中華人民共和国/内モンゴル自治区

内モンゴル自治区フォロンバイル草原の旅

(2)草原風情

Naimenggu-hulunbeier
(2009.6.6〜6.14)


2009年6月ノモンハン事変70年を迎えるということもあってノモンハンに行く内モンゴル自治区の旅行ツアーに興味をもった。内モンゴル自治区に行くのは初めてでわくわくして行きました。


内モンゴル自治区
面積118.3万平方キロメートル、人口2361.7万人、人口の約半数がモンゴル族が展開している。


ホロンバイル
今回訪れたホロンバイル地区は内モンゴル自治区の最東に位置する。ホロンバイルの名は草原にある二つの湖、ホロン湖とバイル湖に由来してる。モンゴルの言葉でホロンはカワウソを意味しホロンバイルとはオスのカワウソである。


草原風情


空は高く青い
大昔、この大地をマンモスが闊歩していたのだ


森が生まれ
さまざまな動物が生息した


草原は真珠のような湖を創った

(ホロン湖)


やがて人が住み


森で生活するようになった


ひとは駱駝に荷の運搬の役割を与え
(毛が生え変わる時期)


馬は移動の役割を得た


羊はひとに生活の糧を与え続けた


なかでも馬と羊は大切である

(騎馬で羊を追うモンゴル人)


牧草は芝生のようにびっしりと地面に生えているのではない
隙間があり大地は肥沃ではなさそうだ

(これは草原の葱である)
(と話したゲルで生れ育ったガイドの白さんはこれを食していたそうだ)


やがて牛も仲間に組み入れられた
(モンゴル牛である・・でかい)
(たくさん牧草がいるみたいだ)


草原の生活
ゲルの大きさは円周で30歩ほどであった
ゲルの生活を覗いてみよう

テントの真中にストーブの煙突が突き出ている
(草原の寒さは厳しい)
夫婦二人が住む、仲間は犬と馬だ
(息子は学校の寄宿舎で生活し不在)
まわりにオートバイと二台の荷馬車、風力発電装置やテレビアンテナがある

(夫のゲイさんと婦人のゴルさんはモンゴル服(デール)をまとってくれた)


ゲルのなかに入る

貴重品が入るトランクを重ねたうえに息子の写真
(格子と布の模様が部屋の雰囲気を整える)
(白さんが持つたものは家畜におす卍の焼印)


トランクの隣には

時計、テレビがあり、その下に風力発電システムがある
(時計は6月11日の午前11時28分)
風からもらったエネルギーはバッテリーに蓄えられる


二口のガス台があり中華なべと蒸し器がのっている
(饅頭を蒸かしたり、羊肉を炒めたりする姿が目に見えるようだ)
脇にはプロバンのボンベが置いてある
(ゲルの生活は快適であるかも)


バケツに集めた馬糞

(馬糞はストーブの燃料として用いられているようだ)
(乾燥した馬糞は思ったよりよく燃える)


集落
ひとは集まってやがて階層的な社会を形成した

大空に部族の旗をあげる
(風は止むことがなく旗はちぎれるまでたなびく)


明り取りの文様

(空をあらわしているそうである)


偉大な指導者ハーンがうまれた

(今でも神として崇められている)


神の使いは神命を授かる

(シャーマンの装束)


軍事力をもった強力な集団となる

(ユーラシアを席捲した騎馬軍団の武器)


草原に鳴り響くホルンの音

(戦いの始まりを告げたのであろうか)
(試してみたらトロンボーンより容易く音が出た)


車輪のついたゲルでユーラシア大陸を席捲した


遠征した兵士を慰めたのは?
草原に響き渡る馬頭琴の音だったろうか

(奏者のチョロさん)
(曲目は「万馬の轟き」「草原情歌」「モンゴル人」)


あるいは相撲の観戦であったかも知れない

(モンゴル相撲にも行司がいる)


強さが草原魂の根幹を成す

(土俵がなく勝負に押し出しはない)
(相手を倒して勝負がつく)


部族を統一せしめる神霊は丘に降臨する

(丘の上に祭壇が設けられている)


オボという石積みの祭壇

(張られた綱に布片が結ばれタルチョのようにはためく)
(ひとは右に三回巡って祈祷する)


オボのほかに仏塔があった

(ラマ教)
(草原にブッタの教えも届いていたのだ)


草原を分断してを高速道路がはしる

(道路の下に地下道が設けられている)
(馬や羊は地下道を通って横断するのである)


大草原を見ていると遊牧民は羊を追ってどこにでも自由に移動できるように思えるが、広大な草原もよく見ると杭が打たれ広大な囲みができていていることがわかる。遊牧民が自由に草原を移動できるような時代はもう終わってしまっているのかも知れない。ガイドの白さんは昔に比べて羊も牛も多くなって草原のキャパシティーを越えているのではないだろうかと心配していた。

内モンゴル自治区ホロンバイル草原の旅

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