K2000 LCDの交換

秋葉で購入したJunc扱いの100円のLCDです。 まず動くかどうか同じ240*64ドットのKAWAIのK5000RのLCDと交換して試してみたところ動作しました。 LCDは反転色です。 問題はk2000への取り付けです。 K2000のLCD cableはかなり長いので購入したLCDについているケーブルでは短すぎます。 ケーブルを取り外してつけかえるか、延長ケーブルをこさえるかしなければなりません...。 やはりELをとりかえるのが一番楽なような気もします....要検討。

結局 K2000のLCD unitの基板部分だけをそのまま使用してLCDのガラス部分とELを交換することでケーブル加工等の処理をしないで対処するようにしました。( 新LCD基板は残骸化してしまいますがこの方法が一番工数を減らせるし、LCD自体\100だったということで。)

LCDをばらすことが始めてなので少々緊張。 再構築したときちゃんと映るのかが心配でした。 LCDパネルとラバーの電極がパネルと密着していれば、ラバーの反対側が基板にたいして大幅にづれることがないかぎり表示はちゃんとするようですが、ラバーがはがれたりして密着具合等がわるくなると表示欠けが発生してしまいます。


* 旧 LCDパネル/EL、 新 基板部分の残骸。


はじめ K2000添付のLCDでELだけ交換してみたところ、多少は明るくなったものの思うようには輝度があがらず。 それ以前に経年変化でか LCD自体のコントラストかなり低くなっているようなのでLCD部分を交換(購入した反転タイプ)してなんとかみられるようになりました。(微妙な明るさではありますがコントラスト自体はよいです。)


* 交換後のK2000( 実際はもう少し明るい )

反転LCDはK5000につないで見ている分には青色で明るさも許容範囲なのですが、K2000につなぐと青というよりは黒に近くなってしまいます。 やはりELの明るさが足りないようす。 おそらくインバーターの出力が足りないのではないかと思います。


* K5000につないだ状態( これも実際はもう少し明るい )

これが故障なのか正常値なのかはサービスマニュアルが無いのでわかりません。  少なくと手持ちのインバーター(100Vrms AC出力)では明るく発光します。


* 外部インバータによるELのドライブ

解決策としては本体のインバータを使用せず、別途インバータを取り付けるという手はあります。 海外のK2000関係のsiteを見ると暗いLCDをどうにかしようとLCDをCCFLタイプのLCDに交換して別途インバーターを追加するという改造などが載っていたりするのですが (みなさん苦労しているようです) 私としてはあまり余計なことはしたくないので現状のままとしましょう。

analog物と違って digital物はこのくらいの規模のsynthになるとへたにいじると個人では修復不可能になることもありますし、K2000自体 高価な機械であることやとにかく作業性が悪いこともあってサービスマニュアルがない状態では本来中身はいじりたくないです。


はじめは反転画面に違和感がありましたがなれてくるとこっちほうがよさそうです。  結果的には\100の出費で交換前とくらべてかなり見やすくなったのでよしとしましょう。

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といいつつも気になるので インバータを外付けしてK2000にLCDをつないでどのくらい差 が生じるかバラック状態で実験してみました。 やはりかなり明るいです。(色が青い!)

この明るさなら全然問題はありません。(K2500みたいです)  (実際はLCDの透明カバーがついた状態ではもう少し暗くなるでしょうが)


* (実際はもう少し明るい) 拡大

ためしにK2000側のインバータの出力電圧を測ってみると約40V ACしか出ていなので単純にインバータの問題のようです。(以前に一度ショートさせてしまったことがあるのでそれがたぶん原因でしょう。)

さすがに基板の部品を交換する気にもなれずかといってインバータを外付けするのもちょっとやなので現状でがまんすることにしました。

原因がわかったし、現行でもぎりぎり許せる範囲の明るさですし。気持ち的にはすっきりしました。

<2004/06/23>


* 後日談

液晶交換から11年後... K2000購入から23年後、すでにK2000も Vintage Synthの領域になってしまいましたが、ServiceMnaualを入手してわかったことはバックライト電圧は交流360Hz 100Vrmsだそうなのでダメージを受けた回路ではその40%程度しか出ていないことになります。 100VrmsはELのインバーター回路の電源が+7Vの時と書いてあるのですが実際この回路では電源電圧は+6V程度になってしまうので実際は正常値で80V程度になるのでダメージを受けたインバーターでは明るさは1/2程度と言うことです。

インバーター回路自体は自励式インバータというポピュラーな回路のようで、この時代のいくつかのsynthにも同様の回路が使われています。 K2000の場合は電源供給回路が10Vの非安定化電圧をtransistorのコレクタに入れてエミッタフォロワで出力するというtransistor 1石の安定化回路を使っています。 インバーター回路の各電圧等を調べて見たところ1っのtransistorが異常のようなのでその部品をやっとのことで取り替えた所何とかインバーターの電圧は80Vrmsとなりました。

この100円液晶はコントラストが時間と共に変化してしまうと言う不具合があったので 100円ジャンクとして売られていたようです。 使っているとやはり使いずらく、そんなわけで結局の所ジャンクで購入したK2000Rから液晶UNITを取り出しそれをK2000につけかえるということで決着しました。

インバーターの電圧を本来の+7Vに上げてみればもう少し明るくなるとは思います。  抵抗1本を換えてtransistorのエミッタに入る電圧を変更すればできるのですがめんどうなのでペンディング。


<2015/05/05>



さらなる後日談

上記のようにK2000Rのジャンクを購入しK2000RのLCDをK2000に差し換えかわりにK2000Rに反転LCDをK2000からさしかえましたが.......。

* ジヤンクのK2000R購入


反転LCDはやはり見ずらくどうにかならないものかと思いnetの記事にあるような高輝度の互換LCDを買おうかとも思いましたがジャンクのK2000Rと比べて、LCDが送料を含めれば同程度の値段なので躊躇してしまいます。 そうこうしているうちに昔(1999年) K2000のLCDを交換しようとした時、上記の100円LCDとは別の特価1000円で購入した東芝製のLCD(TLX-711A)があったことを思いだしました。

K2000ではLCD枠のサイズがシャープのLCDと異なっていたので取り付け不可だったのですがK2000Rは取り付け方法が異なるのでもしかしたら大丈夫かと思い試してみたところOKでした。 交換する際の問題としてはオリジナルLCDはケーブルが基板に半田の直下付けなのでこのケーブルを流用するためには20Pのコネクターを外す必要があります。

幸い、今回は HakkoのFR300があるのでやる気になりましたがこれがなかったらかなりつらい状況です。 交換したLCDはK2000/K2000RのLCDとほぼ同じコントラスト、バックライトのELの明るさも同じくらい、すなわちあまり明るくはありません。 また K2000RはラックなのでLCDは直立なので覗き込む角度によつてはKBD版のLCDよりさらに見ずらいです。

あとはLCD コントラストの印加電圧に対する濃さが交換前のLCDと異なるのでMAIN PageのLCDコントラスト調整でうまい値にならないので回路図を見て該当する半固定POTを調整して範囲内に収めました。 幸いというかこのPOTは基板類をはずさなくても調整できる場所にありましたが電源部近くなので調整する際にはちょっと緊張します。

結局の所、K2000Rを少し斜めに設置することで見やすくなるようになりました。どうもこれらのLCDの問題かK2000のインバーターの電圧等の問題かやはりバックライトが暗いので見ずらさは残ります。 LCDのコントラストはほぼ同じくらいの同typeのKAWAI K5000Rと比較してもバックライトは暗いという印象を受けました。

外付けのインバーター(110V)でドライブするとELの明るさが上がるのでK2000側の電圧(100V)をもう少し高くすれば改善されるとは思いますが....。


* K2000R交換LCD


* 上:東芝製 /下:sharp製

<2018/12/29>