夏 動物
鳥
虫
残る蝉夕映え全部の寂しさよ
季語:残る蝉過ぎし日は声も遥かで蝉涼し
季語:蝉夏の蝶追う子しつこき鬼ごっこ
季語:夏の蝶指のぼれ水路に回る天道虫
季語:天道虫油蝉鳴くは脳裏か焦げている
季語:蝉餌をやる係は三歳かぶと虫
季語:かぶと虫尺蠖や小枝にリング結びおり
季語:尺蠖お互いに逃げる天道子供の手
季語:天道虫蝉時雨引き潮遠く去るごとし
季語:蝉時雨高熱の夢や攻め入る蝉つぶて
季語:蝉つぶてボタボタと焼かれて蝉も落ち逝かん
季語:蝉人知らぬ清流の使者川蜻蛉
季語:川蜻蛉川とんぼ金の瀬縫い継ぐ裁縫士
季語:川とんぼ雨降りや飛び出すなちび蝸牛
季語:蝸牛何憂う苦行の果ての干しみみず
季語:みみず蝸牛我が物顔や雨歩道
季語:蝸牛水馬が滑る用水路の上の雲
季語:水馬昼寝時嫌われに来る黒き蝿
季語:蠅生き急ぐ蝉のいばりや青き空
季語:蝉迷い蛾に手元あやうき読書かな
季語:蛾暗き夜に航路を曳くや蚊の羽音
季語:蚊命尽く時を知ってか夜の蝉
季語:蝉空蝉やベル押す間もなく旅の空
季語:空蝉降り続く雨の切れ間は蝉時雨
季語:蝉時雨蝉時雨声なきものの高ぶりに
季語:蝉時雨蝉の声過ぎ去りし日のそのままに
季語:蝉蟻仰山歩きにくくて大地かな
季語:蟻