仲良しの時間
雪だ 沢山の雪だ もうすっかりと降り積もった 雪は空からの贈り物 ランドセル置いて子供たちが 一目散に外に駈け出した 楽しくてしょうが無いらしい ずっと空を見ながら笑っている どんどんと雪よ降れ 止むこともなく雪よ降れと すべてが白く塗りつぶされる 皆が世界の王様になって 雪は降った傍から 子供たちの手の中に 雪の弾として投げられて 雪だるまに固められ 日が暮れるまでの歓声は 雪の中では不思議と静かな 白と黒との夢物語 誰もが笑っている手の感覚だけが冷たい 日が暮れるまでのわずかな時間 雪とぶつかる押しくらまんじゅう 心も温かくポカポカとなって 子供たちは尚更に和気あいあいと 雪がくれた仲良しの時間 いつまでも続けばいいのに この温かな気持ち忘れてないで このまま仲良くいたいのに 雪の助けがなくとも どうすればいつまでも 笑っていられるのだろう 仲良くしていられるのだろう 大人も雪見酒だとお酒を飲んで 楽しくて笑っているように見せて 心の底には雪が降っているようだった 寒くてとても寂しかった