ExpandedBook Attendant
−2000年03月のテキスト−


000330.木曜日

【いでよ、オンスクリーン時代の編集者】

書評パンチで今月から仲俣さんの「編集長日記」というコーナーが始まっている。3月15日の日記で村上龍のオンデマンド出版された『共生虫』の誤植・乱丁の件を取り上げながら、このようなことを書いている。“まともな編集過程が存在しないようでは「出版」のことばにあたいしない”“電子出版における編集の必要性と、そのことをはっきり主張して対価をとれる編集者がでてこないかぎり、電子出版は絶対に離陸しない”等々。まったくそのとおりなのである。

ぼくはここで、必要なのは編集者ではなく、「編集という視点」なのだということを強調したい。少なくとも従来の編集者が求められているわけではない。紙の出版をやってきた人間が電子出版の編集をこなせるかというと、そうとはいいきれないとぼくは考える。電子出版における編集過程が何であるかを体得しないことには、編集者なんて名乗れやしないのだ。だから、自分で書いた作品を自分で出版する、そういう人がいてもかまわないが、その人は、ほぼ間違いなく編集過程をこなせないだろうとも思う。作家でありながら、編集者であるというのは、よほどの才能と経験の持ち主でないことには成立し得ないと思うのだ。仲俣さんにとってはそれは自明のことだったから、「編集者」と言い切っているのだろうけど。

インディペンデント・パブリッシャーズの人たちには、自分で書いた作品を自分で出版している人が少なくない。彼らの中には「自分の書いた本を自分で出版できる」ただそれだけに気持ちを傾けて活動している人もいるはずだ。だからかつては横丁作家という言葉がまかりとおっていたのだと思う。場合によっては編集という視点がすっぽり抜け落ちていることもあるだろう。そのことに、気がついていない人もまた多いのではないか。

電子出版には出版社はいらなくなると言う人がいる。作家から直接読者に届けることができるから、と。たしかに出版社はいらないかもしれない。しかし、編集者までもが不要であるとはぼくには思えないのだ。さて、あなたは作家か、それとも編集者か。


000328.火曜日

キングの電子書籍は48時間で50万部売れたという。2ドル50セントという値段がどこから導き出されたものかはわからないが、さすがに50万部も売れると利益が出るだろうね。

それにしても、たったこれだけのことで「ついに電子書籍ビジネスは離陸した!」なんて騒がれるのだから不思議なものだ。マスコミが騒いで、はじめて商売が成り立つ…そういうことなんだろうなきっと。


000327.月曜日

【ボイジャーの東京国際ブックフェア2000告知サイト】

特に T-Time の新バージョンや立ち読みシステムは要注目。ブックフェアの前にはプレス発表もあるらしいので、それまで妄想をふくらませておくといいぞ!

【ポケットパピレス】

iモードでチェックして、電子携帯機器でダウンロードして読む「ポケットパピレス」。手順としては、iモードで店内を散策して、気に入ったタイトルを見つけたら、今度はザウルスや Windows CE マシンで接続しなおして購入…これって面倒くさいかも(^^;) ポケットパピレスの意義は、オンライン販売を含めたウェブの利用について、徹底的にPCを排除しているところかな。

【電子書籍コンソーシアム発展的解消のこと】

こういう記事はけっこういろんなところに出たわけだけど、コンソーシアムのサイトにはなぁんにも発表がなかったりする。日本電子出版協会(JEPAX)の分科会として存続するってことになってるけど、日本電子出版協会のサイトにもそのような告知は見当たらない…。見つけられないだけかもしれないけど、たとえ載っていたとしてもすぐには見つけられないくらいにこっそり書いてあるのだろう。

【昭和30年代の日活世界ニュース】

こういのがオンラインで見られるようになったというのは、本当に素敵なことだと思うぞ。元々映像畑のボイジャーの萩野社長に教えてあげたい。

【国会図書館の電子図書館サービス】

じつは電子図書館って、ほとんどアクセスしたことがなかったりするんだ。でも、こういうのがオンラインで見られるようになったというのは、ちいとばかし素敵なことだと思うぞ。


000324.金曜日

【投げ銭システム】

投げ銭システム

ミリセントには一日でも早くマック環境に対応していただきたい所存。

マックユーザーだって、浮世絵太郎『道のもの』に、投げ銭したいぜ!


000323.木曜日

【インディペンデント・パブリッシャーズ宣言!】

リンクバナーはこれ。

インディペンデント・パブリッシャーズ


000319.日曜日

【インディペンデント・パブリッシャーズ】

東京国際ブックフェアに挑む、ポシブルブック倶楽部サイバー・ブック・センターのイベント名称です。

ポシブルブック倶楽部のメーリングリストにポストしたテキストをここに掲載しておきます。

インディペンデント・パブリッシャーズは、年頭所感に書いた「小さ な出版&私的な出版(スモール・パブリッシャー&プライベート・パ ブリッシャー)」の考え方をさらに発展させたものです。

わたしたち は小さな出版社だったり、私的な想いに基づいて電子出版をおこなったりしています。胸の奥に抱えた想いは一人ひとり違っています。しかし、インディペンデントなスタンスで出版活動をしていることはみんな同じです。自分はインディペンデント・パブリッシャーズであると自覚することで、勇気を奮い起こしてもらいたいのです。

でも、ときにはその勇気のために、兜の緒をしめなおすような厳しさも必要だと思います。自覚するとは、そういうことだと思うのです。

読者のみなさんも、そんな本たちに出会えた喜びを感じ、自分がその一冊を選んだことに自信をもっていただきたいのです。

今回、サイバー・ブック・センターさんとタッグを組むことになりました。もうこれまでの「お手伝い」とか、自主的な支援とか、そういったレベルの活動ではなくなったのです。わたしたちの本をわたしたちが販売する、サイバー・ブック・センター(売りの現場)とポシブルブック倶楽部(送り手と受け手)は、このブックフェアをとおして、多様性を包括しながらも揺らぐことのない一枚岩となっていくことでしょう。


000312.日曜日

東京出張のついでに、ボイジャーを訪問。最新機密をめいっぱい入手してきました。でも話せないじゃ〜ん。「ビデオ撮らして」って頼んだら、ダメってきびしく言われてしまいました。あたりまえか(^^;)


000307.火曜日

今、東京国際ブックフェア2000の出展について連日メールによる打ち合わせが続いています。なかなか決まらないことも多くて大変です。でも、なんとかイベント名は決まりそう。エキスパンドブック横丁よりもかっこいいネーミングに満足満足。近日公開。


000301.水曜日

【Newton Japan News LetterがTTZで登場】

Newton と T-Time って、通底するものがあると思うんだよね。だから、こういうところで TTZ が使われているのはとてもうれしいな。riki さんの QuietPress でも、先日のエキスポの「ユーザーグループ懇親会&サードパーティデモレポート」が TTZ 版で公開中。


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