風のささやき

春の雨

上手く行かないことだらけ
心も不貞腐れて
すっかりと汚れた気分だ
体もどこかぎこちなく固い

優しく降っている春の雨
温かくて澄んでいる
大きな人の目から零れた
いく粒もの涙の温もりのようだ

まずは指先から
この雨に体を洗おう
そうして髪の毛の一本まで
子供たちが傘もなく遊ぶように
楽しそうに笑って

あれはきっと綺麗になるための
大切な儀式なのだ
大人たちはすっかりと忘れてしまった