しげぼうの言いたい放題

 


・靖国神社を知らな過ぎる日本人(2005年06月20日)

小泉バカ首相のおかげで、日中関係は国交正常化以後最悪となってしまった。 「靖国神社の参拝は他国が干渉すべきではない」などと開き直り、遂には「罪を憎んで人を憎まず(A級戦犯に 対して)」発言まで飛び出した。 言うまでもなく「罪を憎んで人を憎まず」は、加害国側が被害国側に言うことばではない。 よく、死刑廃止論者など人権派とよばれる弁護士や学者などが使用することばであるが、このバカ首相も彼らと 全く同感覚の持ち主らしい。

朝日新聞の世論調査では、小泉首相の靖国神社参拝を見送るきだが49%、続けるべきだが39%という結果が 出た。正直言って、この期に及んで39%も靖国神社参拝を支持する人間がいること自体が異常なこと だと思った。 これは、小泉の、外圧に屈っしないところが多くの日本人の共感を招き、いいぞ、負けるな頑張れという 熱狂的なナショナリズムをかきたてた結果なのだろう。 まだ、靖国神社というものの本質が国民の多くがわかっていないのではないかと感じた。

「靖国神社とは、戦没者を祀る神社である。一国の首相が自国の戦没者に追悼の意を示すのが何故悪い!」 というのが靖国神社参拝を支持する人の言い分である。ふむふむなるほど。戦没者を祀る神社という認識程度 であるなら、そう考えても不思議ではない。

だが、実際の靖国神社の実態は、御国のため天皇のために兵士として戦って戦死した人だけが祀られている 神社であり、空襲や原爆等で亡くなった一般市民は祀られていないのである。祀られている人でも、必ずしも 本人遺族の了解がない方もいるようだ。(「私の家族は国家による侵略戦争に嫌々参加したに過ぎない。靖国などには 祀られたくない。」と言っても通用しないようなのだ。)
しかも、東條英機らA級戦犯として東京裁判で処刑された人々も、戦勝国の一方的な裁判で濡れ衣を着せられた 被害者ということで、祀られている。このことが、中国など近隣諸国の反発を買う要因となっているのだ。
靖国神社というのは、宗教色も強い。戦前戦中は、御国のため天皇のために死ねば、靖国に神として祀られる のだ、と一方的な屁理屈を並べて国民を洗脳し、若者を戦争に駆り立てる役割を担っていた。
このような、思想を戦後になって少しでも改めたのならともかく、全く昔のままなのである。 先の戦争は、日本の自衛と独立、アジア諸国の解放を目指した正義の戦いだった、などと平気でぬかしている。

が、これらの反論は容易である。
自衛というレベルでは、歴史的に本当に差し迫った日本の危機は、鎌倉時代の蒙古襲来の時くらいである。
幕末辺りでは、確かに当時は欧米列強国による世界的植民地支配が行われた時代で、日本も強くならなければ、 というのがあった。 無論、他国がやっていたから自国もやってよいという論法が良いわけではないが、当時の日本は欧米諸国から、 治外法権を飲まされ、関税自主権を認められない不平等条約を結ばされいた。 結果的には、日清戦争、日露戦争を勝つことで日本の力を認められ、不平等条約が撤廃されたというのも事実である。 しかし、日本の独立というレベルではせいぜい日露戦争までであろう。
日中戦争〜太平洋戦争に関しては、日本が積極的に仕掛けた戦争であり、紛れもない侵略戦争である。 しかも、南京大虐殺など非人道的なことも行った。アジア諸国の解放なんてきれいごともいいところだ。 しかも、最後は、アメリカに戦争を仕掛けるという愚を犯している。当時のアメリカは、国内で中立法を制定し、 自分達が先に仕掛けられない限り対外戦争を一切行わない方針を示し、アジアで持っていた唯一の植民地の フィリピンの独立も認めると宣言していた。(フィリピン独立法は真珠湾奇襲の7年前の1934年に決まっていた。 10年間の準備期間ののちフィリピンの独立を承認するというものだった。) これは、日本の防衛、アジアの解放という大義は成り立たない決定的根拠であろう。 アメリカから経済的圧力をかけられたのも事実だが、それは日本が中国などを侵略していたのを止めさせようとした からであり、日本から先に武力でアメリカを攻撃したことは、日本側に非があると言わざる得ない。
このような、大義もなければ勝ち目もない戦争で日本国民の多くを死に至らしめた東條らA級戦犯共は万死に値 する国賊と言ってよい。彼らの処刑は当然であり、むしろ日本国の手で行うべきであった。
こういう国賊共を神として祀り、先の戦争を正当化し、その考えを改めない靖国神社は、カルトと言って過言 ではない。※

このような実態を一般の日本人は詳しくは知っていないのだろうと私は考える。(知っていて、尚も靖国参拝を支持 している人間は、救いようがないが。)
かくいう私も上記のような醜い実態は最近になってわかってきたことだ。
確かに以前首相や自民党の関係者の靖国神社の参拝が問題になったことがあったが、マスコミ共は、「公人ですか、 私人ですか」とバカの一つ覚えの質問を彼らにするだけだった。これでは本質が見えてこないわけだ。 私人ならよいとか、8月15日以外の参拝ならよい、などというレベルの問題ではないのだ。 靖国神社という組織の本質が重要なのだ。
最近の朝日新聞の記事などを見ると、靖国神社について詳しい説明を書いていたが、こうした詳しいことを国民に 知らしめて、それでもあなたは靖国神社の参拝を支持するのですか、と訴えかけなければいけないのだ。

この問題の解決はしっかりしなくてはならない。これ以上の近隣諸国とのいさかいは、日本にとって大きな マイナスである。A級戦犯の分祀や無宗教の新たな戦没者施設を新設するなどが解決策として挙げられているが、 しっかり議論して対策を1日も早く立てることだ。

※おまけ
私の地元埼玉県にまつわる、こんな話が靖国神社の資料にあるようだ。(日本共産党のビラより)
「熊谷の特攻隊員の妻が夫の出征のために邪魔だと思って、子供と共に荒川に飛び込む」 これを美談だと褒める資料の展示がされているそうだ。
説明はいらないだろう。これを読んで、何とも言いようのない怒りがこみあげてきたのは言うまでもない。 一刻も早くこの邪教は、非合法化すべきと改めて思った。


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