HOME>ざれごと録>052 田植えの季節

052 田植えの季節

 先日、栃木県に足を伸ばす機会がありました。移動の電車の窓からは水が張られた水田の景色が広がり、一部では田植え機が水田の中を忙しく動いていました。もうそんな季節なのですね。

 田植えの季節がいつなのか。そして稲刈りの時期はいつなのか。生まれ育った地域では「農繁期休暇」から生まれた春休みと秋休みでその季節がわかりました。それが東京地方に生活の中心を移してからは特に水田の少ない東京や神奈川の中心部ではその季節感が薄れてきてしまったようです。自分でも「もうそんな季節だったろうか」と思ってしまったことが少し悲しい気分にさせました。

 季節の移り変わりに敏感でなくなるのはとても悲しいことです。八百屋の店先でもスーパーの野菜売り場でも季節感のない景色が展開されています。何でこの時期にこの野菜があるのかなあと思うことがあります。便利さは季節という大切なものを置き去りにしてしまったようです。日本のように四季のはっきりしている国がその季節の感覚を失ってしまったらそれはとても残念といわざるを得ません。

 季節の移り変わりや四季折々のすばらしさを大切にしたいと思います。そしてその感覚を大切に、できれば鋭く磨きたいものです。

戻る