しげぼうの言いたい放題


・鳩山新首相は9年前の汚名を返上出来るか(2009年09月01日)

8月30日(日)の衆議院選挙は、民主党が308議席の圧勝、自民党は119議席の歴史的惨敗に終わった。 我が国の政治もようやく自民党の一党独裁状況から解放された。

今回の結果は、必ずしも民主党のマニフェストや鳩山党首自身が評価されたわけではない。 自民党があまりにも酷過ぎたからである。小泉内閣の改革が裏目に出て、格差が助長し、安倍、福田と 1年程度で政権を放り出した後、麻生という余りにも能力も知性も品格もない最低の人物を首相にして しまったわけだ。麻生の酷さは今更言うまでもないのだが、このような相手に勝てないようでは、永久に政権 など取れないであろう。民主党が勝って当たり前の選挙であった。
鳩山党首と言えば、9年前にも民主党の党首をしており、当時現在の首相と同じくらいに能力も知性も 品格もない森自民党を相手に衆議院選挙を戦い勝てなかったという汚名がある。当時は「どのような政権構想を 持っているか」と尋ねられ、「自民党の加藤紘一さんが党を出てくると思うので一緒にやりたい」などと 他力本願的な発言をしたり(「私は出るとは言っていない」と加藤紘一本人に否定された)、自分の選挙区さえ固 められず危うく小選挙区で落選する可能性もあった。(当時の菅直人幹事長の応援もあり何とか当選) また、改憲について一人で積極発言をして民主党はバラバラというイメージを強めてしまった。
今回、再び党首に就任してから、亡くなった人からの違法政治献金問題が発覚したりと、前途多難を思わせた時期も あった。私は、またこの男が全てをぶち壊してしまうのかと心配したが、それでも敵失の方が大きかったらしく 大事に至らなかった。

民主党に対しては、308議席も与えられた以上、これで取り敢えずは、本来の民主党のやりたいことをやれる状況 とはなった。これから何をやるかで、この国の将来も民主党自体も決まってくる。
私自身の注文をいくつか言わせていただくと、まず雇用や年金、福祉といった国民の不安を取り除くことに注力 することだ。環境問題もしっかりやってもらいたい。高速道路無料化など環境対策や財政再建と逆行するような 政策は見直すことだ。それから、霞が関の官僚だけでなく、経団連など経済圧力団体の言いなりになることも 絶対にだめだ。 当面のパートナーとなるであろう選挙戦で協力しあった社民党や国民新党の意見も充分に聞いて、衆議院比例区の 削減や憲法改正などを決してゴリ押ししてはならない。またこれまで自民党べったりだった公明党が突然すり寄って くる可能性もあるが、相手にしてはいけない。ましてや自民民主の大連立などとんでもない。現在の自民党が野党 でいるのを嫌がり政界の再編成などと美辞麗句を並べ、話を持ちかけてくる可能性があるが断固拒否することだ。 民主党がこれだけ多数を握っていれば可能性は少ないが、念のため警告しておく。

とにかく国民目線できっちり仕事をすることが大切だ。 繰り返すが、9年前の衆議院選挙で鳩山民主党が勝てなかったことが、結果的にその後の日本に大きな影響を 及ぼしたのだ。あれは、今思うと歴史を決定づけた選挙だった。その後、加藤の乱などであと一歩のところまで 森を追い詰めながらうまく逃げられ、小泉というモンスターポピュリストの登場を生むことになり、現在のような 壊れた社会になってしまった。そういった意味で、政治家鳩山由紀夫の罪は重かった。(無論、一番悪いのは 森、小泉以下の自民党歴代内閣なのだが)厳しい言い方だが、鳩山本人もそれは自覚していると思う。
あれから9年。政治家鳩山由紀夫はどれだけ変わり、成長したのか。この間に壊れた日本をどうやって立て直すか。 選挙に勝ったとは言え、それは通過点に過ぎない。本当の意味で9年前の汚名返上とは、今後の仕事しだいだと 思っている。是非この機会に新しい政治を作っていただくことを鳩山新首相に期待する。


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