しげぼうの言いたい放題

 


・イラク戦争は人類最終戦争の幕開けか?(2003年04月16日)

「とりわけ”北の王”の一つは、10本と3本の角を持つ巨獣になり、多くのものを踏みにじるでしょう。 彼は軍事の神を崇め、宝石と金銀でそれを飾り、気に入った者を取り立てて、人々を支配させるでしょう。 そのため、終わりの時になって、”南の王”が彼に挑戦します。”北の王”はこれに対し、 戦車と騎兵と大船団で嵐のように攻め、洪水のように各国を通過して行きます。 ”麗しい国”もこうして侵略され、多くの人が倒れます。アンモン・エドム・モアブ(=どれもユダヤの部族) の選ばれた者は助かりますが、彼は国から国へと手を伸ばし、エジプトの地もまぬがれません。 ・・中略・・でも、ついに彼の終わりの時が来て、彼を助ける者は誰もいないのです。」

長々と書いたが、13年くらい前の五島勉氏の著書「ユダヤ深層予言」のP165からP166の一節である。五島勉氏 と言えば、ノストラダムスの大予言などの著書で知られている。 上記の一節は、ユダヤの預言者ダニエルが、天使ガブリエルから伝えられた予言の一部である。 ”北の王”とは欧米の白人種のある国家、”南の王”とはアラブイスラム国家の人達を象徴しているらしい。 実は、例の9.11テロが起こったとき、私は思わず上記の本を改めて読み返したのだ。 ”北の王”の一つというのをアメリカと置き換えるとまさにピッタリ予言があてはまってしまうのだ。 実際アメリカは、軍事力と経済力で世界を牛耳り、過去に多くのものを踏みにじってきたし、”南の王”が彼に 挑戦というのはまさしく9.11テロのことといってよい。 そうして、アメリカはアフガニスタン、イラクと次々とイスラム諸国を軍事攻撃を始めている。 まさか、現実にここまで来てしまうとは思わなかった。更には、イラクの次には、イランかシリアを攻撃すると まで囁かれている昨今である。シリアと言えば、湾岸戦争のときイラクを批判してアメリカ側に立った国である。 それが、今回はイラクの政府高官をかくまったとか、イラクから化学兵器が渡ったなどと難癖をつけてシリア攻撃に 踏み切れば、いよいよアメリカの本性がわかるというものだ。事の起こりは9.11テロに対して過剰反応して、 テロを支援している国をこの際すべてぶっ潰してアメリカ流の民主主義を強引に推し進めようというアメリカの自分勝手 な価値観なのだ。

但し、上記で一つ不可思議な点が”麗しい国”が”北の王”に侵略されるという一節である。五島氏によると”麗しい国” とはイスラエル(ダニエルの故郷)を指すらしい。 だとすると、アメリカがイスラエルを攻撃する、という衝撃的な解釈が成り立つのだ。上記”北の王”の解釈は、 ロシアかEUだろうと考えられてきた。(五島氏は、本書ではEU説を唱えていた。) 実際ロシアでは極右のジリノフスキーが我々は実際中東へ侵攻するなどと言って一時注目されたがいつのまにか存在が 薄れてしまった。EU諸国でもネオナチが暴れたことがあったが、大した事にはならなかった。ということはどうやら、 アメリカの大統領2世のボンクラ息子が犯人であるらしい。

現在の国際情勢では、アメリカがイスラエルを攻撃することなど有り得ない。 だが、よく考えてみると今のイラクだってイランイラク戦争時には、アメリカは支援していたのだ。 アフガニスタンのタリバン政権だって昔はソ連との対抗上支援していたのだ。 イスラエルにしたって実はアラブ諸国との対抗上支援しているに過ぎない。 イラン、イラク、シリア、更にはエジプトなどアラブの強国を滅ぼしてしまうということであれば、イスラエルも 御用済である。なんらかの理由をつけてイスラエルに戦争を仕掛けても少しもおかしくない。そのときは、アメリカ 国内も一気に反ユダヤに変貌してしまうのだろう。

こうした米英とアラブ諸国の対立の根本要因は、イスラエル問題があることは確かに間違いない。 実際今回のイラク攻撃も、国際ユダヤ組織やイスラエルの陰謀なのだと考えている人も多い。 だが、そんな簡単ではない。 そもそもイスラエルという国は、ユダヤ人がアラブ人から武力で土地を奪い強引に作った国だと思っている方が多いが それは少々違う。第2次世界大戦直後までパレスチナの地を支配していたのはイギリスでありそのイギリスから、 ナチスから虐殺を辛うじて免れたユダヤ人が譲り受けた土地なのである。(もっとも当初譲り受けた土地以外に 必要以上にアラブの土地を占領しているのも確かだが。) 米英は第2次大戦後、昔のような直接的な植民地支配は止めた。ナチスドイツに迫害されたユダヤ人を憐れみ、国を造らせた。 そして、争いが起こらないように絶えずユダヤ、アラブ間の仲介役と形の上ではなった。 だが実際は、ユダヤ、アラブ双方の力のバランスを取りつつ巧みに中東を支配し続けたのが実態なのだ。 ユダヤ側の方が人口も土地も少ないのでユダヤ側に肩入れする形になっているが、ユダヤを守るとか、中東の安定を、なんて 心から思っていたわけでは決してないのだ。 これまでの欧米諸国の植民地支配、ナチスなどのユダヤ人迫害、第2次世界大戦後の領土の区分けの仕方など、これら 様々な要因を語ることなく、中東問題は語れないのである。単に反ユダヤ的な発想からイスラエルが悪いとか、アラブ人 はテロリストだとかユダヤとアラブの対立ばかりがクローズアップされ、その裏にある根本的要因が今迄あまり問題にされて こなかった。ズバリ諸悪の根源は今迄の米英の中東戦略である。

実際、一番の張本人である米英によってイラク戦争が引き起こされた。 米英の態度がどんどんエスカレートしている傾向にあるのでこのままでは、本当に中東はボロボロになって しまうだろう。 心ある世界の人はそれをストップさせる努力が必要だ。反戦運動はどんどん推進すべきだ。

日本よ。もっと自分達の意見を持て。アメリカの言いなりになるな。もっとイニシアティブを発揮して紛争を自ら 積極的に解決していかなくてはならないのに、アメリカのイラク攻撃支持とはどういうことだ。そんなに戦争がいいか? また、イスラエルもアメリカを信頼しすぎるのは禁物だ。 パレスチナと和解し、平和を築く努力をしないと逆にアメリカに戦争の口実にされる可能性が大だ。無論パレスチナや 周辺アラブ諸国もテロを止める努力をして欲しい。 アメリカ人よ驕るなかれ。 どういう終わり方をするのは定かではないが、どんなに威張って力で世界を支配しようとしても、最後に終わりの時 がくるというのだから。聖書を信じるアメリカ人がこんな愚かな結末をむかえても構わないのだろうか?


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