歌いながら
いつでも途中 中途半端と思い続けて 終わりまで未完の僕なのかな 夕暮れ時には むせび泣くような 赤い夕日を肩から浴びて 思いもこの身も日々に頼りなく 中途半端では なくなることを夢みてあがく 歌はそこにある 誰かに教わったわけではない 歌われたい歌が心に湧いて 哀しくも嬉しくも 歌は僕そのもので 果ての見えない旅路を 歌いながらゆくだろう すすきも身を倒す 茫々とした風に吹かれ 髪を乱し 心挫く風景も沢山あった 時折は歯噛みしながら やり直せない後悔も歌の調べに加え 力づけてくれる風景はそれ以上にあった 銀色の川の瀬は春に流れた 夏空の山の峰に入道雲が湧いた 数珠玉のように光る 優しい人の思いは首に下げ いつしか念仏のように 繰り返し 繰り返し 歌う 偽りのない僕の歌であるか 自分の声に耳を傾ける 心地良く吹く風を この指に止まれ と募り この世の光を集めたい 朗々と歌いたい 星に導かれもして 波の音色を新たな旋律と加え 高らかに心を歌っていたい