海外製のPoly KBD KIT
 
  
 
 
当時購読していた Keyboard誌(USA)に掲載された carig anderton氏のORGANTUA(1979/01/02/03)やRADIO Electornics(USA)に掲載されたmarvin jones氏String synthsizer(1979/02/03)が今でも印象に残っており何号かに分かれて掲載された記事の次号が楽しみで早く1ヶ月がたたないかと待ちどうしかったものです。
 
両者ともPAIAの KITで両氏ともPAIAのフェローとしていくつものPAIA KITを手がけている常連さんです。 現在ではNetでこれらの記事や製作manualが簡単に入手できる時代となりました。 とても興味は高かったのですがこの時代では PAIAからこれらを購入するという考え自体が浮かびませんでしたので単純に回路図を眺めて夢想するだけではありました。
 
両機種も $300くらいのKITですから 当時1$=250円として7.5万程度になりますので輸送費を合わせればRS09とあまり変わらないです。 国内ではこの規模のPoly KBDのDIY KITは存在しませんでした。
 
  
* PAIAのORGAN KIT
 
上記の2KIT以外でKITの製作記事で次号が楽しみだったのが同じくPAIAのKITのThe Drum(1980/05/06 Radio Electronics)というpercussion synthesizerでした。 このKITは特殊な部品は CA3080くらいだったので作る気になれば作れないこともない物でしたが結局作らずじまい。 トランジスタ使用のVCFなど色々特長がありました。
 
  
* PAIAのpercussion synth KIT
 
ビニール素材の革張りのケースがいい感じです。 このKITに限らず革張り風のキャビネットはUSA、ヨーロッパのKITで多数あります。 このビニール素材の革張シート?は94年ごろ Maplinでいくつか購入したのを思いだしました。 今でも使わないで取ってあってKBDのダストカバーに使っていますが本来の使用目的で使いたいものです。
  
 ヨーロッパの Poly KBD 製作記事
 
* Practical Electronics / JOANNA(E PIANO) (UK 1975/05..09) 
* ONDA QUADRA/PIANOFORTE ELETTRONICO 
    (ITALY1978/09/10/12.1979/01/03/04) 
* Practical Electronics / STRINGS ENSEMBLE (UK 1978/03..06) 
* SPERIMENTARE / STRING SYNTHESIZER 
    (ITALY 1979/09/10/11..1980/01/02/03) 
* ETI / ETI String thing (TRANSCENDENT DPX)(UK etc 1979/08/09/10) 
* ETI / POLYPHONIC SYNTHESIZER PROJECT(1980/12..1981/03) 
* Elektor magazine/The New Elektor synthesizer(1982/05..08)
  
  
  
* ETI(PowerTran) strings synthesizer
 
ここ10年くらいで(2018現在) 70年代、80年代当時のヨーロッパの電気雑誌のsynth関連の情報が多く入手できるようになりそれを見るとヨーロッパではPoly KBDの KIT/DIYもUSAより多いということがわかります。 当時このような情報を入手できたら狂喜したように思います。 今見ても楽しめますが今では分周音源 chipは入手困難か。
 
定番のstrings/ORGAN以外にPIANOがあるのが特徴か。  上記USAの記事もそうですが基本KITであったり、KITでなくとも基板パターンが掲載されているのでお金さえ用意できればDIYに対する敷居が国内にくらべてはるかに低いという印象。
 
  
* PAIA Strings BBD基板
 
この部分はかなり重要で国内で山下synthが特に他の製作記事に比べて有名なのも内容の良さもありますが初歩のラジオに掲載されたため基板のパターンが添付されていたことも原因になっていると思います。 初歩のラジオに限らず当時はトランジスタ技術でも1979年ころまでは製作記事の基板パターンが掲載されていました。
  
 国内Poly KBD 製作記事
 
初歩のラジオ 
* サウンドエフェクトシンセサイザー ミニモーグ オーサムSEM-1 
   (1973/04/05/07) 福田修
 
電子展望 
*ポリフォニックシンセサイザの設計から製作まで 
   (1978/11/1979/03/04)稲垣啓三/稲垣敏信 
*より楽器らしいポリフォニックシンセサイザ 
   (1980/10.1981/02) 今関洋一 
*プログラマブル・ポリフォニック・シンセサイザの製作 
   (1981/06.1982/01) 今関洋一
 
トラ技 
*ポリフォニック・シンセサイザの製作(1980/11) 土井滋貴 
*ポリフォニック・アンサンブルの製作(1981/04) 富沢瑞夫
 
国内の製作記事もそこそこ多いのですが記憶に残っているのは少ないです。
 
  
 
回路的には楽しめるこれらの全鍵タイプのKBDは元音源が単純なこともあって実際に出てくるSOUNDはanalogの悪い側面が出がちで特に低音部がきたないというか違和感のある印象があります。 音のよいと評価される機種においては色々な工夫が施されておりPolyphonic Synthsizerとは違った奥深さもあります。 
個人的にはこの手のPoly KBDの中ではARPのOMNIとかQuadraの SOUNDが好みです。
 
  
<2018/11/17 ver0>
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