風のささやき

悲鳴をなぞる

君は
その悲鳴を聞くか

胸の中で異物が
牙をむき暴れる

君は
その痛みを感じるか

けずられる心
ささくれ立つ言葉

のしかかる
のっぺりとした日々に
鼻も口も塞がれて

見開いた目は無防備に
疲れ滲んだ顔が
折り重なり
棘のように刺さる

足元に落ちてゆく
底のない闇へ
逆さの頭の奥に
騒音が渦巻く

頬に伝わる涙だけが
青空をかすかに
覚えている

研ぎ澄まされた
鋭利な心をナイフに
指先を鉛筆に
白い骨を細く尖らせる

その悲鳴を
強い筆致に書きこむ

ここにいる僕を
描きだそうとして

心は削られて、痛みを悲鳴とし。Last Updated 2026/03

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