民主党がついにマニフェストの第一次案を公表した。マニフェストなる言葉が流行りだしたのは最近である。 要は、国民に対して、こういうことは必ずやりますといったことを期限と数値目標を具体的に訴えることだ。 民間企業では、社員にこのような目標を半期くらいごとに立てさせ成果を検証し、ボーナスの査定を行う 材料にする。我々一般サラリーマンがやっていることを何故今迄の政治家はやっていなかったのか、という疑問 も最もである。で、今回は民主党のマニフェストを見ていきたい。 こちらも合わせてご覧いただきたい。→民主党ホームページ
まず、経済問題について。自民党などは、経済成長率を2年後に2%にするなどと言っているが、そうした目先の 経済成長率よりも失業者を減らすということに重点をおいたことは評価できる。 ワークシェアリングについては、ここは強くアピールしたいところだ。もっと具体的に1日の標準労働時間 を何時間までに減らす、といったことまで盛り込んでいきたい。
衆議院の定数問題では、80削減はよいのであるが、比例区をなくす方向は個人的には納得できない。 そもそも小選挙区は、死票が多いのでそれ自体反対だ。それにまだ、民主党は政権を担ったことがないし、2大政党 の一角を担う政党と完全に認められたわけでもない。下手すると自分で自分のクビを絞めかねない。どうしてもという なら次の選挙で絶対に政権を奪うことだ。
治安や安全保障の問題も評価できる。 防衛問題では、陸上自衛隊の隊員数を減らし、無駄な兵器を削減し、一方軍事技術のハイテク化を目指す。 警察官を増員して刑罰も強化するというのも大賛成だ。 軍事費を減らし、警察力を増強するというのは、私の理想の国家像であり以前から主張してきたことだ。 しかし、終身刑の導入は果たして必要か?現在の日本の刑務所は既に満杯状態なのだ。新たに刑務所を作る必要が あり、生涯刑務所で面倒をみなくてはいけない人間が増えては、その費用もばかにならないはずだ。 やるなら死刑の強化ではないか。
そして、イラク問題。まだ、具体的方針が出ていないが、これは自民党との対決では争点に必ずなる。 早くはっきりさせるべきだ。そもそもアメリカのイラク攻撃自体が大義名分のない戦争だった。 日米安保よりも国連中心主義を重視することを明確にし、国連を通して解決していくことを鮮明にすべきだ。 アメリカの要求でカネを出せ、自衛隊を出せという要求が出ており、既に小泉自民党では人もカネも出す 決心をしたようだ。とんでもない話だ。 たとえ、自民党が強行しても民主党は政権を握れば白紙撤回させますくらいのことを盛り込むべきだ。 いや、盛り込むだけでなく実際に実行してもらいたい。売国奴に対しては徹底抗戦である。
その他の点については概ねよろしい。地方分権、不要な公共事業の廃止、官僚の天下り禁止などの政策は大いに 支持できる。
私の求めたい項目を列挙してみた。全体としてみれば、私が求めているものに近いものが出来ており、しかも自民党とは違い党内のコンセンサスを 経て作成された。これなら政権担当を任せても問題ないというレベルになったと思う。 少なくとも前の党首のときとは大違いである。 自民党のように意見が違うけど選挙のことを考えて政策論争は抜きにこの人にしておこう、とか首相が 「この程度の公約を守らなかったことがなんだ」と開き直るのに比べて、民主党のほうが誠実さを感じられる。 埼玉県知事選で民主党出身の上田清司氏がマニフェストを掲げて勝利したことでもわかる通り、具体的政策で 勝負すれば、自民党に充分対抗できるようになるはずだ。選挙の顔として人気のある人物を前面に並べるだけで 政策的には一貫性がなく、ただアメリカのブッシュの言いなりに軍備を強化するだけのアホな政党を勝たせては 日本もおしまいだ。 更なる肉付けを行い、必ず政権を奪ってほしいものだ。