しげぼうの言いたい放題

 


・日本の人口減少は必然の成り行きだ(2006年01月01日)

2005年度の日本の人口は、出生数が死亡数を下回ることが確実となったようだ。 2007年度にそうなることが予測されていたがそれより2年早く現実のものになるということだ。 政府は案の定、少子高齢化対策をどうするかを大慌てで検討に入ってきている。

少子高齢化云々を言う前に私は問いたい。何故、日本の人口が減ることがそんなに悪いのですかと。 きっとこう言うのだろう。 将来、日本の国の経済的活力が損なわれるからだ、と。 そのためには、何としても出生率を上げ、子供を産み、育て易い環境を作ることだと。
子供の数を増やせばいい?だったら以下の資料を見てもらいたいものだ。→ 世界の人口密度
日本はこれによると人口密度は世界12位ということらしい。が日本より上位の国を見てみると、バチカン、 シンガポールなど小面積の国ばかりだ。日本より上位で日本より広い国というのは一つもない。 主要先進国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど)と比較しても日本が一番だ。 既に日本は人口的には満杯状態なのだ。 そこへ無理に子供を沢山作り人口を増やすとすれば、日本の社会は次の2つのいずれかの社会に進んでいく だろう。
その一つは、姥捨て山型社会である。もし、満杯状態の日本でこれから子供の数を増やしたいという ことは、逆に高齢者を殺す社会にせざる得ない。殺すとは直接的に殺すというより、年金など社会 生活保障をなくすなどした、福祉の切捨てなどを意味する。 そういう社会を目指す連中というのは、日本が世界一の長寿国になってしまったことでさえ苦々しく思って いるようだ。例えば、小泉の1つ前のバカ首相は「子供も産まない女性が後で年金だけもらって裕福に暮らす のはけしからん」とか、バカウヨ都知事が「この世で一番醜いものはババアだ」などと発言して いたが、ホンネなのだろう。
このような社会とは別の方向性の社会が、人口爆発型社会である。 今の日本の福祉水準や医療水準はそのまま維持していき高齢者には安心して暮らせるようにし、 かつ子供を産み育てやすくします、という社会だ(大多数の政治家はこういうだろう)。 が、これはこれでまた別の問題が生じる。人が増えれば、食料その他生活物資の生産、住宅整備、ゴミ処分 なども大変なものになる。 大量生産大量消費大量廃棄が更に進む。環境という面では確実に悪化が進む。
どちらの道を進むにしても、ろくな社会にはならないことは明白である。

だったら、少子化問題は何も対策を打たないで成り行きまかせにした方が余程よい。ネズミが増えすぎると、 集団で海に飛び込むとか、互いに共食いをして増加を食い止めるそうだ。 日本人は、環境問題がいよいよ大変な時代に殺し合いもせず自然的に子供を産まなくなり 人口調整を行う方向に進んだことは、むしろ大変好ましいことではないのか?

子供のことを考えるならば、まずは現在生きている子供達を凶悪犯罪から守るための方策でも考えるべきだ。 警察官の増加、監視カメラの設置、行政と地域が協力して子供を守ってやるための具体策を講じることだ。 無論、こうした凶悪犯罪者は基本的には死刑だ。死刑に対しては賛否両論あろうが、一人やれば一人子供を増やす 余地が生まれるのも事実だ。高齢者に一律にしわ寄せを持っていくよりは、悪人にしわ寄せを持っていくという 考えは、それなりに説得力ある考え方である。
あと、小児科医が年々減少していることも問題だ。国の力で小児科医を拡充してやることも大切なことだ。

日本の政治家の一番欠けている点は悪いことを言わないことだ。それぞれの課題について、きれいごとを 言うばかりで、それらを同時並行処理したときのリスクに関して全く触れない。 だから子供の数を増やし、福祉水準を下げず、なおかつ、環境問題に取り組むなどと平気で言う。 日本は、京都議定書で二酸化炭素排出目標の具体的数値も決めたが、人口増加経済拡大型社会とは決して 両立できないと、断言しておこう。

現在いる子供の命すら守れないで、児童手当ばかり拡充して産めや増やせやなんて言っているバカな政治家は 引っ込め!税金の無駄だ。 人口を増やすことより、今現在生きている人達がいかに快適に生きていけるかを考えるのが政治の役割では ないのか?


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