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059 有栖川宮詐欺事件に思う

 新聞やテレビを賑わせた事件に有栖川宮を騙った詐欺事件があります。有栖川といえば東京に住んでいると渋谷区広尾の駅から程近い有栖川公園を思い出すでしょうし、有栖川有栖を思い浮かべる人もいるかもしれません。

 有栖川宮家は後継がなく廃絶してからかなりの年月が過ぎています。有栖川宮のゆかりの地は先に述べた公園になり、東京都民の憩いの場になっています。かく言う私も以前よくこの公園でのんびりしたりお弁当を食べたりしたものでした。

 今回の詐欺事件で興味深いのは、有栖川という名前に有名なタレントが数多く騙されていたことでしょうか。

 おさらいしてみましょう。皇室とは天皇陛下と皇族方で構成されています。天皇陛下は皇族という範疇には入りません。
 皇室は天皇陛下、皇后陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下(雅子)・紀宮清子殿下、敬宮愛子殿下の六方が内廷。その他に秋篠宮殿下(文仁)および同妃殿下(紀子)・佳子内親王殿下・眞子内親王殿下、高松宮妃殿下(喜久子)、常陸宮殿下(正仁)および同妃殿下(華子)、三笠宮親王殿下(崇仁)および同妃殿下 (百合子)、寛仁親王殿下および同妃殿下(信子)・彬子女王殿下・瑶子女王殿下、桂宮殿下(宜仁)、高円宮妃殿下(久子)・承子(つぐこ)女王殿下・典子女王殿下・絢子女王殿下 の二十五方で全てです。
 うち皇位継承権者は六方。順に皇太子徳仁殿下、秋篠宮文仁殿下、常陸宮正仁殿下、三笠宮崇仁殿下、三笠宮寛仁親王殿下、桂宮宜仁殿下となっています。
 戦後にGHQの強い要請の元、皇籍離脱が宮内府告示がおこなわれ、十一の宮家五十一人が離脱することになりました。このとき昭和天皇の妹にあたる成子内親王は既に東久邇宮厚盛王妃であったため離脱の対象になりました。この中には有栖川宮は当然ありません。
 そういえば皇后陛下の正田家や、皇太子妃の小和田家なども皇族には当たりません。天皇家から降嫁された方々もいらっしゃいます。昭和天皇の妹にあたる孝宮和子(鷹司 平通夫人)、順宮厚子(池田隆政夫人)、清宮貴子(島津久永夫人)の三人、三笠宮家のィ子(やすこ)(近衛忠輝夫人)、容子(千政之夫人)のあわせて五人です。これらも今は皇族ではありません。

 考えてみると皇室とはどのような定義なのか、皇族方は何方いらっしゃるのかといったことを正確に答えられる人は少なく、皇位継承の順位すら知らない人も多いわけで、実はその辺りがポイントだったのかもしれません。 さらに旧宮家に付いても詳しく知る人は少ないといえるでしょう。そういえばそんな名前があったなあと思うくらいがよかったのでしょう。
 そもそも皇族の方々がビジネスのようなことに関わるはずはなく、ことさら旧宮家であったり皇族との関係を誇示して商売しているのであればかなりあやしいと思って間違いありません。
 それにもまして思ったのは皇族に方々や旧宮家と知り合いになりたい人たちが如何に多いことかということでしょう。皇族関係の結婚式ならばと思った人が如何に多いことでしょう。そういえば皇族方が様々な地域や施設を訪問されるときの特別送迎をする人々の表情にもそれは現れているように思います。

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