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040 甘酒とシッケ

 久しぶりに甘酒を飲みました。酒粕を溶いて砂糖を入れた偽物とは違う、ちゃんとした甘酒が売られていたので買ってきました。本来なら米麹で作るのが正当なのですがそこまではできないので仕方ありません。日本の甘酒は麹カビが澱粉を分解したブドウ糖の甘みですね。自然の甘みは爽やかで美味しいものです。

 一方朝鮮半島には「シッケ」という飲み物があります。いわば一種の「甘酒」なんですが作り方と言うか作り方が全く違います。朝鮮半島のこのシッケは麹ではなく麦芽を使います。麦芽がもつ酵素がやはり澱粉を分解します。出来上がるのはやはりブドウ糖ですので味としては同じですね。

 こうした美味しい飲み物は一体誰が見つけたのでしょうか。不思議な感じがします。日本の麹はカビの一種ですからそれを口にすることができたとは感動ものです。一方の麦芽も原理は今では常識でしょうが、最初に見つけた人はどうしたのでしょう。

 日本と韓国、出来上がるものは大体同じなのにこんなに地理的にも近いのに全く異なる作り方で作っていると言うのは興味深いことです。一方から他方へ伝わることはなかったんでしょうか。或いはこれらの食べ物は割合に新しいのでしょうか。

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