ExpandedBook Attendant
−2000年06月のテキスト−


000630.金曜日

【米国じゃ、「音楽きいて朗読きいて電子書籍よんで」を一台でこなすらしい】

米フランクリン・エレクトロニクス社から『eBookman(イーブックマン)』ってのが発表されたそうな。こいつはMP3プレーヤで、オーディブル(朗読フォーマットと俺は思っている)にも対応していて、おまけにPIM機能を持っていて、「マイクロソフト・リーダー」フォーマットの電子書籍を表示できるんだとか。

日本でもMP3プレーヤーにもなるデジカメとか、MP3プレーヤーにもなるPIMマシンとかはあるね。ザウルスアイゲッティもMP3プレーヤモジュールを追加すると、音楽を聴きながらブックを読んだりできるようになるらしい。そう考えると日本も米国も変わりない? 送り手と受け手がどちらを主、どちらを従ととらえているかで変わってくるのかも∞


000628.水曜日

【新しいザウルスアイゲッティは「読む」を手に入れた】

いやはやすばらしい。このザウルスは、ようするにこれまでの個人情報管理デバイスというコンセプトから、コンテンツ・オーガナイザー(造語)としてのデバイスに変化したということではないでしょうか。初代アイゲッティからシャープ・スペースタウンというネットを利用したコンテンツサービスがあったわけですが、ザウルス文庫、ザウルスマンガを経て、先日はザウルスで楽しむメルマガ(これもテキストだけでなくコミックなどの画像の配信もOKらしい)まではじまりました。ザウルスアイゲッティは、いまや単なる情報管理ツールではなく、インターネットブラウザでもなく、あまたのコンテンツをその手にのせることのできるコンテンツ・オーガナイザーとなったということです(mobilenews.ne.jpのレビューはこちら)

とはいえ、現物みたわけじゃないので確定的なこと言えるわけないのだけど(^^;) ∞


000623.金曜日

【篠原リサイクルテキスト研究所のバナーが公開されてるぞ】

篠原リサイクルテキスト研究所

みんなも貼り付けよう。

【ボイジャーのウェブサイト久々の更新】

トップページがドットブックの紹介に変わりました。6月にもなって「2000年1月から縦書きニュース」もないだろうと思っていたので、ホッとしたというかなんというか(^^;)

そういえば先日ソフトウェアライブラリの T-Time のバージョン表記が 2.0.3 いなっているとお伝えしましたが、翌日には修正されていました(ひょっとしてココ、見てました?)。 ∞


000621.水曜日

【いつかワンダースワンで読書する日】

ワンダースワン用のプログラミング開発キット「ワンダーウィッチ」が発売される。このツールを使いこなすにはC言語の知識が必要となるが、位置づけ的には「プログラミングの基礎の学習からプロレベルのゲーム開発まで」という幅広さを持っているようだ。

そこで必ず出てくるだろうと期待できるのが、いわゆるテキストビューワの開発。青空文庫をワンダースワンで読みたい、という欲求から開発する人がきっとあわられるに違いない。


000620.火曜日

【平井和正は日本のS・キングか?】

1994年より、インターネット(&パソコン通信)で小説作品をダウンロード販売している電子出版のパイオニア、SF作家・平井和正は、2000年6月、その売上総額が2000万円を突破しました。総売上部数は、約4万5000部にのぼります。(プレスリリースから引用)

いやはや、すごいね。『ウルフ・ガイ』や『幻魔大戦』の新作が今でも発表され続けていて、そのリリースの速度も尋常ならざるものがあったりして、言霊様はいよいよもって盛んナリ。


000619.月曜日

【うきうき書房 OnLine でダウンロード販売がスタート】

特に『大食い姫』の完全版は、東京国際ブックフェア2000で特別パッケージ版が若干数販売されただけだったはず。ぜひゲットすべし。立ち読み版も充実してるよ。∞


000617.土曜日

【ブックブラウザ1.6.99 と 1.7 の環境設定メニュー】

ああ、ちょっとだけ項目が増えている! てなわけでご覧あれ。

色味が違うのは、それぞれインストールされているマックのOSバージョンが違うためなので気にしないでほしい。右側が 1.7 のメニューなのだが、一番下の3つの項目が追加された。ひょっとしたら、通常のブックでは「エキスポート」や「プリント」が無効になる、ということだろうか。これは T-Time のプリント機能において、エキスパンドブックは原則的にプリント不可という扱いになったことから導き出された考え方かもしれないね。

「起動時にウィンドウ拡大」は、従来は BookHeadEditor 1.1 というツール(ツールキットにバンドル)で設定していた「プレゼンテーションモード」とおそらく同じ機能だろう。 BookHeadEditor 1.1 の存在すら認識されていないケースが多かったようなので、エキスパンドブック(ツールキット)本体に組み込まれたのは正解だと思う。

ちなみにこのメニューにある「ブック名」「著者名」「サムネイル作成」「コメント編集」の設定を忘れたままのブックも世の中には相当多い。価格を設定して販売しているブックなどでこれらの項目がほったらかしになっていると本当にがっかりする(^^;) (そういうブックにかぎってパスワード・プロテクトがかかっていて、自分で修正できないようになっていたりするんだ…)。あなたのブックも一度チェックしてみよう!∞


000612.月曜日

【ウィンドウズ版ブックブウラウザ 1.7】

先月はマック版のブックブラウザの最新バージョンについて紹介したが、ウィンドウズ版のブックブラウザも 1.7 が公開されている。マック版の場合は、ちょっとしたバグフィックスが中心ととらえてかまわないと思うが、ウィンドウズ版のほうはもっと重要な改良がなされた。QuickTime の最新バージョンに対応したのだ。

これまでウィンドウズ版のブックブラウザは、QuickTime の16ビット版というとてもオールドなバージョンにしか対応していなかった。これは現在では入手困難なバージョンで、ムービーや音声データを組み合わせたブックを作成している者にとっては泣き所だった。これからは QucikTime 3 以降(最新バージョンは4.1)の多彩なフォーマットにも対応可能になるわけで、エキスパンドブックの表現力自体も大きく向上することになる。

ちなみに、上記のリンク(SOFTWARE LIBRARY)の目次には T-Time のバージョンは 2.0.3 と書かれているが、もちろん最新版は 2.1.1 だ。目次のリンクをクリックすると、ちゃんと最新版のページにジャンプするのでご安心を。∞


000609.金曜日

【ビーケーワンのプレサイトがオープン】

オンラインブックストアbk1(ビーケーワン)といえば、あの往来堂の安藤哲也氏が往来堂を振ってまで取り組んだオンライン書店なのだ。

「bk1に期待することは?」のページには業界著名人のコメントがうんざりするほど集まっているぞ。とりあえず田口ランディ女史のエロエロなコメントを読んで大笑い。萩野正昭、富田倫生、松本功などの名前がないのは不満っす。三人ともいますぐメールして辛辣なコメントを書き込むのだ(笑)

オープンは7月4日。先着1万名にプレゼントの特製ブックカバー目当てで、とりあえず利用してみようっと。カード決済も使えて7千円以下の買い物は送料250円か。ふむ。∞


000605.月曜日

【青空文庫が一部作品にドットブックを採用】

これを受けて、先週から「みずたまり」でもさまざまな意見がよせられている。

個人的には、青空文庫の野口さんから“ただ今後、エキスパンドブックのバージョンアップが望めない以上…”という発言があったことに注目している。元ボイジャー社員で現在もボイジャーとつながりの深い野口さんが、そのような言葉を(うっかりかもしれないし、バイアスがかかっているのかもしれないとはいえ)口にされたということは、そういうことなんでしょう。ボイジャーにしても、しばらくは T-Time & .ttz を基幹技術として、ドットブックという新しいソリューションを強力にプッシュしていきたいのでしょうから、エキスパンドブックが「とりあえず」な扱いになるのもムリもないなと考えざるを得ないのがぼくのスタンスなのだ。

これまでにもエキスパンドブックのメリット・デメリットについては機会あるごとに紹介してきた。.ttz がエキスパンドブックを凌駕しているといった単純な評価はできない。詳しくは『電子出版の技法(α)』や『ロスト・コンテンツ』を参照していただきたい(入手希望の方はメールしてください)。特に、『ロスト・コンテンツ』を読んでいただければ、エキスパンドブックとはどのような構造をしているのかがある程度はご理解いただけると思う。

注)『電子出版の技法』は、T-Time に関する技術紹介が ver1.* の状態に基づいて書かれているので、この中で「できない」と書かれていることが、現状では実装されている場合もある。…そろそろ改訂しないと売りづらいなぁ。

つい先日、ポシブルブック倶楽部のメーリングリストで「エキスパンドブックにとっては、青空文庫が採用してくれていることがなによりの強み」と書いたところだった。青空文庫以外にも、いまでもエキスパンドブックを使って活動しているところは存在している。彼らはおそらく、能動的にエキスパンドブックを選択している(.ttz を知らないから使ってないのではないだろう)。

ブックブラウザ v1.7 のリリースは、メンテナンスリリースとはいえ、ボイジャーなりにエキスパンドブックを「なかったこと」にするわけではないという意思表示だと解釈している。

自分のためだけのノートブックを持ち得る…それだけでもエキスパンドブックは .ttz に負けていないだろう。「読む」と「書く」と書いて「読書」。表裏一体であることをエキスパンドブックは知っている。

世の中の流れがどうなろうと、それでもなおエキスパンドブックにはエキスパンドブックなりの決着をつけてほしい、と願っているのがエキスパンドブック案内人としての偽らざる気持ちであるが…。∞


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