「女夷育子」 残された樺太の絵葉書より
樺太の先住民族の生活様式は、戦前まで残っていたようです。この写真は、樺太の先住民族の生活様式を絵葉書として出版したものです。出版された年代ははっきりしませんが、恐らく昭和初期のものでしょう。ニブヒ族をはじめとする樺太先住民族の生活様式を、数枚の絵葉書に収め出版したのでしょう。このような絵葉書がどのような目的で出版されたのか、今ではよくわかりません。残念ながら「ものめずらしさ」も手伝って、このような絵葉書が作られたのかもしれません。決して先住民族の立場に立って残された資料ではありませんが、今となっては貴重な資料です。
少数民族の置かれた状況は、樺太が日本の支配下にあった戦前もロシアの領土となった現在も厳しい状況にあったことに変りはないでしょう。すべての少数民族にとって、自らの伝統を守りながら生きることがいかに難しいかを改めて考えさせられます。
これらの絵葉書は、樺太生まれで札幌市在住の杉村孝雄さんから提供して頂きました。どうもありがとうございます。これらの絵葉書に類する資料ををもしお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうぞご連絡くださいますようお願いします。
吊るされる幼児
戦前に出版された樺太の絵葉書より
資料提供:杉村孝雄氏
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乳を含ませる母親
子供は、縛られたまま乳を飲みます。
資料提供:杉村孝雄氏
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上記2枚の写真と同じ図を林蔵は、「北夷分界餘話」巻之八で絵に残しています。
ニブヒの親子
資料提供:杉村孝雄氏
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