エントリーシートの書き方

1)空白はつくらない
   書くところは全て書きましょう
2)最も大切なのは志望理由
   企業の採用担当にアンケートした結果では、求めるものは、チャレンジ精神と問題解決能力です。つまり、人から言われたことだけをやる人は駄目、自ら動く人が必要です。それに同じ人はいらない。他人と違う発想がある人で無ければ意味がないのです。
   これらが分かるようにエントリーシートは書きます。
   志望理由を書くときは、その会社の特徴と、自分が会社でやりたいこと、できることを一致させます。
   例えば、サントリーを取り上げましょう。この会社は、大阪の会社で、常に新分野を拓いている会社です。60年代にそれまで3社が独占していたビールの製造を開始し、昨年には新しいタイプの発泡酒で成功しています。もし、ここに応募するのでしたら、自分もこれまでだれもやらなかったことに数多くチャレンジしたことを強調します。
   書面試験でいくつかの問題から選択をすることがよくあります。このときは一番難しいのを選びます。難問に挑戦したことを評価するのです。回答は、そんなに細かく見ません。時間がありませんから。


面接の達人(?)

   まずずばり、「面接の達人」に書いてあるとおりやってはだめです。企業が最も嫌うのは人真似をする人達です。他の人とどこが違うのか、そこを強調するのが面接の極意です。
   最近の学生さんを見ていると、これが一番苦手なのですね。小学校の頃から、他の人と違ったことをして目立つとイジメに会うと考えるのか、とにかく個性が無い人ばかりになりました。企業では同じ人は2人はいらないのです。これを基本に面接に望んでください。
   面接で大切なことは、自分をさらけ出すことを恐れないことです。採用する側は、この人が会社でどんな風に働くかを知りたいのですから、本音を言わない人は、気味が悪いので最初から敬遠します。『自分らしさを正直に出す』これが面接の達人です。

1)受け答えは大きな声で元気良く
   面接をする人はおじさんです。もう耳が遠くなっています。いつもより一段大きな声を出します。
   若い女性の武器は元気です。鏡に向かって笑顔の練習をしましょう。
   服装やメークはほとんど気にすることはありません。採用を決めるのは、その場ではなく、終わってから何人かで話合って書類を見ながら決めていくので、服装のことなど忘れています。
2)一言多く答える
   質問があったら、回答は一言多く答えるのがコツです。
   例えば、「得意な科目は」、と聞かれたら、ただ「数学です」、と答えるのではなく「筋道を立てて物を考えるのが好きなので数学です」と答えます。
3)次の質問を予想して答える
   ひとつ質問があって、回答があると、それについて質問されます。常に一つ先の質問を予想して回答します。
   例、「卒論は大変かね」に「大変です」と答えれば、かならず「どこが大変かね」と質問されます。答えながら次の質問を予想して心の準備をすれば、打てば響くような受け答えができます。
4)3)と関係しますが、予想される質問には準備をおこたらない
   例えば、「どんな仕事をしたいのかね」という質問に「新商品の開発です」と答えれば
当然、次の質問が矢継ぎ早にきます。「新商品開発に必要なスキルは何だと思う」「そのスキルは君はもっているのかね」「ではうちの製品の新製品として何かアイディアを出してくれ」
   これらにスムーズに答える必要があります。付け焼刃ではすぐにボロを出します。
5)分からないことははっきり分かりませんという
   知らないことははっきり知りませんと答える。
   例えば「うちの社長の名前は」に知らなかったら「申し訳ありませんが存じ上げません(敬語を忘れずに、間違っても『知りません』とはいわないように)。後程パンフレットをよく読ませていただきます」と答えればよいです。だまって「エーっ」、などといわないように。
6)答えにくい質問には、話を大きくして正論で答える
   例えば、「生活科学部って家政学部だろ、うちはお嬢さまはいらないよ」と言われたら、「大学は、豊かな教養と幅広い人間性を身につけるところと認識しています。生活科学を学ぶことで人間生活に必要な教養を得ましたし、大学生活を通じて、多くのことを学びました。また合間に、英会話や情報処理のスキルも身につけました」というように答えます。

追加(3月13日)
7)話は肯定形で話をして、否定形で話をしない
    例えば、「英語はできるかね」と言われたら、「できません」とは答えず、「少しできます」と肯定形で答えます。
    これは、接客業では常識で、例えば、「コーヒーはないかね」と注文を受けたとき、「ありません」とは答えず、「紅茶がございます」と答えます。普段でもそうですよね。やれ暑い、やれ寒い、やれお腹がすいたなどしょっちゅう文句をいう人がいますが、みんなに嫌われますよね。いつも気持ちを前向きにしていれば話も肯定的になります。

8)語尾上げことばを言わない
    最近、話の最後の語尾を上げる人がいます。ご飯↑、5時に食べた↑ など聞き苦しいので止めましょう。何で語尾上げになるかというと、言葉の最後を体言(名詞など)止めにするからです。必ず動詞で終わらせれば語尾上げになりません。

ただしく美しい言葉の見本は、NHKのニュースのことばです。
毎日、NHKニュースは聞きましょう。

   エントリーシートの書き方で分からないことがあったり、面接で困ったことなどありましたら、相談にきてください。


NEW(4月2日補足)FQA(よくある質問)

学生さんからメールで来た質問で、共通性がありそうなものを解説します(差し支えない範囲で脚色してあります)

Q 「遊園地を知らない外国人に説明するにはどうしたらよいか」「どうせ汚れるのだから掃除してもしょうがない、という人に掃除をさせるにはどうしたらよいか」という質問項目は、何を聞こうとしているのでしょうか。
A 論理的に説明できるかどうかの能力を見るための質問です。物を説明するには、起承転結が必要です。起は、出だしで、承はそれについて説明し、転は別の見方を説明し、結で結論を述べる、です。
「遊園地」でしたら、人々が、家庭の外で憩う場所で、公園と異なるのは管理者がいることと、遊具があることである。遊具はとくに動力を用いることが特徴で、そのために動力機関が発達した近世になって生成した。日本でも明治以降である。・・・ というようなことでしょう。

Q 卒論はまだ課題が決まっただけですので、面接で内容を聞かれたら、「まだ始めていません」でいいのでしょうか。
A それはまずいです。課題が決まったら、自ら、それについて勉強をするものと見なされていますから、まだ始めていませんでは積極性に欠けると判断されます。課題について少しでも本で調べて、その知識を拓け出してこんなことをこれからやる予定ですとこたえましょう。

NEW(4月2日)
Q 面接でなかなかうまく表現できません。何かよい上達法はありませんか。
A まず、ひとつの方法は、普段から論理立てて物をしゃべる訓練をします。例えば、電車に乗ったら、やたらと携帯電話で大きな声を出している人がいた。これを止めさせるにはどうしたらよいか考えます。
例えば、小学校からの教育をやり直す、法律を作って、厳罰にする、
道徳ボランティアみたいな人達をつくって、注意してまわる、などを、その考えに至った理由まで考える。これは、ディベート(討論)の訓練法です。
 別の方法は、まず、作文をします。題材は、自分の自慢できること、でよいでしょう。これを3回くらい書きます。つぎに、これを声を出して読みます。2,3度読んだら、今度は、紙を見ないで話します。
 これは、どういうことかというと、ぶっつけ本番で話しをするとき、人は口語体になります。ところが、一度紙に書いたものをしゃべると文語体になります。聞く人にとって、同じ内容でも文語体だと説得力があります。NHKのニュースがもっともらしく聞こえるのは、文語体でしゃべっているからです。
 こうやって、訓練すると、始めての話でも、頭の中で、一度文章が書けて、それを口に出せるようになります。するとそのことばは文語体でとっても論理的に聞こえます。