HOME>ざれごと録>048 皇室の儀式

048 皇室の儀式

 先日、敬宮愛子内親王のお宮参りがありました。正しくは「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」と呼ばれるもので、皇居の中にある宮中三殿と呼ばれるところにお参りをすることです。もともとこの儀式は生後 五十日目に行われるのが通例で、現皇太子、紀宮清子内親王が五十日目に行い、秋篠宮文仁親王は寒い時期に生まれたのでやはり少し遅れました。

 いったいどんなことをするのだろうと思うのですが、実際のところは特別なものはなく、宮中三殿と呼ばれる賢所(天照大神を祭る)、皇霊殿(歴代天皇の霊を祭る)、神殿(八百万の神を祭る)にそれぞれ拝礼するもので、この際に天皇皇后両陛下は参列しないものの、紀宮清子内親王、秋篠宮をはじめ皇族方は参列し拝礼します。

 興味深いのはこの儀式に母親は参列しないことで、雅子さまは宮中三殿の手前、御潔斎所でお待ちになったということです。このいわば控えの場所で愛子内親王は一般のベビー服から特別な産着である御初召に着替えて式に臨んだようです。式の最中は一般ではおばあちゃんが抱いていくのが普通のようですが、ここでは東宮の女官長が抱いて儀式を行ったようです。

 儀式の際には楽舎で神楽歌があり、神饌を奉じ、祝詞を奉じます。神楽歌以外は神社で行う儀式と似たところがあります。確かに神道なんだなと思うところです。ただ祝詞は神主ではなく掌典長と呼ばれる宮内庁の職員が行い、式を先導するのは式部官長というやはり宮内庁の職員であるところが異なります。しかも祝詞は神社では声をあげてみなに聞こえるようにしますが、宮中ではその声はほとんど聞こえないほどでよいのだそうです。

 愛子内親王の誕生に伴う儀式は今月末にも行われるお箸初め、これは生後百二十日目に行うようですが、この儀式が終わると一連の行事は終わりとなります。

戻る