東三洞貝塚は韓国南海岸にある。今夏釜山市立博物館により調査された
まだ完全に埋め戻されておらず、貝層の断面が見えている
貝はマガキなど。貝輪の破片も見えるかもしれない
釜山広域市立博物館福泉分館で装飾品の特別展が開かれていた。新石器時代のコーナーには東三洞貝塚の最新出土品も多く展示されている。韓国で出土した唯二つのケツ状耳飾も展示されている。右は以前から知られていた沙村里遺跡例、左は東三洞の最新出土例
東三洞例は肉厚で、縄紋文化ならば前期前半までのものに類似している
鮫の椎骨を利用した中・小形の耳飾と、それを模したような形態の大形土製耳飾
貝輪は2千点以上出土したという。未製品も多く、製作遺跡である
展示見学後、整理中の遺物を見せていただいた。
中央が調査担当者の河仁秀(ハ・インス)さん
地元の土器に混じって、九州から持ち込まれた縄紋土器も出土している
巨大な鮑の貝殻
石鏃の大部分は佐賀県腰岳産の黒曜石で作られている
土製円形耳飾。同心円文は、鮫の椎骨の外見を模したように見える(河さん談)
ちゃんと耳たぶに填めるようにできている。
土製耳飾が大形のみなのは南九州早期後葉の平栫・塞ノ神文化と類似している
韓国新石器時代晩期の土器。折り返し状の口縁で、胴部の文様は乏しい
韓国新石器時代中期の土器。南東地域では太い沈線による充填斜線文が盛行する
中期の土器は大形で、断面も非常に厚いものが多い
内外面を赤彩した土器
輪積成形時の指頭痕を装飾として残す土器
韓国新石器時代早期の土器。粘土紐の貼り付けによる装飾を持つ
西日本縄紋前期前葉の轟B式土器と相互影響関係があるとされている
隆起文土器の底部。丸底にドーナツ形の台をつけて平底にしている
以下、ソウルの国立中央博物館展示品。これは猪(豚)状の土製品
土偶は小形で無紋
済州島高山里遺跡出土遺物は縄紋草創期の土器・石器に類似する
小形有茎尖頭器と大形石鏃の組み合わせは、関東だと隆起線文土器後半に見られる
土器は無紋平底で、素地に太目の繊維が混入する
常設展示には日本語と中国語の解説文も置かれていた
今回の旅の参加者20名+ガイドさん。背景は国立金海博物館