風のささやき

春雨か口ずさんでる歌一つ

その夜は一人で
街の通りを歩いていました

何故か少し寂しい気分を覚えて
ふと頭に浮かんだ好きな歌のフレーズを
口ずさみながら歩いていました

一人きりだなと思うような瞬間でも
歌のフレーズは自分につき従って
励ましてくれます

その歌に慰められながら
僕は足を進めて

やがてポツポツと感じられていた
春の雨が冷たくも無く頬を濡らし始める頃には
雨の音に紛れるだろうと
少し声にしていました