風のささやき

Shimbo氏、ホタテ職人になる。ホタテのことならお任せね

 先日、Shimbo妻の実家に遊びに行った時のこと。贈り物で大量の殻つきのホタテが送られてきたのだという。箱を開けると、まだ活きも良く、ちょっと触ると蓋を閉めるほど。これは素晴らしいということで、眺めていると、ホタテを使ったレシピとホタテの処理に使うホタテヘラが入っていたのだという。そのステンレス製のホタテヘラを手にしたShimbo氏。とても手に馴染んで、昔から使っている道具のような感覚を覚えたのだという。

 その日からしばらく、ホタテを主食とする生活が始まった。ホタテのフライ、バター焼き、刺身、炊き込みご飯などなど。そのたびごとに、殻付きのホタテを処理しなければいけなかったが、もちろん、その作業はShimbo氏に全権委任されていた。ホタテヘラを手に、ホタテの貝殻を握り閉めたShimbo氏。最初は要領がつかめず、説明書を見ながらの作業。「まずは、ホタテの貝柱を剥がす様にヘラを入れると」と呟きながらヘラを入れると、いきなりホタテが凄まじい勢いで貝を閉じたのだという。それに驚いたShimbo氏。ホタテを落として、後ずさりさえしたほどたった。
 しばらくは呆然とホタテを眺めていたShimbo氏だが、再度、ホタテヘラを手に、ホタテに向かって行ったのだという。唇は緊張で紫になり、肩には変な力が入っていたのだという。「頑張って」という皆からの声援を受けて、何とかホタテを一つ、処理したというShimbo氏。その左手に、いま捌いたばかりのホタテの貝柱を乗せ、「どうですか、お客さん」と皆に見せびらかしたのだという。
 何個か処理をしているうちにだんだんと手馴れてきたというShimbo氏。そのうち、へらず口もたたくようになったのだという。「俺がやってよかったよ。皆にやらせていたら、指の二、三本は千切られていたね」

 それからというもの、三食ごとに、ホタテの殻を剥いていたというShimbo氏。だんだんとその芸もエスカレートして、口笛を吹きながら、時には目隠しをしながらホタテヘラを使っていたのだという。それに見かねたShimbo妻が「いいから、そんなアクロバティックなことしなくて」と言うと、激高したというShimbo氏。「あきまへん。職人はな、お客さんに楽しんでいただいて何ぼのもんじゃからね」と言い放つと、そのうち火の輪をくぐりならが、殻をむくんだと宣言したのだという。

 毎日のようにホタテを食べさせられて、食傷気味の周りの様子に気づかず、一人浮かれていたShimbo氏。中途半端な職人気質には鉄槌をというのが、ハーブたちからShimbo妻へのアドバイスだったのだという。

今週のおまけ

ホタテの次は僕らじゃないよね、Shimbo氏!