登山口から迷ったりして

 単独行、しかものんびり登山派の私としては、安全のため人気のない山には行かないようにしています。北アルプスのように有名な山域だとアプローチから案内板もきちんと整備されているし、他の登山者も多いので、3000m級といえども、いやかえって3000m級だからこそ夏山ではまず迷うことはありません。
 単独行にとって危険なのはあまり人が登らない藪コギを強いられるような山です。ワンゲルなんかの合宿や訓練に使われる場合がよくあるそうですが、枝にビニルテープがまいてあってもそれが正しいかどうか怪しい場合もあり、標高が低くても結構行方不明者が出ている山もあります。のんびり登山派としては、そんな山は、はじめから避けて通るべきでしょう。だいたい、汗に額して藪コギするような山って登って楽しくないもんね。

 ただ、このように慎重に安全な山域を選んだとしても、自然観察派には思わぬ落とし穴が待っています。それは観察に熱中しすぎて正規の登山道をついついはずれてしまうということです。これは私のようなバードウォッチャーが最も要注意でありまして、なんべん痛い目に遭ってもついつい同じ間違いを繰り返してしまいます。野鳥の鳴き声につられてどんどん道をはずれ奥の方に入り込んでしまうんですね。これは自分の身の安全ということもありますが、登山道以外の地表を硬いビムラム底の登山靴で踏みにじるということは自然保護の観点からもよろしくありません。厳に慎みましょう。

 しかし道に迷う心配があるのは、山の中だけではありません。それ以前の問題、つまり登山口がどこかわからないという場合もよくあります。
 私が住む阪神地方には六甲山系という低山ハイクにうってつけの山があります。特に神戸あたりは山と海が接近しているので、駅に降りたらすぐ坂道で、そのまま山に向かって登りが始まります。ところが、始末が悪いことにほとんどの場合、駅から山までの間が急な坂ながら住宅地なのであります。ですから、山の地図以前に、そのへんの住宅表示図や町内会掲示板を見ないと、登山口まで辿りつけないことがしばしばです。わからなくなったら、そのへんの人に聞けばいいのですが、高級住宅街だとほとんどの家が立派な門構えでSECOMのシールが貼ってあったりして、ちょっと気軽に聞ける雰囲気ではないとこもあります。

 登山口まで住宅街というのは珍しくないのですが、六甲全山縦走路の中には、途中で突然住宅街や商店街が現れるところもあります。昔あった山をそっくり削りとってポートアイランドの埋め立てに使ってしまったようですが、まあ、こういうところではもし迷ったりしても遭難することは絶対ないでしょうね。

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