風のささやき

ことごとく姿あるもの散りゆける夢みし身さえ泡沫の涙

年を重ねるごとに
全てが移ろうものであるとの
実感が強くなります

大切に思っていたことにも
こだわりをなくし
この身からすべてが
急ぎ離れようとします

小さな頃の夢のかけらも
どれぐらい自分に残っているか

また巡り合えた桜も
うたかたの夢のように散ります

春風を握り込んだ
手のひらには
何もないのだと
まざまざと眺めます

すべてが移ろってゆき。#2015 春に

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