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061 冬のオリオンと星の記憶

 何時の頃からでしょうか、オリオン座を見ると冬が来たんだなと思うようになりました。そしてなんだか不思議な記憶のような思い出のようなそんなものが心の隅にあるのを感じる気がします。オリオン座。まさにこのオリオン座を見ると何となく懐かしい思いがします。先日深夜にふと空を見上げるとオリオン座を正面に見ることができて、またもやそんな思いにとらわれたのでした。空に大きく広がるオリオン座は三ツ星が特徴的なので簡単に見つけることができる星座です。三ツ星の下には有名なオリオン大星雲がやはり小さな三ツ星の真ん中に位置しています。大きい星雲なので肉眼でもぼんやりと星座の位置がわかるほどです。

 子供時代には雪の結晶を顕微鏡で観察したり、化石を採りに行ったりといろいろなものに尽きない興味と関心がありました。そしてやはり星にも関心が寄せられました。それは小学正の低学年の頃に父親に連れて行ってもらって銀河を実際に見た記憶があまりにも強かったせいもあるでしょう。空にかかった星の集まり、古代の人がミルクを流した流れなどと表現したものが目の前に確実にその姿を見せてくれました。その場所の記憶は実家のある街からそれほど離れていないところで、今考えてみるとそんなところでも銀河が見えました。

 そんな思い出とも絡んでいるのか、オリオン座は何故か自分にとっては特別な存在のように感じられます。オリオン座と言えば、オリオンとサソリの話は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくる話ですが、そんな神話も手伝ってこの三ツ星を持つ星座は何となく神秘的な感じさえ抱かせるのです。 

 意識して星を見つめることが少なくなった今、偶然姿を見せた オリオン座はもう一度星を眺めて様々な思いを巡らせて見るのはいかがですかと誘いかけてきているようにも思えました。戻る