風のささやき

林檎

林檎色の頬の子供
寒くなりますますと色づいて
その甘い頬かじる

こそばゆくて笑う
その表情は小さな頃の
自分を見るようで

もう一度自分は
やり直しているのかな
この子の生に自分を重ね見ながら

剥いた傍から
林檎を口に頬張る子の
真っ赤な頬

豊かに熟れ行くことをと
呟いているこれもまた
一つの祈りではあるか