風のささやき

卒業のほころぶ胸をつくろって欅並木を友と春ゆく

卒業は
慣れ親しんだ人との別れでもあり
新しい生活を始める一歩でもあります

そのざわめきは
春に似つかわしい
甘い感傷に思われます

そんな卒業も
年をとれば気恥ずかしく
照れ笑いで包み隠してしまうもの

卒業生の声で賑わう欅並木を
僕も友人と笑い歩きました

胸のうちには
かすかなほころびを
感じながら

卒業の日の淡い哀しみを繕いながら。 #2003 春に

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