2002.12.31
AITC29のまとめ
文責・永井智貴

READER'S COLUMN(2:00)

常軌を逸した規模のクリスマスデコレーションを飾る一家と近隣住民のトラブル。各自が裁判官になったつもりで判決文を書き、それを互いに回し読みし、自分の意見を書き加える。その後、この事例に登場する役割を全員に割り当て、ロールプレイ形式で、この問題を全員で話し合う。

Uta: 前回はCan You Be a Judge?のsessionとしてアメリカでの判例を持ってきた。誰かが「Reader's Columnでも使えそう。言いたいことがたくさんある。」と言っていたので、今回使ってみた。クリスマスの時期だったので、これを持ってきた。
 また、文章が短かったので時間が余ると思い、ロールプレイ形式を後半に取り入れたがどうだったか?意見が聞きたい。

Andy: とてもおもしろかった。いい教材だった。それほどこじれる問題ではなかったので、簡単に判決を考えられた。その点で最初のsessionに置くのにいい教材だと思う。ロールプレイを先にやってから、自分の意見を書くという順でもいいのではないか?

Atsushi: 話し出す前に書こうという基本路線がある。もし順序を変えるのなら最初のsessionに置く必要がなくなる。ロールプレイ中には、あまり話すことがなかった。

Yoko: ロールプレイでみんなが話を創造していたのに感心した。

Andy: session名には再考を要する。もはやReader's Columnとは言いにくい。

TALKING MATCH(1:30)

ペアに分かれる。あるトピックで対立する立場(絵画vs写真)が与えられる。各自、1分間で論点を整理し、その後、与えられた立場で相手を説得するように5分間論じ合う。様々なトピックでこれを10回繰り返す。トピックごとにペアの相手は代わる。トピックはほかにSupermarkets vs. Shopping Streets, Going to the Zoo vs. Watching Wild Animalsなどがあった。

Andy: これまでこのsessionは3回やった。今回は手順を変えて、表現集を付けた。これは生かされたか?またトピックはよかったか?

Tomoki: 今回は表現集を生かすことができなかったが、表現集があるのはいいので、このやり方で続けて欲しい。いい刺激になった。

Uta: これまでこの表現集の表現を使ったことがなかったので、自分にとってはよかった。

Yoko: 表現の分類がよかった。自分では使いこなせなかったけど。このsessionの主目的はできるだけたくさん話す(量)ということだったが、この表現集のおかげで、内容的にも(質)改善が見られ、互いのやりとりが増えた。

Atsushi: この表現集は必要。トピックもよかった。

WARM-UP(0:10)

単語の定義を聞いて、その単語を書き取る。

Yoko: 聞き取りは難しくなかった。みんなには簡単だと思ったので、テープを編集して2回聞くところを1回にした。

Andy: やや簡単だった。スピードが遅く、声もはっきりしていた。でも3つ間違えた。

Tomoki: あくまでWarm-Upなので、聞く機会があるだけで十分。Warm-Upにdictationもどうか。準備が簡単にできる。

JIGSAW READING(1:30)

一つのパラグラフの各文を一人ずつに割り当て、各自が1分で暗記する。その後、互いの文を教え合って、話の流れを考え、元の順序を当てる。

Yoko: 担当者間で教材について打ち合わせはしなかった。二人の教材のタイプが異なっていた。

Uta: 刺激を受けた。

Tomoki: どういうわけか英文を暗記するこのsessionは好きだ。

Andy: このsessionをやるのはいい。(人数・難易度等)適した教材を見つけるのは大変だと思う。最後の話(ニューヨークに木登り少年はいない)は複雑だった(complicated)。

Tomoki: 一度のsessionで4回(準備は6回分)できたので、前回(10年前)にやったときよりもよかった。

Andy: 担当者の二人は「暗記しなくてもいい」と言ったが、(冠詞一つでおおちがいなので、)暗記すべきだと思う。

Atsushi: AITCでこのsessionをやるのはいいと思う。他のITCでは、2つ以上文を覚えなければならなくなるので、扱えないだろう。

LOUDSPEAKER(1:30)

1グループ3人で行った。一人がヘッドセット越しにテープを聴きながら、同時に、聞こえてくる内容をオウム返しに声にする。他の2人はその声を聴いて、ノートに書き留める。テープを聴く人を何度も交替し、書き取った内容を議論しながら、もとのテープのディクテーションを完成させる。ここでの題材は日中戦争での日本軍の細菌戦の事実を日本の裁判所が認めたというもの。

Andy: 2つの教材(易しく遅いものと難しくて早いもの)が候補としてあった。どちらを選ぶか迷ったが、結局後者を持ってきた。本当は両者の中間のものが欲しかった。話は面白かった?

Atsushi: 僕にとってはちょうどいい難易度だった。結果には満足している。新語も学んだ。

Yoko: 内容も難易度もよかった。自分の中では一番うまくいったloudspeakerになった。いい結果が出るかどうかはグループのメンバーによると思う。(その意味で)グループ分けは大切だ。

VALUE DEBATE(5:30)

School uniforms are a good idea.という価値論題を巡ってディベートを行う。3チームが肯定側・否定側・審判を交互に務める。

Mochi: 私はほとんどディベート初心者。ルールと流れを学べたのでよかった。初心者にはいいsessionだった。ディベートとは何かが分かった。

Andy: 論題に関しては、担当者は選択肢を多く出し過ぎた。一つに絞るのに時間がかかってしまった。もっと少なければよかった。

Mio: 論題を決めるのは難しい。

Uta: 私は満足している。担当者のおかげでディベートができた。数多くのことを学んだ。次回は審判の方法を学びたい。time keeperをしていると審判ができない。もしディベーターにも見える大きな時計があれば、いいだろう。ルールを前より学んだ。ディベートの戦略について学びたい。もっと単純な試合が望ましい。

Yoko: 手順は前回よりわかりやすかった(not confusing)。自分自身少しうまくなったと思う。(判定に関しては、細かいポイント制ではなく)印象で決めた。

Andy: 前回は形式(procedure)も論題も扱いにくかった。論題はもっと易しくしてはどうか。今回は論題が比較的単純になったが、それでも形式が固かった。

Mochi: 論題が深刻・切実・まじめすぎた(too serious)。もっと簡単なものがよかった。

Atsushi: session全体の説明が欲しかった。前回参加していなかったので。

WARM-UP(0:10)

TOEICのlistening testを使用。

Uta: TOEICの730点レベルを持ってきた。前回までの担当者のMiyakoはこれより高いレベルを持ってきていたので、簡単かと思っていたが、難しかった(confusing)。

Atsushi: 簡単ではなかった。

Yoko: 私にとっては同じ難易度だった。あらゆる種類の問題形式が含まれていた。絵がはっきりしなかった。

Atsushi: 答は合っていたが、満足できない。

Andy: 教材はTOEICである必要はない。

WORD TALK(3:00)

ペアになって、語源に基づいた英単語の話(mini-lecture)を互いに行う。準備の段階では一つの語根(例えばmis(o))とその派生語(misogyny, misogamy, misanthrope, etc)をまとめた資料を読み、自分の話(Word Talk)の準備をする。このときにパートナーに提示する資料も作成しておく。発表の段階では6人がグループになって、予め決めてある順番で次々にパートナーを変え、自分の用意したWord Talkをパートナーに聞かせる。1回につき7分。7分後に今度はパートナーが自分に対してWord Talkをする。14分たったところで、一斉にパートナーを変えて、1回目と同様に自分と相手のWord Talkを行う。つまり、同じ話を、相手を次々に変えながら、5回繰り返すことになる。sessionの最初と最後で同一の単語テストを行い、定着度を測定した。

Tomoki: 今回はすべてギリシア語の語源を集めた。また、初めて定着度テストを導入した。

Mochi: 自分のテスト結果には満足している。

Mio: 新しい単語を学んだ。

Andy: このテストこそ自分が望んでいたもの。話すだけでは足りないとずっと思っていた。テストがあるので、聞いたことを復習しなければならない。

Mi:me: 私はこのsessionが大好きだ。いくつかの単語はすでに知っていたが、その語源までは知らなかった。sessionを通してその語源を知った。

Andy: (事前に配られた接頭辞のリストに加え)接尾辞のリストも欲しかった。

Mochi: 語源辞典を持ってくれば役に立っただろう。

Mio: 定着度テストがあったので、どの語をtalkに含めるかが自動的に選べてよかった。

TROUBLE SHOOTING DRAMA(4:00)

2〜3人のグループに分かれる。各グループで異なる会話の台本が与えられる。この会話はコミュニケーションの行き違いにより、うまく話がまとまっていない。そこでグループで、どこに問題があるかを話し合い、それを台本の形に起こし、もとの会話に続けて話がうまくまとまるように改良する(続編を作るのが難しければ、状況と登場人物を変えずにもとの会話を一から書き直しても良い)。発表ではこの会話をもとの会話をも含めてスキットの形で全員の前で実演する。

Yoko: せりふを暗記するよう課したが、今回は流れがスムーズではなかった。

Andy: 台本を持ってしまうと、それに頼ってしまい演技が悪くなる。

Mio: またそれでは観客も楽しめない。

Atsushi: 台本を持ち込まない方がいい。

Andy: native speakerが書いた脚本を暗記することはいい。

Tomoki: 暗記しなければならないので、文を覚えようという気がおこる。そのおかげでまだ頭の中に英文が残っている。

Mio: 台本の解釈について話し合うのがよかった。

Yoko: discussionがこのsessionの目的の一つでもある。

SONG OUTLINE LISTENING(1:30)

叙事的な数曲の歌を2回ずつ聴いて、その歌詞の内容について話し合う。各グループに1枚ずつ質問がPost-It で隠されたプリントが用意されている。1回目を聞いた後に、指定されたPost-Itをはがして、出てくる質問に答える。2回目も同様に質問に答える。これを曲数文繰り返す。最後にすべての曲の歌詞カードが配られ、それを見ながら歌を聴く。

Mi:me: 誰かが同じ曲を持ってきたらどうしようと思っていたら、そうなってしまった。

Uta: 初めて同じ曲がかち合った。曲に用意された質問の違いが面白かった。これまで使用された曲のリストが必要だ。

Yoko: 総じて今回の曲の組み合わせ(the collection of the songs)は前回よりよかった。歌詞カードと実際の歌声に違いのある曲があった。

Andy: ベストヒットから選曲するときは注意しなければいけない。(各曲を分担で集めるときは)誰かまとめ役が必要だ。

Tomoki: Wrap Upでは時間が無くて言わなかったことで、今回、SOLを初めて担当して気づいたことを記しておきます。このsessionは基本的には90分の枠で収めることになっています。取り上げる曲数を5曲とすると、1曲あたりの持ち時間は18分しかありません。1曲は計3回聞きますから、discussionに当てられる時間(DT)は歌の長さ(SL)を基に次の式で求められます(単位:分)。 DT=18-3SL 1曲3分の場合はDT=9(分)となり、意外にdiscussionに時間がかけられません。今回持っていったMorning Songは3分35秒の曲なので、DT=7.25つまり7分15秒しかありません。これを各回のlisteningの後に割り振るのですから、このsessionをdiscussionがメインだと考えていると(事実、私はそう思っていました)、ちょっと話し込んだだけで、すぐに持ち時間をオーバーしてしまいます。極端な話、6分の曲を選んでしまったら、聞くだけでその曲の持ち時間が尽きてしまうのです。

 このsessionがコースの最後に来るようになったのは、あとにパーティーを控えているため、SOLなら比較的終了の時間の目途が立ちやすい、という理由によるものです。それまではDrama Shooting, Radio Drama等の比較的重いsessionが来ていて、それを終えた充実感を持って「パーティーに突入!」という流れでした。ところがこういった「創作もの」は予定した時間内に終わらず、パーティー開始が遅れることがしばしばでした。 今回も最初から予定終了時刻を30分繰り下げて、「遅くとも9:30には終わらせよう」と申し合わせしていたにもかかわらず、全員が集まった時には9:30を過ぎていました。誤解をされないために言いますが、遅れたグループを責めるつもりはまったくありません。そもそもITCは英語で話すのがその最大の目的なのですから。

 問題は、SOLが実は上述したように、あまりdiscussion timeを保証していないということに、我々が気づいていなかったということです(えっ、それって僕だけ?だったら後は読まなくていいです)。そこでこのsessionを時間内に終わらせる解決策は以下の通りです。

@もっと確実に終了時間に終われるsessionに差し替え、SOLは他の時間に実施する。 A曲数を減らしてdiscussion timeを増やす。 B使用する曲の長さを制限してdiscussion timeを増やす。 Cこのsessionはlisteningが中心だとみんなで再認識し、discussionに夢中にならないようにする。

現実的にはAとBの併用になると思うのですが、みなさんのご意見はどうでしょう?



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