準備しっかり、現地でのんびり

 周りの自然を楽しみながら、急がずのんびり歩こうよというのが、このページの趣旨であります。そのためには、時間的なゆとりと心のゆとり、そして体力的なゆとりが大切です。危険な個所が少ない低山ハイクなら、時間的ゆとりをもって行動すればそんなに心配することはないでしょう。しかし、自然観察にしても山歩きにしても、しばらく続けると、低山ハイクでは物足りなくなり、高い山に挑戦してみたくなるのは自然の成り行きかもしれません。
 そこには、亜高山帯、高山帯に生息する特定の野鳥がいます。お花畑には高山植物が咲き乱れています。そして、雲海を下に見、山なみを両側に見ながらハイマツの間を縫って歩く稜線漫歩の楽しみがあります。山小屋に泊まり、満天の星も見てみたいものです。


 しかし、こういう楽しみがグレードアップすれば、同時に危険性もワンランク上がります。私も亜高山帯の野鳥が見たい、2、3000m級の高山にしか生息しないライチョウを見たいという思いが、北アルプスに挑戦という行動に移らせたのですが、正直言って怖かったです。なにしろ、山登りの経験というものが全くありませんでしたものね。過去、登山部や登山グループに属したこともなく、しかも、まわりに一緒に山登りにつきあってくれる人もいません。これは、かなりつらい状況であります。こういう経験のなさを補うものといえば、徹底的な情報収集、入念な準備、慎重な行動しかありません。これだけしっかり準備してきたんだからまず大丈夫だろうという自信こそが不安をやわらげ、のんびり山歩きの楽しさを増してくれます。十数年前の私と同じように、山登りに挑戦したいんだけど、怖い、不安だという初心者の皆様、以下に述べる30前にして初めて山登りに挑戦した私の体験が少しでも参考になれば幸いであります。

まずは情報収集、お勉強

 実際の自然の中では本で読んだだけでわかったつもりになったことなんて役に立たないことは当たり前でしょうが、やはり基本的な知識は絶対に必要です。私の場合、山と渓谷社のアルペンガイドが頼りでしたが、今はいろんな入門書、ガイドブックがたくさん出ていますし、ビデオもあります。山登りの基本はしっかりお勉強しておきましょう。また、インターネットやパソコン通信のBBSという便利なものもあります。山の状況はどんどん変わっていきますから交通手段もふくめて最新の情報をどんどん仕入れておきましょう。

無理のない計画

 まず、一番初めにどこの山に挑戦するかが問題です。いきなり背伸びはやめて、ここは素直に、ガイドブックで初級者マークがついているところを選ぶのが肝要。私の場合、高い山に登るからには絶対にライチョウが見たいという欲求は譲れませんから、立山に登ろうということは初めから決めていました。ここなら標高2400mの室堂平まで立山黒部アルペンルートの乗り物が連れて行ってくれます。早速該当のアルペンガイド、「立山、剣、雲ノ平」を買ってきました。そこに掲載されていた立山連峰縦走コースというのが星ひとつの初心者マークです。しかし、星一つといえど歩行時間6時間は3000m級山岳初体験、山小屋泊まり初体験の私にはちとキツイものがあります。バードウォッチングガイドによると浄土山でライチョウをよく見ることができるとあるので、室堂平から約2時間の浄土山でライチョウを探し、そこから30分の一の越山荘で山小屋泊まり初体験をすませ、翌朝、そこから1時間で登れる雄山で3000m初体験。そしてそこから縦走しないで引き返してくるというとっても無理のないコースを設定しました。ついでに室堂平に行くバスを途中で降り、弥陀ヶ原から旧道を天狗平まで歩くコースも追加。亜高山帯の鳥見と湿原の高山植物も楽しもうという皮算用です。


コースタイム

ガイドブックや山岳地図には標準コースタイムが載っています。しかし、初心者やのんびり山歩き派はこれに惑わされないこと。これはある程度山慣れたパーティーの休憩時間を含めない所要時間です。これをもとに計画をたててしまうと、実際に歩いた場合予定より遅れてしまい、気が急いて思わぬアクシデントが起こりかねません。のんびり自然観察をしながら歩く場合、コースタイムの2倍の時間を余裕をもってみておきましょう。私の場合、1日の歩行時間は3時間、それ以外は全て観察、ぶらぶら歩き、昼寝、休憩という計画も珍しくありません。時間的ゆとりは絶対必要です。できれば悪天候に見舞われたときも想定して最低1日の予備日もとっておきましょう。

相談相手は登山用品店

 次は高い山に対応した装備です。それまで私はバードウォッチング旅行のためのフレームザックとハイキングブーツしか持っていませんでしたが、やはりこれでは登山には役不足でしょう。周りに相談相手がいない私としては専門的知識を持つ登山用品店が頼りです。大阪の登山用品店を何店かまわってみました。たぶん何年も使うものなので、少々高くてもいいから納得いくまで選ぼうという気持ちと、何店も回るために「また考えときます。」「ありがとう、また来ます。」という断り用の言葉を持って・・・・。まわってみて感じたのは店によって取り扱うメーカーに違いがあるということです。もちろん大きなチェーン店では自社ブランドの」製品もあります。
 店に入ると、まず店員の品定めです。バイトの兄ちゃんはパスしてできるだけ経験のありそうな、できれば店長クラスの人に話し掛けます。もっとも見渡したところ信頼できそうな店員がいないのですぐに出てきた店もありました。で、ヘンな見栄をはらず、まず自分は初心者ではあるけど、将来的にはずっと山登りを続けたいこと、登るのはまず夏山だけ、山小屋泊まり2、3泊程度など、きちんと自分の立場を説明した上で、まずザック選びの相談にのってもらいます。それで一番感触のよかった店で靴や他の用具も買ってしまおうという計画なのです。
 ザックはきちんと背負い、体に合わせて見てもらわないとなかなかわからないものです。私ははじめデザインでカリマーの製品にしようかと思っていたのですが、なで肩の私にはショルダーベルトの幅が広すぎるようです。ちょっと左右の肩の高さが違うことも指摘されました。いろいろ背負ってみって調整もしてもらった結果、ミレーのアタックザックがベストということになり購入決定。
 同じ店で登山靴も買うことになり、これは実際に履いてみて店内や階段の上り下りまでして履き心地を試しました。流行りの布製よりも絶対、革の軽登山靴の方が長い目で見たらいいからというアドバイスのもと、ザンバランのフジヤマという軽い革製の靴を購入。結果的には本当にその通りで、15年後の今も愛用しており、立派に現役で働いています。少々高くてもいいものを選ぶのが結果的に安上がりになりますね。ついでに山でいる小物類もアドバイスに従って買い揃え、丁寧に使い方の説明もしてもらいました。やはり他のお客のあんまりいない空いてる時間帯に行ったのもよかったようです。
 また登山用品店では山の最新情報なども手に入ります。値段だけに目を奪われず、上手に店と付き合うのも情報収集の一手段でしょう。

服装やザックの中身については次のページにて・・・・。
 

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