Kevin Ayers

 御存知ジェントルで渋い声がファンを魅了し続ける生来放浪癖シンガー・ソング・ライター、ケヴィン・エアーズは63年ワイアットらとワイルドフラワーズを結成するがデモ録音後の65年グループを脱退しマヨルカ島へ旅立つ、一年後そこで知り合ったヒッピーのデヴィッド・アレンとカンタベリーに戻りワイアット、ラトリッジと一緒にソフト・マシーンを結成し67年にレコード・デビュー、68年には半年間のアメリカ・ツアーを行うがツアー終了後マシーンを脱退しガールフレンドとイビサ島へと脱出かたぎの生活をおくろうとするも、69年に再びギターを手にしロンドンに戻りハーヴェストと契約し「Joy Of A Toy」でソロ・デビューする。
 その後、デヴィッド・ベッドフォード、ロル・コックスヒル、マイク・オールドフィールド、ミック・フィンチャーのバンドと「ケヴィン・エアーズ・アンド・ホール・ワールド」を結成し2枚目「Shooting At The Moon」を70年に発表。72年バンドを解散し「Whatevershebringswesing」73年にはミュージカル・ショー「Banana Follies」の為書かれた「Bananamour」を出した後アイランド・レーベルへ移籍し74年に「The Confessions Of Dr. Dream and other stories」を発表し、その前にアルバムにも参加したイーノ、ジョン・ケイル、ニコらとプロモーション・コンサートも企画しその模様は同年「JUNE 1,1974」として発表された。75年「Sweet Deceiver」76年シングル&未発表集の「Odd Ditties」とハーヴェストに戻り「Yes,We Have No Mananas」78年「Rainbow Takeaway」とコンスタントにアルバムの発表を続け、80年「That's What You Get Babe」を出した後、住居をスペインのマジョルカ島に移し時折ヨーロッパ等でコンサートを行いながら、83年「Diamond Jack And The Queen Of Pain」84年スペインのみ限定の「Deja...Vu」、そして88年には久しぶりのロンドン録音となる「Falling Up」発表し、初来日も果たした。90年代に入ってからはめっきり新作の数は減るもののまた忘れた頃に突然発表し私たちを楽しませてくれることでしょう。
 最近BBC音源や地域限定のライヴ盤などが次々とCD化されています。

Kevin Ayers「Joy Of A Toy」

ソロ・デビュー・アルバムはソフト・マシーンもバックを努め、マシーンの曲の続き?から始まるポップでとっても楽しい標題通りの作品
[1969 Harvest/BGO Records]

Kevin Ayers and The Whole World
「Shooting At The Moon」

前作でも美しいオーケストラ・アレンジを見せたデヴィッド・ベッドフォードらのバンド・サウンドで名曲「May I」から始まるアヴァンギャルドとポップなロックサウンド。
[1970 Harvest/BGO Records]

Kevin Ayers「Whatevershebringswesing」

「原子心母」を思わせるオーケストラ・アレンジの組曲で始まりフリーキーなサウンドやのどかで美しいポップスなど、ワイアット他豪華なゲストもうれしい傑作。
[1972 Harvest/BGO Records]

Kevin Ayers「BANANAMOUR」

バナナ3部作の1枚などと呼ばれる「Banana Follies」というミュージカルの為に書かれたポップな作品集。ワイアット、ラトリッジが1曲ずつ参加しています。
[1973 Harvest/BGO Records]

Kevin Ayers
「The Confessions Of Dr. Dream and other stories」

下のライヴで一緒の人達など多彩なゲストでケヴィンの人柄も知れるとっても力強いアルバム。後半の組曲は重々しいイントロで始まるプログレっぽい作品。
[1974 Island/BGO Records]

Kevin Ayers-John Cale-Eno-Nico「JUNE 1,1974」

今となってはとても貴重なポップスターのイーノにロックなジョン・ケイルと今は亡き歌姫ニコとオリー・ハルソールのギターも素晴らしい奇跡的な涙ものアルバム。
[1974 ISLAND.Records]

Kevin Ayers「Sweet Deceiver」

上記のライヴで共演、その後良き相棒となるオリー・ハルソールと共同プロデュース作でエルトン・ジョンのピアノも聴ける。後半には次作を予感させるカリプソやボサノヴァ・タッチの曲も。
[1975 Island/BGO Records]

Kevin Ayers「Yes We Have No Mananas」

長年の相棒オリー・ハルソールのギターも冴えるトロピカル・ムード満点な実にシンプルで楽しいポップな作品集。

[1976 Harvest/EMI Records]

Kevin Ayers「Rainbow Takeaway」

アンソニー・ムーア初プロデュース作で前作の延長にあるボサ・ノヴァやレゲェにキャバレーソングなどAOR的ポップなアルバム。

[1978 Harvest/EMI Records]

Kevin Ayers「That's What You Get Babe」

10作目、いきなりニュー・ウェイヴっぽい曲から始まるが、全編のりの良い柔軟なロックが並び相変わらずオリー・ハルソールのすばらしいギターも堪能できるなかなか良いアルバムです。
[1980 Harvest/EMI Records]

「Banana Productions The Best Of Kevin Ayers」

76年のシングル&未発表曲集「Odd Ditties」にも収録された曲を多数含む78年までのベスト盤

[1989 Harvest/EMI Records]

Kevin Ayers「falling UP」

ヴァージン移籍第一弾は、オリー・ハルソールほかスペインのミュージシャンを起用した、ケヴィンらしい渋いAOR的な作品。

[1988 Virgin Records]

Kevin Ayers「Still Life With Guitar」

ライヴでお馴染みの「Thank You Very Much」等2曲の再録を含むアコースティックを中心としたシンプルながらも充実した内容の作品。オリー・ハルソールの最後の参加作となってしまいました。
[1992 fnac music/MSI ]

Kevin Ayers「THE UNFAIRGROUND」

なんと15年ぶりとなる新作が遂に完成。ユニークなゲストが多数参加した充実のポップな作品に身も心もスーッと軽くなっていくような気分にさせられる。
[2007 Victor]

[ SOFT MACHINE ]