Other part3
Canterbury Music in the World

 世界中へと拡散していったカンタベリー・ミュージックは、その国々のミュージシャン達にも多大な影響を与え単なるフォロワーには留まらず独自の解釈で新たな個性と魅力を持った素晴らしいグループを沢山生み出すこととなった。ここではそんな世界の国々で生まれたカンタベリー・ミュージックに影響を受けたであろうと思われるグループの傑作アルバムを紹介したいと思います。それにしてもフレッド・フリスやクリス・カトラーの八面六臂な活躍ぶりには驚愕しますね!

SUPER SISTER 「Present from Nancy」

初期マシーンが持っていた自由奔放なダダイズム的ポップ感覚をも継承しつつテクニカルな演奏も素晴らしいオランダのグループ、スーパー・シスターの70年のデビュー作にして傑作。
[1970 Polydor]

PICCHIO DAL POZZO「Picchio Dal Pozzo」

イタリアのグループ、ピッキオ・ダル・ポッツォの1作目。ここではハットフィールドやマッチング・モールの影響を感じさせたが、80年の2作目ではさらに楽曲が複雑になり陽気なヘンリー・カウみたいになった。
[1976 Grog / 1990 KING]

UNIVERS ZERO「Ceux du Dehore」

ユニヴェル・ゼロはベルギーのチェンバー・ロックの代表的なグループでR.I.Oに参加。初期は中世風な雰囲気もあったが、作品毎に洗練度を高めていく、この「祝祭の時」は3作目にして初期の傑作。
[1981 / 1992 Cuneiform Record]

AKSAK MABOUL「Un peu de l'ame des bandits」

コスのマルク・ホランデルのソロ・プロジェクト、アクサク・マブールもベルギーのグループでR.I.Oに参加。1作目はサロン風な雰囲気が漂っていたが、この2作目はF.フリスとC.カトラーも参加してシリアスで実験的なチェンバー・ロックの傑作となった。
[1980 crammed discs]

ABUS DANGEREUX「Le Quatrieme Mouvement」

フランスのアビュ・ダンジュールの1作目。ハットフィールドやゴングの他マグマやフランク・ザッパ等の影響も聞き取れる。テクニカルなフレンチ・ジャズロックの傑作。
[1980 A.J.P./ 2000 musiclip]

Pascal Comelade「September Song」

フランスのパスカル・コムラードはトイ・ピアノ等を使った気だるいサロン・ミュージック風で、事故後復活したR.ワイアットとの共通性も感じられ、クルト・ヴァイルの表題曲ではそのワイアットと一緒に歌っている。
[2000 evva]

ZAMLA MAMMAZ MANNA「FamilyCracks」

F.フリスのアルバムにも参加していたスウェーデンのサムラ・マンマス・マンナの5作目「家庭のひび割れ」。もう呆れるほどスリリングかつパワーに満ち溢れた大傑作。初期のとぼけた味わいにも魅力があった。
[1980 Silence]

THE MUFFINS「<185>」

ソフトマシーン等の影響も伺えるアメリカのバンド、マフィンズはF.フリスのアルバムに参加したことからプロデュースをフリスが行い演奏にも参加している。実力派らしくマフィンズ自身の音楽が確立された80年録音の2作目。
[1981 / 1996 Cuneiform Record]

VOLARE「the Uncertainty Principle」

アルゼンチンのジャズロック・バンド、ヴォラーレの97年発表のデビュー作。正にハットフィールドな音にびっくり!その後、未発表音源がCD化されたきりなのが残念。風刺の効いたジャケも良いですね。
[1997 The Laser's Edge]

オパビニア「Opabinia」

キリング・タイム等でも活躍する清水一登に鬼怒無月、芳垣安洋を迎えたトリオ編成のバンド。清水さんはカンタベリー音楽好きで、R.シンクレア来日時にはオパビニアがバックを努めている。ユーモアな感覚を持った個性的なジャズロックを聞かせる。
[2003 Tutinoko Label / INFINITE]

SIXNORTH「PRAYER」

京都で結成された実力派ジャズロックバンド、シックスノースの2作目。ハットフィールドの「Fitter Stoke Has a Bath」を引用した曲「Richard」にはD.シンクレアが客演。浦さんのスキャットも素敵。
[2003 POSEIDON / MUSEA]

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