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047 ブッシュ大統領来日

 エアフォースワンで来日したブッシュ大統領、首都東京は厳戒態勢に入っています。今回は国賓ではなく実務訪問であることから、日本側の受け入れも微妙に国賓とは違うようです。最初の日本訪問が実務訪問ということは如何にアメリカが、日本が日米首脳会談を期待していたかを物語るようです。特に「悪の枢軸」と名指しした朝鮮民主主義人民共和国に関連する意見交換や、日本の後がないデフレ危機についての意見交換はアメリカが求めるものでしょう。

 日本で首相が変わるとアメリカ詣でをすることはよくあります。日米関係の緊密さをアピールするためでしょうが、アメリカの威光を借りなければならないところは哀しささえ感じます。日本とアメリカの関係とは一体何なのでしょうか。朝鮮民主主義人民共和国に対する態度はアメリカと日本は違います。でも日本はアメリカの意見を支持することを表明しながらも、日本の立場を説明するしかないというどうも変な形になってしまうようです。日本とアメリカの歪んだ関係が露呈してしまいます。日本の外交というのはこういうことしか考えていないのでしょうか。

 しかし経済問題については打つ手なしの今の状況では、アメリカ側から強い一言があればそれを弾みに政策を進めようということも考えているかもしれません。政府も発想がつきたようで、小泉デフレ対策の中味を見てもどこかで見たものばかり。アメリカの後押しを期待するのも無理はありません。アメリカも景気を浮揚させようとすると、日本の景気が足を引っ張りかねない状況に黙っていられないというのもあるでしょう。これも日本とアメリカの面白い関係を示す一面といえます。

 一般に元首クラスの外国訪問は友好訪問というよりは何か懸案があって行うことが多いわけですが、日本が訪問するときには資金援助をしにいくという奇妙な訪問も多いようで、本当は相手の国に援助を頼みたいのでその国まで出向いていくということが本来多いパターンなのですから日本の外国訪問が如何に奇妙かがわかります。日本の外交官はこのような外交ばかりしていると、日本は金を出してくれる国で、アメリカにはぺこぺこするという印象を受けるだけで、あとあととんでもないことになりそうです。いやすでにそういう状況になっているかもしれません。

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