったら、すかさず初期値に登録してしまいましょう。たとえば縦組みで行間をゆったりととったレイアウトにして、メールを読み込んでみてはいかがでしょう。メールに込められた想いが、いつもよりもはっきりと伝わってくるかもしれません。

【RIKIさんからの手紙】

ニュートンエバンジェリストにしてエキスパンドブック作家の RIKI さんからメールをいただきました。掲載許可をいただいたので、こちらでご紹介させてもらいます(^_^)

えーてるさんへの手紙

 こんにちは、今、ボイジャー・サロンのログをT-timeで読みながらこれを書いています。
 さて、どうしてこんな手紙を書いたかといいますと、えーてるさんのホームページの文章とサロンでの書き込みを読んだからです。私自身がT-timeを使っていくなかで色々と言いたいことがでてきて、とりあえず、えーてるさんに伝えるのが一番良いかなと思ったもので迷惑を顧みず書いています。(笑)

 T-time、面白そうだなとは思ったんですが、EXPOで買ったときには正直言って、半分ボイジャーさんへのご祝儀というぐらいの気持ちでした(もう一つ、今回も忙しくて、満足に買い物できなかったので、いいやっ、買っちゃえ!といった気持ちもありました(^_^:)

 ところがたまたまボイジャーサロンの過去ログを一気に落とし(最初から最後まで勢いで全部落としたんです)、未読の山を崩すのに利用してみると、これが、本当に読みやすい。茄子Rを使うときとは桁違いに目が疲れない。

 デモをみていたときには不必要だと思っていた背景を張り込める機能も長い時間文字を追っかけていくにはいい気ばらしになってくれる。おまけに会議室や文章の内容によってフォントを変えると、そこでまた、文章の表情が変わり、読むのが面白くなる!とすっかりはまってしまいました。(笑)

 いや、本当に面白いツールです。今のところ文章の編集でちょっと不具合もありますが、此方はボイジャーさんでも確認しておられて、そのうち直して頂けそうですし、楽観しております。

 実際の商売のことを考えると、なかなかすぐにこれが出来ますと言うものではありませんから、難しいことも多いかもしれませんが、じっくりと腰を据えて開発を続けていって欲しいツールですね。少なくとも私はもう、これ無しではいられませんので。(笑)

ではでは、長文失礼いたしました。

mailto:riki-t@yk.rim.or.jp

うーん、うれしいですね(^_^) 目からウロコとはこのことなりってね。あなたもニフの未読がたまっているのなら、思い切って T-Time にゆだねてみましょう。
かっこいい RIKI さんの「Newtonist A Go Go!」はこちら。

【古いバージョンのブックはアップデートしよう】

「ツールキットを 1.6 にアップデートしたら、昔のブックが読めなくなった」という質問をいただきました。マック版エキスパンドブック v1.6 の、「Utilities」フォルダに「BookFileUpdater1.6.1」というツールが入っています。これにブックをドラッグ&ドロップしてください。ものによっては読めるようになるはずです。あと「段落の頭に半角スペースを入れる」という対処方法もマニュアルに書いてあったと思います。それでもツールキット v1.2 のβ版で作られた最々初期のブックは読めないかもしれません(数年前の横丁で買った『風餐』など)。そのときは、古いブックブラウザを使って読むしかないです。

とはいえ、エキスパンドブックはかなりのレベルで互換性を保っていると思いますよ。だからぼくたちは安心して最新の BookBrowser を使うことができます。現在のマック版のバージョンは……ええと……1.6.9.93 だったかな(^^;) もしこのあとさらにマイナーバージョンアップしているのを発見した方はメールくださいね。

【スタッフ通信 PoBoC】

asahi-net のサービスについて調べていたら、掲示板が使えないことが判明。このままではポシブルブック倶楽部 Web に掲示板を設置することができない。スタッフの誰かが契約しているプロバイダに間借りすることになりそう(青空文庫も長崎セミナリヨにリンクさせてますね)。

そのかわり、メーリングリストは低予算で設定できるみたい。ホームページも 25MB までOKということだから、ライブラリの充実には問題ないみたい。

とにかく、ぼく自身はインターネット素人なもんだから、どれも初めてのことばかり。詳しい方、あなたの愛のサポートを待ってます(^^;)


980225.水曜日

ポシブルブック倶楽部のホームページ、ukiuki さんを中心にしてただいま急ピッチで制作が進んでいます。正式版ではオンラインで会員登録ができるようになる予定です。これまではただの「呼びかけ」と「返事」という関係しかなかったのですが、これにあわせてきちんと会員番号が発行されることになります。さぁ、あなたは何番になるでしょう。


(O氏に宛てたメールから抜粋)

T-Time はすごいですね。ほんとうに日常のためのツールですよこれは。しかも、使う人によって柔軟にその姿や役割を変えていくあたりなどは、まるで Newton OS を見ているようです(^_^)

ぼくは HyperCard も大好きなツールなのですが、スクリプトをゴリゴリ組んでスタックを作り上げていくのは、それはそれで大変です。 Newton で言えば、Newton Script でアプレットを作るようなイメージ。ところが T-Time はすべてパラメータをちょこちょこっと変えるだけ。なのに、強力な読書環境になったり、テキスト校正ツールになったり、ウェッブブラウザになったり。ときにはアート感覚まで喚起してくれます。文字サイズを最大に設定して、背景アニメーションをオンにした状態でテキストを読んでいると、なぜだかジーンと胸が熱くなりました。

本コ3号で、北村薫氏はぼくが田山花袋の『蒲団』をエキスパンドブックで読んだことに衝撃を受けたと書いています。路上観察学会の井上章子さんは、「わたし本の紙の手触りやインクのにおいが好きなんです」とエキスパンドブックのことなど相手にしてくれませんでした。しかし、T-Time がもたらしてくれる感動、快感というものは、紙の上の文字を読むことでは得られないモノだと断言できます。

わたしたちは電子メールやウェッブなどを通じて、日々テキストを書き、そして読んでいます。指先や、視覚を通じておこなわれる自分の脳とコンピュータのインタラクション。そのもっとも基幹の部分を、この T-Time はそっと浮揚させてくれる。何かが開放されていくような気がするのです!

「新潮文庫・明治の文豪」には、『蒲団』のテキストファイルもついていたはず。今度は T-Time で読んでみようかしらん。


980223.月曜日

T-Time はすごい!いやはや、使えば使うほどに発見がある。背景アニメーションをチェックして、フォントサイズを24ポイントぐらいに設定してみよう。見えてくる世界が変わってくる!

できればこのページも読み込ませてみてほしい。

T-Time の偉いところといえば、GIF 形式や JPEG 形式の画像ファイルにも対応したこともそうだ。しかしこれは、QuickTime 2.5 がサポートする画像フォーマットに準拠したものなので、Windows 版の対応がどうなるか心配ではある。かつて Windows 版エキスパンドブック v1.5 が QuickTime に画像関係の扱いを依存していたため、いろいろと混乱があったのだ(そのほとんどはライセンスがらみの問題である。Newton だけにあきたらず、ここでもか、Apple よ!)。v1.6 からは独自の描画ルーチンを組み込んだので、この問題は解決している。具体的には pict ファイルが Windows 環境でもきちんと表示されるようになったというわけ。QuickTime を多いに利用するか、独自の路線を歩むかは、ボイジャーはつねに微妙な選択を迫られている。QuickTime に振り回されているといってもいい。こいつが業界デファクトスタンダードとして浸透していくなら誰も困らないのだが、なにしろ屋台骨の Apple 社自体がどうなるかわからない御時世だ。昨年末に完成するといった QuickTime3.0 も、スケジュールは遅れるばかり。次期バージョンの QTi(QuickTime interactive)も、とにかく 3.0 が出ないことには始まらないわけだし。


980222.日曜日

ボイジャーがエキスポで発表した T-Time はマジですごいぞ。これはあなたとコンピュータのあり方を革命的に変えてしまうかもしれない。みんな毎日かかさず大量のテキストを書き、大量のテキストやウェッブをながめてすごしているはずだ。T-Time を使うことによって、あなたの視覚を通して行なわれている脳とコンピュータとのインタラクションが革命的に変わっていくだろう。あるいはスクロールというコントロールしずらい構造から解放される。そのインターフェースは、手を通して行なわれるインタラクションも革命的に変えてしまう。もうスクロールのわずらわしさに無意識のストレスをためる必要はない。そう、あの変なスクロールボタン付きマウスだってぼくたちにはいらないんだ。こんなツール、いままで誰もみたことがなかった。だから、説明するのはとてもむつかしい。ぼくもこれから少しずつ言葉を見つけていくつもりだ。少々間違っていても、どんどんあなたに話しかける。百聞は一見に如かずというが、ソフトウェアというものは自分で触れてみるしかない。ぜひとも手に入れていただきたい。ボイジャーはオンラインでの販売を行なうはずだ。¥3500 という良心的価格に感謝。


980218.水曜日

18日発売のマックライフ、大谷和利さんの連載「PowerBook DIary」ポシブルブック倶楽部が紹介されました。緊張しまくっている顔写真も載っています(^^;) 記事中では「年会費制」というのが強調されていますが、スタートしてからしばらくは会費の徴収はおこなわないので、気軽に参加してほしいです。


980215.日曜日

土曜日になんとかブックの納品を済ませることができた。あとはみなさんが買ってくださることを祈るばかりです。もしあなたがぼくのブックを買おうと思っているのなら、エキスポ会場についたら真っ先にボイジャーのブースに行ってください。そして、何よりも先に購入してください。会場案内のチラシや大きな紙バッグをもらうのはあとにしてください。ほんとうに、一瞬の差で売りきれてしまうかもしれませんから。

初回10部に加えて、急きょ20部を追加作成しました。初回版とは色が異なるので、すぐに見分けられます。初回10部はカレー粉の色、追加版は若草色。


980212.木曜日

来月号で休刊が決定したマックワールドジャパン、今月号の大谷さんの Newton 記事は必見だ。特に eMate ユーザーは立ち読みなんてケチくさいことしないで、大谷さんにありがとうを言いながら買っておこう。富田さんの連載も、今月はエキスパンドブックへの信仰告白で、先月までの記事を読んで「青空文庫がきっかけとなって、電子図書館に興味が移っているのではないか」と思っていたが、やはりエキスパンドブックへの興味は尽きないらしい。命懸けでエキスパンドブックに向かい合っているボイジャーの方たちと、富田倫生さんをはじめとするユーザーに拍手。ExpandedBook Attendant としてもがんばらねば。


980211.水曜日

『ExpandedBook で NewtonBook を作る方法』、なんとか本編は完成。あとは細かいミスがないかチェックしていくことになる。残すは Newton Book 版。 MP130 用、 eMate300 用、 MP2100 用を収録する。グレースケールの使えるものについては、エキスパンドブックのアンチエイリアス文字を活かしたバージョンも作成しなくちゃならない。やりはじめると欲が出てくるもので、昔の作品も入れたら読んでもらえるかな、なんて考え始めている(^^) パッケージも特別の厚紙をCD−Rパッケージに巻きつけた仕様に決定。 ラベルは昇華型プリンタで打ち出すから、それだけでも原価がけっこうかかってくるぞ。


980209.月曜日

Newton エバンジェリストの RIKI さんから、バイナリメールが届いた。『NewtonPress の使い方2.0』のβ版だ。今回はエキスパンドブックで作ってあり、これで RIKI さんもエキスパンドブック仲間にもなったわけで、二重の意味でお友だちというわけさ。このブックは、ぼくの『ExpandedBook で NewtonBook を作る方法』と極めて親和性が高い。しかも RIKI さんのブックはとってもおしゃれでかっこいい。内容も詳しくて親切だ。エキスポでは両方ゲットしましょう。RIKI さんのだけ買おうだなんて言わないでね。


980208.日曜日

今日は一日エキスパンドブック作りに精を出した。再来週の MacWorld EXPO で開かれるエキスパンドブック横丁に出品する新作作り。1月に入ってからというもの、今まで経験したことのないハードな仕事の毎日。営業マンの神聖なお仕事である接待で午前様になったり。何が哀しゅうて真夜中過ぎに天下一品のラーメンをすすらなければならないのか。そんな愚痴愚痴の毎日だけど、なんとか新作は完成させたい。

タイトルは『ExpandedBook で NewtonBook をつくる方法』。ほらふき国(FJAMEA)や FNEWTON で紹介済みのワザだけど、きちんとした一冊のタイトルにまとめてしまおうというわけだ。通常のエキスパンドブックだけでなく、サンプルとしての NewtonBook もそれぞれ「MessagePad130 用」「eMate300 用」「MessagePad2100 用」を用意する予定だ。だから手間は通常のブック作りの数倍はかかってしまうというシロモノ。初回生産は10部が限度だと思うので、気合い入れてゲットしてください。


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