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043 新舶来志向

 ワールドカップサッカーを契機にサッカーにをピッチという用語が使われるようになりました。 そろそろソルトレイクシティーの冬季五輪が始まりますが、ジャンプに七十m級、九十m級があり、最長不倒距離という用語がありました。また、大回転という競技名もありました。でもいつのまにか消えてしまいました。消えたというより取って代わられたといっても良いのかもしれません。特に冬季競技の用語は日本語から英語に変わってしまったものもあります。

 日本は明治時代に開国し際に日本のものは捨てて舶来のものは良いものとする風潮がありました。舶来志向はそれ以来続いていましたが、日本のもののよさを見直そうという動きもあり、映画にタイトルにも日本語による素晴らしいタイトルをつけ、また日本文化の見直しがなされました。

 でも最近またもや外来、舶来志向が広がっているような気がします。以前も書きましたが映画のタイトルが英語そのままだったりと、英語のタイトルがおしゃれに感じるのでしょうか。ヒット曲のタイトル然り、歌詞の中に英語のフレーズを入れ込むなど英語はかっこいいものという感覚が若者を中心にあるように感じられます。その反対が日本語はダサい、日本語じゃあねえ、といった感覚があるのでしょうか。歌詞だけでなくメロディーラインも輸入してきたもので哀しいかな日本の独自性は感じられません。

 右傾化を助長するつもりはありませんが、日本としての独自の文化を独自のものを作り出すことは出来ないものだろうかと思うことしきりです。日本は外国のものを真似するだけで独創性にかけるといわれてきました。今の状況でもやはりそのままだなあと感じます。用語やタイトルだけでもそうです。西周のようなことは今では無理でしょう。人気が大切な企業はこういった志向に迎合するしかありませんが、日本はさまざまな意味で意識改革が必要な気がします。

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