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054 燃えないごみ

 多くの自治体ではごみの分別収集を行っています。横浜のように普通ごみと資源ごみという風に、燃えないごみと燃えるごみを分けていないところもありますが、都市部ではほとんどが分別しています。その理由はプラスチックのようなカロリーの高いごみを従来の古い型の焼却炉で燃やすと高温になって炉を壊す恐れがあるためです。横浜の場合最新型のため高カロリーにも耐えるだけでなく、焼却量の能力も優れているので、神戸震災の時の廃棄物の処理を買って出たのは有名な話です。

 すでに説明しましたが、燃えないごみというのは瓶や缶のように燃やすことの不可能なごみという意味だけではなく、燃やしたときに高温になるプラスチック、ビニールといった石油由来製品を指しています。つまり後者は「燃えないごみ」ではなく「燃やせないごみ」であるはずです。

 ビニールやプラスチック製品は確かに熱で「燃える」ので、「燃えるごみ」に入れてしまいがちです。でも炉の古いところではこれが命取りになるということもあるのです。自治体は単純に「これは燃えるごみ」「これは燃えないごみ」というだけでなく、なぜ「燃えないごみ」に石油由来製品が入っているかを説明することが大切ではないかと思います。炉が壊れてしまってからは遅いのです。

 高カロリーのごみが処理できるのなら、その熱を何とか利用できないかと思うところです。太陽光で発電しているところもあるのですからこういったところで発電して電力会社に売ることで少しでも自治体の財政をまかなえるのならいいことではないでしょうか。設備投資に国が補助するぐらいで行くことが大事なのかもしれません。

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