畑は大盛況! 作物万歳! 除くShimbo畑
その日、Shimbo氏は、眠い目をこすり早起きをしてバスに乗り込んだという。目指すは、Shimbo妻の実家。例年の盆野球に参加するためだ。もっとも、今年はさらに、Shimbo畑の手入れが加わった。
Shimbo畑については、それまでにも何枚かの写真が送られてきていた。しかし、どの写真を見てもShimbo畑がどんな状態なのかわからず、謎は深まるばかりだった。猫のトイレになっているとか、種の巻き方が悪かったので芽が出なかったとか、UFOが降りてきてミステリーサークルを作ったとか、様々な説が流れていた。ここは一つ、自分の目で確かめなければと、心に堅く決めていたというShimbo氏だった。
Shimbo妻の実家に到着するなり、Shimbo畑を観察しに行ったというShimbo氏。確かにそこは謎の空間だった。ラベンダーを植えたところからは、見たこともない2メートル以上もある雑草が生え、隣に植えられたひまわりを圧倒していた。
奇妙な節々が伸びている茂みがあると思ったら、それは大きくなりすぎたパセリ。まるで遺伝子操作をされたようだったという。
何とか芽を出していたハーブは、タイム、レモンバーム、カモミール、セージの四種。タイムは、サザエさんの波平さんの毛のような芽があちらこちらから伸びているだけ。カモミールに至ってはもう枯れており、異臭を発していたという。
「まるで、夢の島ね」というShimbo妻の言葉に、返す言葉も無く立ちすくんでいたというShimbo氏。夢もここまで見事に破れると、唖然とするばかりで、涙も流れなかったのだという。
もっとも、ハーブ以外は順調に育っていたというShimbo畑。韓国産の唐辛子やしし唐、ミニトマトやヤーコンは立派な実をつけていたのだという。
ということで、ジャンボに育った青唐辛子を早速収穫して、食卓に並べたShimbo氏。「韓国の唐辛子って、実は日本の唐辛子よりも甘味が強いんだってさ」などと薀蓄をたれ、皆に食べるように薦めたのだという。Shimbo氏の言葉につられて、青唐辛子を食べる面々。ところが、青唐辛子を口にした瞬間、皆が一瞬黙り込んだかと思うとShimbo氏への非難の嵐。「何これ。こんな辛いの初めて。口の中が痛いのをなんとかしてよ。」とか「なんかすごい嫌な気分になった。もう生きているものも嫌になった」とか、「こんなもの作る意味無し!」と散々だったという。結論は「やっぱ、Shimbo畑は駄目ね」と、落ち着くところに落ち着いたのだという。
Shimbo妻の実家ではすっかりと小さくなって過ごしていたShimbo氏であったが、家に帰ってくると「まあ、一年目はあんなもんだよな。すべてがいい勉強だと思って受け入れるよ」とハーブたちに告げたのだという。Shimbo氏の厚顔無恥さに、呆れるばかりのハーブたちであった。
今週のおまけ
どんなに餌がなくても、Shimbo畑だけはね~