誕生日
毎日が当たり前のこととして過ぎて行く 君たちがそこにいる風景 笑ったり喧嘩したり総じては楽しく 寒い季節に手をつないだら温かくて 僕の一年の半分が無為として 君たちの一年はどれ程に満ちていることか いつの間にか覚えた色々な知識 出来ることも増えて それに驚かされたりもして いつの間にか親や兄弟を思いやる そんな心も育んだりをして 複雑な思いに自分でも戸惑い 子供の好奇心と大人への憧れとの間に 揺れ動きながら 二つの手のひらの上に 乗るほどの大きさだった君たちが 背を伸ばし背負うともう重くて 自分の言葉で友と語らい 智慧と慈しみを身につけていく それは思えば不思議な驚きで その驚きを忘れさせていくのが 慌ただしい日常であるのならば 一年に一度ぐらいは君たちが 生まれてきたことに感謝する日があっても良い どこまでも転げ落ちそうな坂道 心の転落 押し上げてくれる 君たちの透明な手を背中に感じている それに思い至っている誕生日