夏の山旅迷走記


表銀座からなぜか八ヶ岳の巻 1990.8.14〜8.19

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8/14(曇り後雨)

 前夜夜行バスで大阪駅前から出発。
JR松本駅4:00着松本=(大糸線)=穂高=(バス)=中房温泉 と乗り継いでいざ、出発。
 初めの計画では、今日は燕山荘までにして、明日以降は表銀座から槍ヶ岳、そこから西鎌尾根を通って雲の平、高天原温泉に行き、最後は折立に下る、というものだ。しかし、夜行明けの寝不足で、途中のベンチで休憩してる間にもまぶたが重くなる。合戦小屋のスイカが実にうまかったなあ。だんだん天気が悪くなってきてイヤな感じ。

  燕山荘10:30着 、もう、眠くて眠くてしかたがない。小屋のお兄ちゃんに無理を言って早めに部屋を決めてもらい、即ふとんをしいて お昼寝 。うーん、極楽、極楽。外は、予想通り、早くもガスと雨。
 
 雨が一時やんだので、 15:00頃、燕岳、北燕岳を往復 。花崗岩が作り出す不思議な造形美がすばらしい。コマクサの群落も見られたが、景色は、ガスのため全くダメ。雨もすぐに降り出す。前に来たときも、雨だったから、このへんの風景の写真はまだ撮ったことがない。一応、コマクサの写真だけでも撮っておく。 (燕山荘泊)

8/15(雨)

燕山荘6:30−−大天井岳−−西岳−−15:30槍岳山荘着
 だいたいこのコースは、常に槍が岳の姿を正面に見ながら縦走できるのがウリのはずだが、出発時はもちろんのこと、槍の肩に到着してからも、とうとう丸一日槍の姿は見えずじまいだった。私は今までガスの中の槍しか知らない。私は槍とよほど相性が悪いらしい。

 この日は、1日中雨とガスと強風で、体中びしょぬれ。ゴアテックスもくそも関係ない。しかも、稜線上だから、風がかなわん。岩稜帯を越えるときなんか突風で飛ばされそうになった。幸い体は飛ばされんかったけど、(山に行っても、体重が減らない!なぜだ)身代りに帽子が飛ばされて、はるか眼下の天上沢に吸い込まれて行った。今ごろ猿が拾ってかぶってるのかな。(今まで知らなかったけど、槍が岳付近には、猿がいたのだ。)

 しかし、雨のおかげで、いい思いもした。この日はなぜか、鳥がやたら登山道に出てきてくれたのだ。おかげで、肉眼でばっちりバードウォッチングができちゃった。ライチョウなんか、しばらく登山道を先導してくれたぐらいだ。雷鳥という名前の由来からして天気の悪いときの鳥らしいけどね。

 もうひとつ発見したのは、天候が悪いときの方が、コースタイムが速いってことね。そりゃ、雨の中、寄り道や休憩もあんまりできないし、とぼとぼ歩き続けるしかないもんね。逆にいえば、ふだんは、いかに寄り道や大休止が多いかがわかった。いっぺんお店ひろげてやれラーメン、やれコーヒーとやり始めたら1時間は軽く飛んでしまうし、鳥が出てきたり、花の写真を撮ろうとした日にゃ、全く先に進めなくなってしまう。しかし、わたしとしては、コースタイムがはかどるよりも、のんびり寄り道しながら歩く方がずっと好きなのだが。 (槍岳山荘泊)

 

8/16(雨)

 今日も朝から雨。雲の平方面は、さらに天気が悪くなる見込みということで、高天原温泉も、あっさり断念して、今日はひとまず松本まで撤退することにした。いつものことながら、計画はあってないようなその場その場のものだ。それにしても槍からの展望に心が残るので、ガスが晴れるまで待って、槍の穂先に登ることにする。
6:30頃、頂上へ。 ガスもだんだん晴れて、薬師、立山、水晶方面、つまり日本海側がよく見える。これなら、初めの計画通り三俣山荘までは今日に限って言えば行けるかも知れない。しかし、三俣まで行っても、その後、雲の平で、雨や雷雨にあっては何もならない。双六まで行って、後は、そのまま新穂高温泉から帰るという手もあるが、これでは、日程を余らせて帰ることになりもったいない。やはり下山することにした。頂上で1時間近くねばったが、日本海方面、常念方面は見えたものの結局穂高の姿はちらっと見えただけだった。

  8:00頃槍岳山荘出発 、いやーな槍沢を下る。わたしはヒザに爆弾を抱えているので、ダラダラした下り坂は大キライ。ヒザをかばいながら歩くから、時間は登りのコースタイムくらいかかってしまう。
 槍沢のお花畑はさすがに規模が大きい。雪渓では、ごていねいにあずきの缶詰と宇治茶シロップ持参で宇治金時を作っているグループがあった。はっきり言って雪渓の氷は見た目こそバッチイけど、近くに小屋がなければ雑菌はそんなに心配しなくていいみたいだ。でもコンデンスミルクをかけて雪渓の氷を食べて腹痛を起こしたという苦い経験が私にはある。

 案の定、途中で膝を痛めてしまった。痛いヒザをひきずりながら、 16:30上高地着。 長い下りだったなあ。タクシーの相乗りで松本へ。松本−上高地間はボロくて高くて待ち時間の長い松電バスを利用するより、タクシーの相乗りの方が速くて快適、しかも少し安い(一人2500円均一)。
 このタクシーの運ちゃん、やたら愛想がよくて、タクシーの営業所の水をうまいから飲んでけとしきりに言うから飲ませてもらった。確かにうまい。自慢気に言うには、霞沢岳の雪解け水が岩の間を15年かかってくぐり抜けて出てきた岩清水なんだそうな。どうして、15年かかったってことがわかるんだろう。

 この日の宿は、できれば近くの温泉に泊まりたくて電話をかけまくったんだけど、お盆シーズンの真っ最中で、温泉どころか松本市内のビジネスホテルさえ全部満員。結局、よくあるパターンで最後の手段、信州会館に泊まる。ボロいところだが、ま、山小屋のことを思えば、大浴場(松本市街唯一の温泉だそうな)でゆったりくつろげて、個室でゆっくり寝られるんだからよしとしよう。 (松本市内泊)

8/17(曇り後雨)

 本当は早起きして、松本駅から始発に乗り、茅野に向かうはずだった。本当は、今日が美濃戸から赤岳−横岳−硫黄岳−夏沢峠−本沢温泉(泊)と、南八つをまわり、明日が、中山峠から高見石−白駒池−麦草峠−冷山−渋の湯(泊)と北八つをぶらぶら歩いて最後にまた温泉という【計画】のはずであった・・・
・・・・【しかし】起きたら始発なんてとっくに出た後だ。温泉にゆっくり入って体がくつろぎすぎ、寝坊をしてしまったのだ。しかたがない、今日は、本沢温泉にたどり着くだけの行程に軌道修正する。

 八が岳は、アプローチや、コース、小屋もたくさんあり、計画はいくらでも融通がきくから、北アルプスに行って日程が余り、まだ家に帰りたくないときなんか思い付きでつい立ち寄ってしまうことが多い。そのたびに地元の本屋で地図を買うので、我が家には、八が岳の地図だけ3、4部もたまってしまった。

 結局、今日のコースは、 松本駅=(中央線)=小淵沢=(小海線)=小海駅=(バス)=稲子湯−−みどり池−−本沢温泉 というもの。

 この程度のコースなら少々膝が痛くても平気だ。みどり池のしらびそ小屋では以前はかき氷が食べられたんだけど、今年は、名物がこけももヨーグルトに変わっていた。ここは、リスや野鳥が餌場に来ることで有名だけど、わたしが行ったとき来てたのはリスだけだった。

 おなじみ本沢温泉では、例によって露天風呂に入りに行く。温泉につかると気のせいかもしれないが膝の痛みも和らぐようだ。先客はなし、後からライダーがつなぎ服とブーツのままで入りに来た。バイクなら林道を走って直接来ることができるみたいだ。
 露天風呂から出て小屋についた途端にどしゃぶりの夕立ち。同じ部屋の人たちの話では北アだけじゃなくこのあたりも天気が悪かったみたいだ。雨音を聞きつつ明日の天気を心配しながら眠りにつく。 (本沢温泉泊)

 

8/18(晴れ後曇り)

起きてみれば、夜通しの雨がウソみたいにいい天気でラッキー。ということで、本日のコースは、本来は昨日の予定コースの逆コースになった。 本沢温泉−−夏沢峠−−硫黄岳−−横岳−−赤岳−−行者小屋−−美濃戸

 表銀座では稜線歩きといっても雨の中、下を向いてひたすら歩くだけだったが、今日は、いいお天気の稜線漫歩。景色を見ながら実に気分爽快に歩ける。硫黄岳の高山植物園はだいぶ花の時期は終っていたが、シロバナコマクサ(つまりコマクサの花が白いやつね)を見ることができた。
 横岳までは、なんとかいい眺めだったが、赤岳の手前からガスがかかり、赤岳頂上では、南アルプスの山々との対面はお預け、残念。それにしても山の頂上って、何もないほうがいいなあと赤岳に来るとつくづく思う。あの建築物はなんとかならんものか。

 美濃戸で泊まった小松山荘は、とってもすいてたおかげで、真新しい旅館並の個室を一人で占領。食事もジンギスカンに、鹿刺し、ヤマメの塩焼き、野菜サラダ、その他小鉢3品と、今まで粗食が続いただけに感激もの。これで、1泊夕食つき¥5200は安い!!温泉じゃないけど、風呂にもゆっくり入れて極楽気分。風呂はいいなあ。 (小松山荘泊)

8/19

小松山荘−−美濃戸口 間を1時間歩いただけで、予定コース終了。後は交通機関を乗り継いで家に帰るだけ。 美濃戸口=(バス)= JR茅野駅=(中央線)=松本(寄り道)
 後は鈍行列車を乗り継いで(青春18きっぷね)大阪まで、のんびり汽車旅。 松本 ー 大阪 間を約7時間かけて(ずっと座れたよ)帰ってきた。
 全日程を通じて、行動中は天気がもっても、午後は必ずくずれて、結局、夜空は全てダメ。星降る空のかわりに雨が降ってきたんだもんね。天体望遠鏡を備えてた小屋もあったのに残念でした。特に北アはずっと天気が悪いみたいで、雲の平をやめて八ヶ岳に寄り道したのは正解みたいだった。雲の平は、また来年の楽しみにしとこう。        

北アルプスの鳥(中房温泉ー燕岳ー大天井岳ー槍が岳)

亜高山帯

中房温泉ー燕岳

エナガ、シジュウカラ、コガラ、ルリビタキ、ウグイス、メボソムシクイ、コマドリ

槍沢

ルリビタキ、メボソムシクイ、ウグイス、コマドリ、ビンズイ、キセキレイ、カヤクグリ、ツツドリ

上高地

エナガ、シジュウカラ、コガラ、ビンズイ、キセキレイ、キジバト、マガモ、ハシブトガラス

高山帯

縦走路 = 2500ー3000m

ウグイス、メボソムシクイ、ルリビタキ、カヤクグリ、ホシガラス、イワヒバリ、アマツバメ、ライチョウ

八が岳の鳥

残念ながら記録をとっていないので、ウロ覚えだが(北アルプスと記憶がゴッチャになっている)、亜高山帯は、確かカラ類に加えて、ウソが結構いたのが印象に残っている。高山帯は、イワヒバリとアマツバメだけしか見なかった。これは確か。


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