風に
僕の腕を引きどこかへと誘う風よ 今さら何処へ連れて行こうとする そんな無邪気なふうに 僕の腕にからみついてきて 楽しいよ確かに腕を引かれるがまま このまま歩き出してしまえれば けれど僕が今さら何処へ行ける それに僕が憧れる場所は遠いよ もしかするとこの世には 無いのかもしれないと 薄々と感づいてさえいるから もう行けるはずがないじゃないか こんなにもこの場所に 僕をつなぎとめる物も増えたから だから今ここで腕を離すね とても残念だけれど そこにはほら子供が 僕と手をつなごうとして 待っているから