しげぼうの言いたい放題


・昭和の日はいらない。4月29日は平日にしろ!(2012年04月29日)

今年もまた、4月29日がやってきた。4月29日は無論、昭和天皇の誕生日にあたる日である。 昭和天皇が1989年に崩御となった後、「みどりの日」という名称で祝日として存続されることになった。 それが、2007年より何故か「昭和の日」という名称に変わり、みどりの日というのは5月4日(それまでも国民の祝日 ということで祝日扱いだった)に移行されることになった。

私は、はっきりいって反対の立場である。 まず、天皇が崩御したのであれば、次の天皇の誕生日が祝日となるため、旧天皇の誕生日を何も名残惜しんで祝日のままに しておく必要はないと思うからである。今後天皇が死ぬたびに、祝日ばかりが増え続けてしまい、それなら歴代の天皇の誕生日は 全て祝日にしろ、という議論も出てくるであろう。そうしたら日本は祝日だらけになってしまう。 何で、昭和天皇だけは特別視するのか?全く私には理解不能である。

昭和天皇は、先の太平洋戦争で、最高責任者だった人物である。中国など多くの外国の地を武力で踏みにじり、最後はアメリカに 戦争を仕掛け、反撃され原子爆弾を投下され、世界唯一の被爆国となった忌まわしい時代の象徴である。周囲の政治家や軍人の圧力 があり、ただ彼らの決めたことに判を押すだけの存在だったのかも知れないが、それでも多くの外国人や日本人の命を奪った戦争の 当事者であったことには変わらない。いつまでも名残惜しむような人物では全くない。
無論、戦争の時代の後には平和な経済発展の時代が訪れたが、人を兵器で殺し合う戦争が、企業同士の利益獲得戦争に変わっただけで、 戦争当時の軍隊的体質は殆ど変わらなかった。また、水俣病など大きな環境汚染問題も起こり、原発も全国に作り始めた。 昭和という時代は日本史上の最悪の時代であり、祝日として祝う価値など全くない

もっとも昭和天皇を特別視というより、単に4月29日というのはゴールデンウイークに近く、国民に長い休みを取ってもらい 消費を促そうとの狙いもあるのかも知れない。本年の場合、4月30日が振り替え休日となり、後5月1日、2日と休みを 取れば9連休になる。会社によっては5月1日、2日を事実上休日扱いしているところもある。
でも、それならむしろゴールデンウイークに近いからこそ、平日にすべきであろう。 長い休みは、却って時間間隔をおかしくし、健康や仕事自体にも悪影響を及ぼす。 祝日を1つの時期に集中させるより、6月など祝日が全くない月に新たに祝日を作る方が良いだろう。 世の中の人全てが長期休暇を使って、旅行したい人ばかりではない。 役所や病院の長期休暇は、人によっては大きな不利益となることを忘れてはならない。
祝日を増やすことよりも、労働条件を改善し、有休を完全消化させるような取組をもっともっと政府はやっていくべきではないか? 2010年8月6日、ロイターが調査会社のイプソスと協力し、主要24か国において有給休暇を使い切る労働者の割合が日本は断トツの 最下位で33%!ちなみにブービーは、南アフリカとオーストラリアの47%。1位のフランスは89%だ。 →参照
世界最大のオンライン旅行会社 エクスペディアの「世界20ヶ国有給休暇・国際比較調査2011」で支給された有休数に対する消化率が 45%と20国中最下位という調査結果もある。下から2番目の韓国は70%である。 →参照
まず、こういうところをどう改善するかであろう。

昭和天皇の葬儀のとき、大葬にかけた費用は実に97億だったという。無論、そんな莫大な費用をかけたのは当時の政治屋であるの だが、昭和天皇が少しでも心ある人物であれば、戦争が終わった時点で退位という選択肢もあっただろうし、葬儀に莫大な費用を かけるなと遺言もできたであろう。
今上天皇は、自分が死んだときは、火葬にして、喪儀も簡素に、埋葬される「陵」も天皇皇后一つにして欲しいなど要望を出している ようだ。国民生活や財政などを配慮された発言のようだ。
戦争裁判にお咎めを受けず、その後40年以上も天皇の地位にあり死後も莫大な葬儀費用を使いどでかい墓地に埋葬された昭和天皇に比べ、 今上天皇の方が遥かに個人的には好感を持つ
国民生活を圧迫し、日本の財政を悪化させ、原発を推進し、環境を悪化させ、今上天皇にこのような心痛をさせた政治屋、官僚、財界人どもは どんな反応をするのか見物だ。


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